変革管理(チェンジマネジメント)とは?意味・重要性と8つの段階を解説

 2020.12.02  ワークマネジメント オンライン

企業のマネジメントを担当されている方の中には、「チェンジマネジメント」という名前は聞いたことがあるものの、意味などについてはよく知らないという方もいることでしょう。本記事では、そのような方々に向けて、チェンジマネジメントとは何か、その重要性や段階などについて解説します。

変革管理(チェンジマネジメント)とは?意味・重要性と8つの段階を解説

変革管理(チェンジマネジメント)とは

「変革管理」とは、企業の変革をスムーズに成功させるために必要なマネジメント手法のことで、「チェンジマネジメント」とも呼ばれます。この手法は1990年初頭、長い不況が続いていた当時のアメリカで、「BPR(Business Process Reengineering)」という経営の抜本的変革手法が発明されたことに端を発し、普及しました。バブル崩壊期だった日本でもBPRの考え方が取り入れられましたが、残念ながら失敗に終わっています。

しかし、その後の調査で、日本での導入失敗は、BPRの手法やステップ、戦略ではなく、心理的条件が要因であるとわかったのです。つまり、企業の変革に関わる人たちの意識や感情などが、失敗の原因でした。

そのため、関わる人々の抵抗感を和らげて、スムーズに実行していくために有効な方法として、チェンジマネジメントが開発されました。なお、変革を正しい手法で成功させるためには、段階を踏んで進めることが重要だと言われています。段階は8つあり、それぞれの詳細については後述します。

変革管理(チェンジマネジメント)が重要な理由

現代においては、技術の進歩が速くなっていることや、環境・経済・国際情勢などが日々変化を遂げていることの影響を受けて、ビジネスも不安定さや曖昧さを含んだものになりつつあります。このような時代で、常に変化する世界に対応しながらビジネスを進めていくためには、柔軟な組織変革の受け入れが必要です。

変革に対して心理的抵抗を表す、変化が苦手な人や現状維持を望む人が多くいれば、変革の妨げとなり、バブル崩壊期の日本企業で起きたBPRの失敗と同じような結果になる恐れもあります。特に日本人は保守的な傾向が強いと言われており、注意が必要です。

このような失敗を避けるためにも、チェンジマネジメントの導入が重要でしょう。変革の狙いや内容などを共有し、社員の共感を得たりしながら意識改革を進めることで、企業の変革をスムーズに進められる可能性が高まります。

変革管理(チェンジマネジメント)における8つの段階

ステップはコンサルタントによって違いがあります。ここではその代表例として、リーダーシップ・マネジメントで知られるジョン・コッター氏が提唱する8段階を、それぞれどのような意味を持つのかも含めて解説します。

危機意識向上

まずは危機意識の向上が重要です。なぜ変革が必要なのか、自社の問題や改善の必要性を明確にしなければなりません。「今のままでいい」と考える社員が多いようであれば、変革に否定的になり、協力を得られない可能性もあるでしょう。変革の必要はないと考える原因として、当事者意識の欠如や、「このままだと自社がどんな状況に陥るか」を理解していないことなどが挙げられます。

社員に変革の必要性を考えてもらうためにも、社会や市場、競合の分析などを提示し、根拠を明らかにしながら、危機的状況に陥る可能性があることを伝える必要があるでしょう。ちなみに、変革を失敗に終える企業の多くが、この段階で失敗していると言われています。ここでいかに変革の重要性を伝えられるかどうかが、後に続く段階の動機づけにもつながるため、慎重に進めなくてはなりません。

チーム結成

第2段階では、変革をスムーズに進めるためにも、変革をリードしていくチームを結成するとよいでしょう。そのためには「変革を進めるうえで必要な能力を備えている人」・「周囲に影響を与えられる幅広い人脈を持っている人」・「周りからの信頼が厚く評判のよい人」を選ぶことが大切です。前者は内容の設計・実施に、後者2つは組織全体へと浸透させるためによい影響をもたらすでしょう。

