業務プロセス分析のポイントと方法について

 2021.04.13  ワークマネジメント オンライン

多くの企業が抱える労働生産性についての問題は、既存の業務プロセスを細かに分析することで改善できる場合があります。

本記事では、業務プロセスの概要や意味の整理にはじまり、プロセス分析の具体的な方法、分析のポイントなどについて詳しく解説していきます。

業務プロセス分析のポイントと方法について

業務プロセスとは

業務プロセスとは、企業や組織における一つひとつの業務をつなぎ合わせることで「仕事の全体的な流れ」を可視化する考え方です。プロセスとは「物事の順序や過程、手順など」を意味する語句で、これに「継続的に行われる仕事や活動」を表す業務という言葉が結びついて生まれた概念となります。

業務プロセスは個人・チーム・部署・部署間・企業間など、さまざまな規模で考えることができます。企業における業務プロセスは「生産性の向上」を目的に可視化されることが多く、さまざまな視点から業務の流れを確認し、問題点を洗い出すために重要な考え方であるとされています。

業務プロセスの分析・改善が行われていない場合、業務が長く特定の担当者に集中する「業務の属人化」の原因となり、「作業をほかの人材に委ねられない」「各業務が適切に進行されているのかを判断できない」といった問題が生じることも懸念されます。あるいは、新しい設備やツールの導入などによって、既存の業務プロセスが最適ではなくなるといったことが問題となることもあるでしょう。

こうした観点から、企業は現状で一番適切かつ安定的な業務効率化を実現するために、定期的に業務プロセスを見直す必要があるのです。

業務プロセス分析の方法

適切な業務プロセスの構築は、企業の労働生産性に直結する課題です。業務プロセスに無駄が生じれば、商品やサービスの開発・販売にかかる工数やコストが増大し、企業の経営活動に余計な歪みを生じる恐れもあります。そこで、続いては業務プロセスを最適化するために役立つ分析方法について、具体的に紹介します。

ABC分析

ABC分析の「ABC」とは、Activity Based Costingの頭文字を取ったもので、日本語にすると「活動基準原価計算」を意味します。ABC分析は、特定の製品にかかる生産コストなどを、できるだけ正確に原価計算するための業務プロセス分析方法です。

ABC分析では、各製品の製造にかかる直接費と間接費の両方を測定します。製造工程において「ある製品にどれほど間接費が投じられたか」といった事柄は不明瞭になりがちですが、製品によって間接費がそれぞれ異なることは当然です。

そこで、個々の製品のより正確な収益性を明らかにするべく、ABC分析手法が用いられるのです。

ABC分析を製造過程における業務プロセスの把握に用いることで、製品の直接費と間接費の両方を細かな分析が可能になります。その結果、各製品の適切な価格設定や余計な間接費のコストカット、必要性のない業務やタスクの削減などを目指すことができます。

5S活動

5S活動とは、「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の"5つのS"をモットーにした活動です。職場における物理的な環境整備などにも用いられる概念ですが、そのまま業務プロセスの見直しにおいても流用できます。

例えば、「整理」においては、利益が薄かったり非効率だったりする業務を区別して捨てる作業です。「整頓」は業務が属人化していないかなど、仕事の偏りやムラなどを均一化する作業とも考えられ、「清掃」は業務プロセスの最適化を継続的に維持・改善するタスクとしても置き換えられます。さらに、「清潔」は一目見てチームや各人の仕事状況を「見える化」すること、「しつけ」は職場の規則を守るように従業員教育し、習慣化する作業として応用できる考え方となります。

以上のように、企業活動において5S活動を習慣づけることは、業務プロセスにおける「ムリ・ムダ・ムラ」を減らすことにもつながるでしょう。

業務量調査

業務プロセスを改善するためには、業務量調査を実施することも大切です。業務量調査とは、各従業員の業務量を分析して、部署ごとの業務の最適化を行う手法です。

業務量調査を行う手順としては、まず大枠での業務実態のリスト化から始め、それから個々の作業手順を諸細目として挙げていくとよいでしょう。

その際には、「その業務が行われる頻度」「各業務の進行に必要な人員や作業時間」「業務遂行のために必要なツールや作業機器」「一連の作業に必要なコストの目安」などの可視化を試みます。それにあわせて、各作業における問題点なども都度記録していきます。以上のように、各業務の内容をできるだけ細かく、具体的にピックアップすることで、全体の業務量や各工程における課題を「見える化」することが可能です。

