WBSの作り方とは?作成手段や注意点などについても解説

 2021.04.07  ワークマネジメント オンライン

プロジェクトの作業スケジュールでもあり進捗状況を管理するツール、WBSの作り方についてまとめています。プロジェクトにおけるWBSとは何か、WBSを作る目的や作り方、WBSの作り方において注意するべき点まで解説しています。

WBSの作り方とは?作成手段や注意点などについても解説

WBSとは

WBS(作業分解構成図)とは「Work Breakdown Structure」の略で、プロジェクトを作業ごとに分けて組み立てたスケジュール表のことです。仕事内容を大きく分類してさらにタスクを細分化、タスク全体の構造を可視化しています。さらにツリー構造にまとめるため、仕事内容の確認と分類が簡単に行えるところがメリットです。

WBSは、作業を見やすく時系列に並べた工程図の「ガントチャート」とよくセットで使われます。ガントチャートは、横軸に日時、縦軸に業務名と担当者名を記載した棒グラフ形式の表です。2つのツールを利用すると、作業内容と進捗状況を図で簡単に確認でき、理解しやすく、詳細な内容までわかります。

WBSを作る目的

WBSの主な目的は、プロジェクトの作業明瞭化です。行う作業一つひとつをリストアップして明瞭化し、担当者を割り当てます。スケジュールを立てる際に作業が明瞭でないと、「適した担当者に割り当てができない」「納期までの予定管理が適切に行えず完成が遅れる」といった問題が起きる場合もあるため、注意が必要です。作業を細部まで明瞭化後、完了・納品までの日程表をわかりやすく表にすると、作業日程表、全体図の共有もでき、プロジェクトを円滑に進行可能となります。

WBSの作り方

WBSは、仕事全体のなかから作業を細分化して順序を決定、階層構造化するという手順で作ります。実際に、どのような手順で作っていくのか、WBSの作り方を説明します。

タスクを洗い出し作業の細分化

ロジェクトの計画を立てる前には、まだ仕事内容の詳細がはっきりしていません。基本的には、完成までに行う仕事は大きく「要件定義、基本設計、詳細設計、開発、テスト」に分けられます。仕事をこの大分類に分けたあとには、さらに細かい作業をすべてリストアップします。作業の流れを押さえながらリストアップしたあとは、作業時間を予測できるレベルまでタスクを細分化していきましょう。

WBSはプロジェクトマネージャーが作ります。確実なものにするには、作業担当者に内容、所要時間などを確認して合意を取ることが大切です。

作業の関係整理と順序の決定

作業のリストアップを終えたあとは、作業間の関係を整理して順序を決定します。作業には依存関係が発生する場合もあり、どれを先に終えるかに注意が必要です。最初にする作業と次に行うべきものなど、可能な順番をはっきりしておくと、効率のよい作業計画が立てられるでしょう。

作業の開始・終了時間を決めるときは、「クリティカルパス」を意識して時間を計算しましょう。「クリティカルパス」とは、完成に必要な作業時間のうち、最も長時間かかるパターンです。「クリティカルパス」に遅れが出ると、その影響を受けて全体の納期も遅れます。確かに時間内に終わらせられるかどうかを確認して所要時間を決定します。

作業の階層構造化

作業分類後は、作業レベルの大きな「親レベルのタスク」から始まり、「子レベルの中タスク」「孫レベルの小タスク」へと枝分かれする、ツリー状の階層構造を作ります。タスクを合わせると上レベルのタスクが完成するか確かめて作りましょう。各タスクの関係を確認して作ると、漏れを防げます。

担当者の設定

WBS内の細分化した作業には、開始予定日時と終了日時、担当者を決めます。基本的に1作業に対して1人の担当者を充てます。担当者は納期までに仕事を終わらせる責任を持ちます。複数の担当者を充ててしまうと、どうしても責任の所在があいまいになりがちです。担当者はあくまでも1つのタスクに対して1人を基本として、その担当者が最終的な責任を持てるよう、設定してください。

WBSの作成手段・ツール

WBSは、手書きやExcel、タスク・プロジェクト管理ツールなどの手段で作成できます。現在では、Excelや便利なWebツールがいろいろあるため、使いやすいタイプを選んで作りましょう。

手書き

WBSの作成手段の1つには、紙やペン、ホワイトボードを使った手書きがあります。必要な作業をリストアップしてクリティカルパスを確認、計画達成のために必要な人数などを計算してから、紙やホワイトボードに書き出します。

WBSを手書きで作った場合には、予定表の共有が不可能な点、あとから修正ができない点など、明確なデメリットも発生します。したがって現在では、下記に紹介するようなデジタルツールの利用が主流です。

Excel

Microsoftの表計算ソフトとして多くのパソコンにインストールされているExcelは、WBSツールとしても活躍します。Excelは普段の仕事でよく使う人が多いため、WBSもExcelで作っている企業が多くみられます。データ入力がしやすく、表計算、図形、グラフなど、自由度の高いファイルが簡単にできるところがメリットです。

関数やグラフなどが使える場合には、ガントチャートまでExcelで作れます。ExcelのWBS作成用テンプレートも、インターネット上で手に入りやすいため、気軽にWBS作成に踏み切れる環境が整っている点は大きな魅力です。ただExcelでの自動化に限界があり、いろいろな手動操作が求められる機会も増えるでしょう。

タスク・プロジェクト管理ツール

WBS作成には、さまざまな「タスク・プロジェクト管理ツール」も利用できます。ガントチャートとセットの場合が多く、入力処理は自動の箇所も多いため、専用ツールには作業や所要時間など基本的なデータ入力だけでWBSの作成ができます。

