DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?その意味・定義のほか課題やポイントも解説

 2022.04.07  ワークマネジメント オンライン編集部

近年、ビジネスの様々なシーンでDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にする機会が増えました。しかし、その言葉の意味やなぜ必要なのかがよく理解できず、実行に踏み切れない企業も少なくないようです。本記事では、DXの定義と重要性、推進するうえで想定される課題、DXの取り組みにおいて押さえておきたいポイントについて解説します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?その意味・定義のほか課題やポイントも解説

DX(デジタルトランスフォーメーション)の意味・定義

DXとは、Digital Transformationの略称であり、直訳すると「デジタルによる変容・変革」という意味を持ちます。広義では、テクノロジーの進化により人々の生活を豊かにするという概念を指すものですが、ビジネスにおけるDXとは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務を大きく変革することです。

DXを進めていくには「デジタル」と「IT技術」の明確な違いも理解しておく必要があります。「デジタル」は、コンピューターで情報を扱う際の表現手法の1つであり「IT技術」は、情報を取得・保存・伝送するために利用するものです。DXは、これらの技術を取り入れてビジネスモデルを変化させ、市場に提供する製品・サービスの質を高めることで、社会のニーズに応えていく取り組みを指します。

デジタイゼーション・デジタライゼーション・IT化との関係性

DXが単なるデジタル化やIT化とは異なり、より大きな意味でのビジネス変革を意味するものであるのに対して、その前段階に位置するのが「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「IT化」です。

それぞれどのような概念を示すものなのか、具体例と合わせて見ていきましょう。

  • デジタイゼーション
    これまで、アナログで行ってきた業務をデジタル化する概念がデジタイゼーションです。具体的には、書類の電子化や電子印の導入、商談のオンライン化、チャットツールによるコミュニケーションのオンライン化などがこれに該当します。
  • デジタライゼーション
    デジタライゼーションは、デジタル技術の活用により、新しい利益や価値を生み出すビジネスモデルへと変革する取り組みを指すものです。具体的には、定型業務や単純作業を自動化するRPAの導入やクラウドの利用、人工知能であるAIの活用などが挙げられます。
  • IT化
    コンピューターやインターネット技術を使って、社会情勢に柔軟に対応できる体制を整える試みが「IT化」です。具体的には、紙媒体で管理している書類や業務マニュアルの電子化などが挙げられます。

DXとデジタイゼーション・デジタライゼーション・IT化の関係性は、DXを実現するための手段やステップであるといえます。これらの技術を活用して業務プロセスやリソースの最適化を図り、DXに取り組むビジョンを明確にしたのちにDX化に向けた取り組みがスタートするのです。

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DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む重要性

経済産業省の「DXレポート」によれば、2025年までにDX化に向けた課題を克服できず、ブラックボックス化したシステムが残存した場合、年間で最大12兆円の経済損失を招く可能性があると報告されています。少子高齢化が進み生産年齢人口が減少していく中で、日本の企業が経済力を維持していくには、生産性を向上させていく必要があります。

DXにより組織の業務効率化が実現すれば、大幅な生産性の向上が見込めるでしょう。また、スマートフォンの普及により、消費者の行動や意識もこれまでとは違ったものになっています。顧客が求めるデジタルの価値に応えられないままでは、競争力を獲得して市場での優位性を維持するのは難しいでしょう。

老朽化したシステムの維持管理コストは年々肥大していきます。さらに、膨大な情報を処理しきれなかったり、新しいプログラムに対応できなかったりするリスクも伴います。このような要因により障害が発生すれば、機会損失にもつながりかねません。DXの取り組みは、市場の変化に柔軟に対応できる環境を構築するために欠かせないものとなっているのです。

・経済産業省 DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(27ページ目)
引用元:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf

DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み例

DXに取り組む際に、何から始めればよいのか分からず頭を抱える企業担当者も多いのではないでしょうか。ここでは、DXを推進するときにどのような取り組みが必要になるのかを想定しながら、ステップごとに解説していきます。

社内の業務改善

まず取り掛かるのは、業務の改善ポイントを把握するために行う業務フローの可視化です。効率よく進めるために、フレームワークを活用してチームメンバー間で認識を合わせていけば、議論の時間を短縮できます。課題が明確になったら、ツールの導入を検討する段階に移ります。

経理業務であれば、伝票・請求書の作成、契約書・領収書の保管など、高度な意思決定が必要ない業務を自動化・オンライン化すると、コスト削減が期待できるでしょう。また、顧客管理に有用なツールを導入すれば、営業活動における様々なヒントが得られます。