組織におけるさまざまな業務は、その多くが個人作業ではなくチーム体制での分業を基に遂行されるでしょう。したがって、業務量調査の精度を高め、より効果的な業務改善を行うためには、関係部署が問題意識を共有して一丸となって取り組む必要があります。

要因分析

要因分析とは、「なぜそうなっているのか?」と現状を構成している理由を追求していく業務プロセス分析の手法です。問題の根元を掘り当てるまでには何度も「なぜ?」を繰り返さねばならないことから、「なぜなぜ分析」と呼ばれることもあります。

例えば、あるプロジェクトの業務プロセスにおいて余分な空き時間などが生じている場合、「なぜそこで時間が浮いてしまうのか?」と問いを投げかけます。その問いに対しては、「前の作業工程が長引いてしまっているから」、「上司のGoサインを待っているから」など、原因に対して一応の答えが返ってくるでしょう。

要因分析を行う場合は、そこからさらに「なぜ前の作業工程は長引いてしまうのか」、「ほかの人に指示を仰ぐのではなぜ駄目なのか」といった問いを重ね、業務実態が構成されている原因や意味の根源をひたすら掘り下げていくスタンスを取ります。

表面的な理解のみで業務の改善を試みるのではなく、「なぜ問題が発生しているのか?」を突き詰めて考えていくことで、より適切な業務プロセス改善を実現するために重要となる分析手法であると言えるでしょう。

業務プロセス分析のポイント

業務プロセスを分析する際には、ある部分に注意しておくと業務実態の効果的な把握に役立ちます。続いては、業務プロセス分析に役立つ重要な要素について、「標準化への意識」「業務間のつながりの把握」といった2つのポイントを軸に解説していきます。

標準化を意識する

業務プロセス改善における一つめのポイントは、「業務の標準化」を意識することです。

業務の標準化とは、従業員が最適な手順で仕事に取り組めるように業務の流れを決め、ルール設定を行うことを意味します。「手順を把握すれば誰もがその作業を進められる」といった状態を目指すことにもなり、定型化やマニュアル化とも言い換えることができるでしょう。

業務の標準化を行う際には、業務マニュアルや業務フローを作成し、業務内容の「可視化」を目指すことが重要です。こうした取り組みを徹底することで、業務プロセスにおいて起こりがちな「業務の属人化」の問題を減らすことにも期待できます。

業務プロセス間のつながりを意識する

業務プロセスを分析し、改善する上では「業務プロセス間のつながり」を意識することも大切です。業務量調査や要因分析でも触れたように、組織における業務はチームでの連携を前提にした複雑な因果関係の下で成り立っています。例えば要因分析の際に例を出したように、業務プロセスにおいて余計な空き時間が出てしまっている場合、そこだけ切り取ってみると、その従業員がサボっているように見えてしまうかもしれません。

しかし実際には、作業における無駄な時間は担当者が意図して作り出したものではなく、「全体の業務プロセスの歪みから生じてしまったものである」というケースも少なくはありません。

このように、一連の業務間の因果関係を意識して分析することは、問題の根本的な解決を目指す上で重要なアプローチとなります。業務プロセスの分析にあたる根本的な考え方と言っても過言ではなく、各プロセスのつながりを無視しては、効果的な改善を試みることは難しいでしょう。

まとめ

本記事では業務プロセスの改善に役立つ各種の分析方法と、分析を行う上で大切な2つのポイントについて解説しました。

業務プロセスの改善を効果的に行うためには、業務プロセスの一連の流れを可視化し、業務間の因果関係を深く追求しながら無駄や作業負担の偏りをチェックしていくことが重要です。業務プロセスの分析を細かに行うことは業務の標準化にもつながるため、業務の効率化はもちろん、属人化によって発生する諸問題を回避することにも期待できます。

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