ストレッチゴールとは?部下育成における効果や設定ポイントと注意点を解説

 2021.11.08  ワークマネジメント オンライン

「ストレッチゴール」はビジネスやクラウドファンディングなどで使われる用語として聞くようになりました。企業の人事においては、部下育成にも使われるキーワードですが、「ストレッチゴールの意味を具体的に知りたい」「どのような効果があるのかわからない」といった担当者も多いのではないでしょうか。本コラムでは、ビジネスにおける部下育成の視点から、そもそもストレッチゴールとは何なのか、その効果やストレッチゴールの設定ポイント、設定する際の注意点についても解説します。

ストレッチゴールとは?部下育成における効果や設定ポイントと注意点を解説

ストレッチゴールとは

ビジネスにおけるストレッチゴールとは、部下育成のための目標設定手法です。

ストレッチゴールでは、現在のスキルと経験値だけで達成できる目標ではなく、現在のスキルや経験に加えて最大限の努力が必要な目標を設定します。

ストレッチゴールとはつまり「背伸びをした目標」のことだといえるでしょう。

ストレッチゴールを導入することで、部下の能力を伸ばし成長をうながせるのです。ただし、現在のスキルでは明らかに達成困難な目標を設定するのではなく、ギリギリ達成できそうな目標を見極めて設定をしなくてはなりません。

目標に届くか届かないかのラインで、がんばれば届く目標を設定することで、「このようにすれば達成できる」などと自ら方法を考え行動するため、部下の主体性を養う結果にもつながります。

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ストレッチゴールを設定する効果

それでは、ストレッチゴールを設定するとどのような効果があるのでしょうか。ここでは、部下育成に対する効果をみていきましょう。

より高い成果を生む

現状のスキルで達成できる目標よりも高い目標を設定することで、より高い成果を生むことができます。

たとえば、営業職において、現在の毎月の契約数が10件前後の場合、来月からの目標を「2倍の20件に増やす」などがイメージしやすいでしょう。

高い目標設定には努力と工夫が必要ですが、達成できたときに大きな成果となります。

モチベーションの維持

「なんとか達成できないだろうか」と考えられる目標であれば、達成するためのプランや手法を自ら工夫するようになります。それは、業務へのモチベーションへとつながるでしょう。

また、一度でも高い目標を達成できた場合、次回からのストレッチゴールに対するモチベーション向上にもつながります。

能力を最大限引き出す

ストレッチゴールを達成するための創意工夫は、個人の能力を最大限に引き出すきっかけになります。

これまでの経験や、現在持っているスキルをフル活用し、さらに目標達成のために必要な新たなスキルや考え方を創出する手助けになるのです。

これにより、個人の持っている能力は最大限に引き出され、スキルや経験はさらに積み重ねられるでしょう。

企業の成長につながる

個人一人ひとりの能力が引き上げられて成長することで、ひいては企業全体の成長にもつながります。

ストレッチゴールは、部下の育成はもちろん、企業全体の育成にもつながる目標設定なのです。

ストレッチゴールの設定ポイント

実際にストレッチゴールを設定する際には、どのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。ここでは、部下育成のためのストレッチゴールとして、その設定ポイントをみていきましょう。

部下とのコミュニケーションを図る

上司が部下のストレッチゴールを設定するためには、部下とのコミュニケーションが欠かせません。なぜなら、部下育成のためにどのような目標設定が必要なのかが、部下一人ひとりのスキルや能力によって異なるからです。

部下がこれまでどのような経験やスキルを習得してきたのかで、達成できる目標の範囲が違います。

部下一人ひとりの特性を見出すためにも、上司と部下は密なコミュニケーションを図り、適切なストレッチゴールを設定しなければなりません。

ストレッチゴールを設定するためには、上司と部下のコミュニケーションが不可欠なのです。

部下の能力を把握する

部下とのコミュニケーションを図ることで、部下の能力を把握できます。部下の能力を把握することにより、現状のスキルでどこまでを達成できて、どんな目標が困難かを見極められるのです。

たとえば、システム開発においてリーダーを務めたことのない部下ならば、プロジェクトリーダーを任せてみるなど、部下が努力しなければ達成できない目標がみえてきます。

つまり、部下のこれまでの経歴や、現時点で達成してきた実績も加味して、「何ができて」「何ができないのか」といった能力を把握することが大切だということです。

ギリギリ達成できない目標を設定する

部下の能力を把握したら、ギリギリ達成できないであろう目標を設定します。「背伸びしなければ達成できない」目標、つまり、ストレッチゴールの設定です。

たとえば、上述した営業職では、まず現状の契約件数とその行動について把握します。そして、部下の行動の中で改善すべき点や、工夫をすればアポイント件数を増やせるなどのポイントを特定するのです。

たとえば、一日のアポイント件数が2件ならば、あと1件ではなく「がんばってあと3件」アポイントをとる目標を立て、計5件を一日のアポイント獲得目標にします。

このようなストレッチゴールの設定では、「部下の一日の行動を最大限に工夫すれば、これくらいのアポイントが取れる」という裏付けと線引きも大切です。

こうすることで、部下の限界値のギリギリを目標として設定できます。

ストレッチゴール設定の注意点

ストレッチゴールは効果的な手法ですが、闇雲に設定してよいものでもありません。ここでは、ストレッチゴールを設定する際の注意点を確認していきましょう。

高すぎる目標設定は逆効果

ストレッチゴールは、高すぎる目標を設定すると逆効果です。

どうやっても達成できない目標を設定すると、やる気自体をなくしてしまうのです。無理な目標設定は、モチベーションを下げ、能力を引き出す前に諦めてしまう可能性が高くなります。

ですので、ストレッチゴールはあくまでも「努力すれば達成できそうなギリギリ」の目標にしなければなりません。

目標達成までのフォローを欠かさない

ストレッチゴールを設定して、それを部下に丸投げ(放置)しては意味がありません。大切なのは、部下が目標達成するまでの間のフォローです。

部下がストレッチゴールの達成に向けて最大限の努力をする一方、上司は部下が目標達成に近づくようにフォローします。たとえば、部下が悩んだり躓いたりしていれば、その原因や悩みなどを聞き、アドバイスしたり解決へのサポートをするのが上司の役割でもあります。

まとめ

ストレッチゴールは、部下育成の手法として有用なものです。現在のスキルや能力で達成できる目標よりも少し高い目標を設定することで、部下のモチベーション維持や能力を引き出す効果があります。ただし、ストレッチゴールを設定する際には、上司と部下のコミュニケーションと部下の能力把握が重要なポイントとなります。企業として人材の能力開発のため、ひいては企業全体の力を引き上げるためにも、「ストレッチゴール」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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