新規事業・サービスの創出

デジタルテクノロジーが普及した現代では、これまで積み上げてきたノウハウも通用しなくなっています。デジタルへ置き換えられた消費者行動に対して、より利便性の高い製品や価値あるサービスを提供し続けるには、デジタルテクノロジーを使った新規事業展開について考える必要性もあるでしょう。

新しいビジネスモデルの事業立ち上げや、これまで提供してきたサービスの課題を解消してより高い付加価値を提供する取り組みもDXの実現と密接に関わってきます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)で想定される課題

日本の企業は、他の先進国と比較してDXに大きな後れをとっています。DXを阻害する原因をしっかりと把握しておけば、自社に最適な判断も下しやすくなるはずです。ここでは、日本の多くの企業が抱えているDXの課題を解説します。

人材の不足

諸外国と比較してIT教育が遅れている日本では、十分なITリテラシーを有した人材が今後継続的に不足すると推測されています。日本の場合、IT人材の7割以上がベンダー企業に所属するともいわれているため、自社でエンジニアを抱えずベンダー企業の開発リソースに頼っているのが現状です。

本格的にDXの実現を目指すのであれば、自社でエンジニアを採用・育成することが望ましいといえます。長期間にわたって自社サービスに携わる人材を確保できれば、新しいアイディアも実現しやすくなるはずです。

古いシステムの存在

上述したように、DX化を阻むレガシーシステムは、適切な方法で排除しなければなりません。老朽化したシステムは、独自のカスタマイズを繰り返してきたことにより、複雑化しているケースがほとんどです。

これまでの経緯すべてを把握する人材が社内に存在しない場合、全体像を理解するのは非常に困難であり、残存したシステムはやがてブラックボックスと化します。この場合、部分的に見直すだけではDXの成功に結びつかない可能性があります。一貫性を持つシステムへの刷新も、前向きに検討してみるとよいでしょう。

DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むにあたってのポイント

DXの成功には、会社全体の意識改革が不可欠です。また、取り組みの目的を決めて正しい意思決定につなげていくことも重要視されます。ここからは、DXに取り組む最初の段階で押さえておくべきポイントを紹介します。

経営層がDXを理解する

DX化は企業全体の風土やビジネスモデルを大きく変化させるため、経営層がDXについて正しく理解しなければ成功は実現できません。これまでの業務効率化に対する取り組みは、現場の社員に任せるケースが大半でした。しかしDXに取り組む場合、トップダウン的な推進も求められることになります。担当者や一部の部署だけに任せるのではなく、経営層が積極的に戦略やビジョンを示していく必要があります。

戦略やビジョンを明確化する

DXを推進するうえで、企業の目指すべき方向性の明示は非常に重要です。戦略の策定とビジョンの設定について、リーダーとなる経営層がしっかりと明確化して全社一体でゴールを目指さなければなりません。進むべき方向や企業の理想とする姿が正しく浸透していれば、現場の社員は正しいゴールに向けた意思決定が可能になります。抜本的な改革を進めていくにあたり、戦略やビジョンの明確化はなくてはならないものといえます。

推進体制を構築する

DXを推進するための体制づくりも大切です。DXの推進に向けて新しく組織をつくる形態は「専門組織設置型」と呼ばれており、ITに知見がある人材やこれまで業務改革の推進に実績のある人物を選出して構成するのが理想的です。場合によっては、DXに関する知識が豊富な人材を迎えたり、コンサルタントと連携したりしてDX化を進めていくケースもあります。いずれにしても、全社的な視点を持ったうえで、部門横断的なプロジェクトに取り組める体制の構築も視野に入れておきましょう。

まとめ

DX・デジタイゼーション・デジタライゼーション・IT化の違いを正しく理解したうえで、業務効率化に向けて既存業務を見直し、リソースを最適化できれば、生産性の向上が期待できます。少子高齢化による人材不足や、消費者意識の変化に柔軟に対応して企業が生き残っていくために、DX化はもはや避けて通れない課題といっても過言ではないでしょう。

この記事でも紹介したように、DXの推進は、1つひとつの業務を丁寧に見直すことから始まります。「Asana」は、DXの推進をサポートするさまざまな機能が搭載されたツールです。複数チームで取り組むプロジェクトをシームレスに整理・調整できる「ワークフロービルダー」機能も搭載されているため、DX化の実現に向けて導入をぜひご検討ください。

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