専用ツールでは、スケジュ―ルの変更などで修正を一箇所入れれば、関係のある場所もすべて自動修正されます。作成・管理の手間が大きく省け、また入力間違いも少なくなるでしょう。WBSのチームメンバーが各作業にアサインすれば、メンバー同士の業務量・進捗状況を共有できます。担当者間でいつでも連絡を取り合えるため、進捗管理全般が大幅にスムーズ化すると期待されます。

また、WBSだけでなく「予実管理機能・EVM分析機能・掲示板」などのグループウェア機能も搭載されたタスク・プロジェクト管理ツールも販売・配布されています。自社に必要なタイプをよく検討し、導入しましょう。

WBSの注意点

WBS作成をする際は、「見積り時にバッファを取りすぎないこと」「一人ではなく複数人数で作ること」に気をつけましょう。これらを実践しつつ、情報共有・スケジュール管理に有用なWBSを作ることが大切です。

工数見積りでバッファを取りすぎない

工数を見積るときには、問題が起きたときに備えてタスクとタスクの間に余裕(バッファ)を設けて見積るのが一般的です。工数が無駄に多くなっていたり、バッファを長く取りすぎていたりすることのないよう注意してください。バッファの空きが長いと、次のタスクにすぐ取りかかることができずタスク担当者を長く待たせてしまう場合や、担当者が怠けてしまう恐れもあります。スムーズな業務完了を目指すためには、バッファを適切な間隔で入れることが重要です。

複数人でおこなう

WBSは、作業工程をすべて見逃さず正確に作らなければなりません。工程が抜けていた場合、途中から追加する必要があり、納期までに完成できない問題が発生するかもしれません。作業のリストアップでは、逆に同じ作業を重複させた場合にも大きな無駄が生じます。WBSに不要な工程を入れていたり、重複した作業にそれぞれ担当者が割り当てられていたりすると、時間や労力が無駄になり、スケジュール管理も難しくなってしまうでしょう。

作業をリストアップするときには、リーダーが1人で行うのではなく、実際に作業を行う担当者と打ち合わせて行いましょう。作業の抜け、重複のほかにも、所要時間は無理なく行える時間を設定する必要があります。理想的な数値ではなく、実際に作業を行う担当者の意見を重視しましょう。納期までの日程が厳しいときには、無理矢理作業をスケジュールに入れ込むのではなく、「人を増やす・納期を延ばす」などの適切な対策を立てることが、安定した納品につながります。

段階的な実施も検討する

WBSはすべての作業工程をリストアップしてから作成します。ところが、複雑なプロジェクトの場合にはあとで行う作業の詳細がわからず、内容が不明瞭なため分解が難しいものがあります。内容不明な作業を無理に細分化しても、ほかの作業との関連性や時間など重要なことがわからず、スケジュールと実際の作業とに大きなズレまで生じるでしょう。
不明確な作業には、最初から作業時間に数字を入れずに仕事を進めましょう。そのなかで、内容が明瞭化した段階で、作業を詳細化・細分化することを随時検討していきましょう。

WBSの基準を用意する

WBSは作業項目が細かすぎると管理の際に負担がかかり、逆に作業項目が粗いと管理精度が下がります。どちらの状態でも管理者に負担がかかり、進捗管理が順調に行えない恐れがあります。

WBSで作業の分解を行う場合には、作業分解点(粒度)をそろえると管理精度を一定に保つことが可能です。作業時間、または作業工数を基準に合わせると、管理がしやすくなるでしょう。

WBSの基準では、8/80ルールがよく使用されています。8/80ルールは、「各項目の作業時間を8時間/1日以上、80時間/2週間未満」にするルールです。また、1%ルール(100個の作業項目で構成)や、2%ルール(50個の作業項目で構成)などの基準もあり、WBS作りの際の基準として使用できます。毎回作業項目を始めから分解して1から作るのではなく、ある程度の基準を用意しておくと抜け防止にも役立ちます。

プロジェクトマネージメントには、タスク1つからビジネスの全体像まで整理でき、チームの仕事共有にも役立つ「Asana」がおすすめです。担当者に割り当てられた仕事は、優先度の高いタスクや仕事の期日がリストビューから一目でわかる、タスク管理が便利に使えるツールです。タイムラインからは今後の仕事の予定が全体図で確認できます。

1つのプラットフォームで100を超えるアプリが使える優秀さ、お気に入りのツールをまとめて連携できる使いやすさで仕事の管理も楽になります。ワークフロー管理、レポート機能から、プロジェクトのゴールや主要な資料の共有まで、リアルタイムで情報を取り入れられて、さまざまな場面で活用できます。仕事に必要なすべてのツールがそろい、チームメンバーと連携して効率良く仕事に取り組めるでしょう。 

まとめ

WBSは、プロジェクト管理に使用されるスケジュール作成手法の1つです。プロジェクトを行うために必要な作業を洗い出してから分類していき、作業を細分化した後には作業順序を調整、担当者を割り当てて作成します。作業を細分化することでタスクの漏れをなくし、的確な作業スケジュールが作成可能です。WBSの利用により、納期までに無理なくプロジェクトを完了できるでしょう。

CTA

RECENT POST「プロジェクト管理」の最新記事


プロジェクト管理

プロジェクト管理におけるWBSとは?基本情報やポイントを解説

プロジェクト管理

プロジェクト計画書とは?その作り方やポイントを解説

プロジェクト管理

WBSとは?作り方やサンプルを紹介

プロジェクト管理

WBSとは?そのメリット・デメリットからWBSを使う手順までを理解してスケジュール作成・管理に役立てよう!

WBSの作り方とは?作成手段や注意点などについても解説

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング