成果を出せる人事部門の生産性向上術について

 2021.03.29  ワークマネジメント オンライン

労働人口の減少により常に人手不足が続く日本企業において、生産性の向上は急務とされています。この課題を解消するために必要なこととは何なのか、本記事では人事部門が取り組むべき対策について、日本が抱える労働生産性低下の原因を踏まえながら詳しく解説します。

成果を出せる人事部門の生産性向上術について

日本の労働生産性は国際的に低い

日本の労働生産性(1人の労働者が生み出す成果)は国際的に見ても低く、主要先進国(アメリカ・イギリス・イタリア・カナダ・ドイツ・日本・フランス)の中で最下位の状態です。公益財団法人日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較2019年版」のデータによれば日本は、時間あたりの労働生産性が46.8ドルで、OECD(経済協力開発機構)に加盟する36カ国のなかで21位という結果になっています。

なかでも飲食業や宿泊業などのサービス業、医療・福祉業などの生産性が低く、深刻化する労働者不足問題をどのように解決するかが今後の課題と言えるでしょう。一方、「電気・ガス・水道業」「金融・保険業」「不動産業」「情報通信業」などの資産運用や資源を活用した業種の生産性は高い傾向にはあります。

それでも国際的に見ると日本の労働生産性はかなり低いため、今後各企業は労働生産性向上の実現に向けた対策を講じる必要があると言われているのです。

日本の労働生産性の課題とは

ほかの先進国と比べて日本の労働生産性が低い原因は何でしょうか。ここからは、日本が抱える労働生産性の課題について解説します。

労働人口の減少による生産力の低下

人口の減少や少子高齢化が進む日本では、労働人口(15歳以上の労働可能な人の総数)の減少による生産力低下が問題となっています。企業が十分な労働力を確保できない場合、企業自体の生産性が低下し、やがてそれが日本全体の生産力を低下させてしまうのです。

この問題を解決するため日本では、外国人労働者の受け入れを積極的に行おうとする動きがあります。しかしそれらによってもたらされる効果は一時的なものに過ぎず、根本的な解決にはならないとの見方があるのも事実です。

そのため企業は、少ない労働力で効率よく仕事をするためにはどのようにすればよいのかを考え工夫する必要があります。日本の人口減少はこれからも続くと予想されるため、生産性を向上させるには労働力の一時的な補完ではなく、長期的に継続可能な対策を導入するのが望ましいでしょう。

終身雇用制による評価制度

「終身雇用制度」は、会社に勤めた年数に応じて役職や給与が上がっていく年功序列型の評価制度です。日本ではこの終身雇用制度が長年スタンダードとされてきましたが、海外で多く取り入れられているジョブ型雇用(スキルを重視した雇用方式)の浸透により、最近では崩壊しつつあります。

また、ジョブ型雇用では優秀な社員や能力の高い社員が評価されるのに対し、年功序列型は勤めた時間の長さで給与が決まります。この場合「優秀な新人社員よりも、仕事のできない上司の給与が高い」といったケースも発生してしまいます。こうして年功序列型評価は、有能な社員のモチベーションを低下させて転職や離職に至らせてしまうことで、企業の生産性を落とすと懸念されているのです。

さらに終身雇用制度を取り入れた場合、長年同じ社員が企業に在籍し続けることになるため人件費が高騰したり、社内の意見に多様性がなくなったりします。企業の活性化と生産性の向上を目指すなら、終身雇用制度という評価制度も見直す必要があるでしょう。

人事部門の生産性向上の方法

企業の生産性を向上させるために人事部門が取り組むべき4つのポイントを解説します。

働き方改革による労働環境の改善

社内の生産性を向上させるには、働き方改革の内容に沿った労働環境の見直しと改善が必要です。まずは長時間労働の続いている社員がいないかチェックし、「働きすぎ」をなくす工夫をしてください。その際、社員が十分な休憩時間を確保できているかも気にかけるとよいでしょう。

また1on1ミーティング(上司が部下の悩みを把握するための対話)を実施し、社員の悩みや不満を把握するのも大切です。1on1ミーティングのなかで見直すべき点が見つかった場合は速やかに改善し、社内の環境が社員にとって働きやすいものとなるよう努めましょう。

さらに、多様化する働き方に対応するため、フレックスタイムやリモートワークの導入を検討するのもおすすめです。働き方のニーズに柔軟性を持って対応することで、社内の生産性向上につながります。

戦略的な人材育成

企業の経営を永続的に向上させるためには、戦略的な人材育成に注力する必要があります。企業にとって、与えられた業務を確実に遂行できる社員の存在は非常に大切です。しかし変化する社会のなかで、企業が利益を出し続けていくには、「企業の行く末を自身で見定め、考え行動できる優秀な人材」を見出したり、または育成したりすることも、同様に重要でしょう。

そのため長期的な生産性の向上を目標とするのであれば、優秀な社員の能力開発に力を入れましょう。また企業の将来を考えた戦略的な働きができるよう、社員一人ひとりを教育するのも社内の生産性を向上させるために欠かせません。

人材育成には一定の期間とコストがかかるものの、長期的に見た場合、社内の生産性向上に大きな効果があると予想されます。社員一人ひとりの特性を理解し、人事部門から適切なアプローチを行ってください。加えて、社内全体で企業の方向性や経営戦略などを共有しておくことも大事です。

成果主義により社員モチベーション向上

ジョブ型雇用の浸透によりなくなりつつある終身雇用制度ですが、それと同時に人事評価の方法も大きく変わってきています。最近では欧米で主流とされている「成果主義」を人事評価に取り入れ、社員のモチベーション向上につなげようとする企業が増えています。

成果主義とは文字通り「社員があげた成果を評価の対象とする」制度のことで、年齢や勤続年数に関わらず、企業への貢献度を給与に反映する仕組みです。これにより社員のモチベーションが向上し、キャリアアップへの意欲も高まるため、社内の生産性を向上させるために欠かせない取り組みと言われています。

一方で成果主義という評価方法を取り入れることによって、ノルマの達成に追われ精神的に追い込まれる社員が出たり、社員同士がライバルのような関係性になり社内が殺伐としたりするなど、人間関係が悪化する場合もあります。

また社員一人ひとりのあげた成果を評価するには人員コストがかかるため、人事部門が人手不足の場合は公正な評価ができない可能性があるでしょう。成果主義を取り入れる際は、まず人事部門の体制を整えることが大切です。

適切な人材配置

先述のように、社内の生産性向上には、労働環境の改善や社員のモチベーションを高めること大切です。その最たるものが、「社員の能力を見極め適切な部署に配置すること」、つまり適切な人材配置です。

自身のスキルに見合った部署に配置されれば、その社員は自分の能力を最大限発揮できるでしょう。そうした社員は、自分の作業効率・生産性・成果をアップしやすくなり、それらの達成感から企業への満足度も上昇させてくれると期待されます。加えて、自分のスキルにマッチする部署に配置されると対人関係が円滑に進むなど、複合的なメリットもあるのです。

さらに、適切な人材配置は優秀な人材の離職防止にもつながります。優秀な人材ほどどこへ行っても通用するので、自身の能力が発揮できない職場にわざわざ留まる必要はないでしょう。そのため、企業と自分にミスマッチを感じるとすぐに転職してしまう可能性があります。しかし適切な人材配置によって「能力を存分に活かせる職場」と認識してもらえば、転職されてしまう恐れを抑制できるでしょう。

自分のスキルを活かせない部署で働くことは、本人にとっても企業にとっても何らメリットを生みません。逆に適材適所を全うできれば、社員・企業双方が利益を得られるのです。社員の能力を把握し、適切な部署に配置することを常に心掛けていきましょう。

まとめ

一つの企業が生産性を向上させたところで、直ちに日本全体が抱える労働生産性低下の問題が解決できるわけではありません。しかし日本の未来を変えるためには、一社ごとの取り組みが必要不可欠です。本記事で紹介した対策を基に、社内の生産性向上を目指しましょう。またそのためには、業務の効率化を図るワークマネージメントツール「Asana(アサナ)」の導入もおすすめです。プロジェクトごとに適切なチームメンバーを組織でき、メンバー同士も活発にコミュニケーションを取れる環境が整います。

シンプルかつ明確なインターフェースで、どんな社員でも苦労することなく操作になじんでいけるでしょう。加えて、MicrosoftのOfficeソフトなどをはじめ、さまざまな他ツール・アプリと連携し、業務効率を無理なく向上してくれます。各種料金プランや試用期間(無料)も用意されているので、ぜひ導入を検討してみてください。

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