周囲への影響力の大きい人が拒否すると、それに続いて多くの社員も否定的な態度を示す恐れがあります。逆にいえば、そうした人を変革推進側に置くことで、抵抗勢力を抑える効果を発揮することも期待できます。また、チームメンバーは社員以外にも、そのような分野に詳しい専門家を含めることで、よりよい成果をもたらす可能性が高まるでしょう。

ビジョン決定

多くの人に理解してもらうためには、具体的でわかりやすいビジョンを決める必要があります。ビジョンは、第1段階における危機意識向上のために提示した「負の動機づけ」とは異なり、将来のあるべき姿を示す、「正の動機づけ」と言えるでしょう。将来的にどうありたいかを明確にすることで、実現に向けた具体的な方法を模索できます。

なお、優れたビジョンに共通する特徴として、「可視化できること」「メリットがあること」「実現可能であること」「方向を示すこと」「柔軟性があること」「伝わりやすいものであること」の6つが挙げられます。これらのポイントを踏まえながら、よりよいビジョンを作り上げることが大切です。

周知・共有

ビジョンを決定したら全体に周知し、共有しましょう。何度も繰り返し伝えていくことで理解が深まるため、全社員に浸透するよう、徹底して周知を進めます。変革推進チームが率先して行動していくことも効果的です。また、さまざまなチャネルを生かすなど、情報共有のために工夫するのもよいでしょう。

ビジョンを伝えて社員の耳に入れるだけでなく、しっかりとその意図や内容を理解してもらうことが重要です。全体会議などで発信することはもちろん、各部署などでも伝えていくことで、変革の理解と実行していく意識を持たせることが期待できます。

環境整備

周知や共有をしたら、その変革ビジョンに沿ってスムーズな行動を取れるよう、環境整備に努めましょう。社員が変革を受け入れて実際に行動を起こそうとしても、既存の構造やシステムがそれらの行動を阻害してしまうと、その勢いが途絶えてしまう恐れもあります。

変革に向けて新しいアイデアを考えたり、これまでと違った行動をしたりすることを推進するためにも、あらかじめ変革を阻害しうるものを取り除いておく必要があるのです。環境整備が整えば、自発的に変革に向けて行動する社員も増えるでしょう。

成果実現

第6段階では、変革によってよりよい方向に向かっていることを、社員に実感してもらうことが重要です。それまでの取り組みが成功に結びついていると実感することで、モチベーションを高める効果もあります。

そのためにも、短期的かつ達成可能な目標を設定することが大切です。短期間で成果が出る業績目標などを設定しておくことで、それが達成されたときに変革の効果を実感できるでしょう。

大きなビジョンは達成までに時間を要する場合もあるため、まずは短期間で成果が出やすい目標を定めておくことがポイントです。また、貢献した社員を表彰したり、報酬を与えたりして、社員の変革に対する気持ちを維持させることも効果的です。

さらなる変革推進

小さな成功体験を積み重ねることで、より弾みがつき、変化推進が加速するでしょう。次第に大きな変革を達成することも可能です。成果が生まれたら、なぜその結果に至ったのかを分析し、情報を共有します。これにより成功へのプロセス理解が深まり、より変化が速くなります。この段階までくれば、変革の重要性について理解する社員が増え、改革への反発も起きにくくなるでしょう。

定着

最終段階では、変革後の業務や制度を根付かせることも大切です。取り組みを振り返り、有効な手段を明確にするなど、その実績をまとめて社員に共有し、新しい企業文化として定着させます。社員が成功を実感できれば、今後もスムーズに取り組みを進められるでしょう。また、変革を定着させるために、推進の後継者や新しいリーダーを育てることも、将来を見据えるうえで重要です。

まとめ

日々変化し続ける社会の中で、在り方を変容させながらビジネスを展開するためには、チェンジマネジメントに取り組んでいくことが大切です。企業変革を成功させるためにも、本記事で紹介した8つの段階を意識して取り組んでいきましょう。なお、その際はツールを活用することも効果的です。

「Asana」では、チェンジマネジメントのベストプラクティスを導入し、企業変革を成功に導くためのロードマップを作成できます。このツールを導入することで、より効率的に変革を進められるでしょう。チェンジマネジメントを成功させたい企業や、進め方に不安がある企業は、ぜひ導入を検討してみてください。

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