「CONNECT : 仕事も人生もととのう、ストレスフリーの管理術」レポート

 2022.06.22  2023.03.30

2022年3月24日に開催したイベント「CONNECT : 仕事も人生もととのう、ストレスフリーの管理術 (Asana Together Japanユーザーミートアップ)」では、パネルディスカッションにOECD開発センター 次長の湯浅あゆ美さん、Prodotto合同会社代表の萩原雅裕さんと、2名のAsanaアンバサダーをお迎えし、Asanaとの出会いや日々のタスク管理のノウハウについてお話しいただきました。Asana実践者トークでは、SBS情報システムの原田 雅樹さんと、株式会社シノプス 島井 幸太郎さんによるAsana活用のノウハウが共有されました。本記事では、各セッションの注目のポイントをレポートします。

Asanaの活用で、仕事も人生も「ととのう」には

湯浅さんと萩原さんによるパネルディスカッション「仕事も人生もととのう ストレスフリーの管理術」では、2人のプロフィールに加え、日々の仕事・暮らしから生じた課題と、それを解消するためにAsanaを利用するに至るきっかけ、そして普段の活用方法が共有されました。

OECD開発センター次長としての職務を全うしながら、性別に関係なく誰もが自分らしく生きられる社会にしたいと、さまざまな活動をされている湯浅さん。子連れの海外単身赴任、その後お子さんを日本に残して海外で勤務する傍ら、オンラインもフル活用で子育てを行ってきた経験を持っています。加えて、ラケット競技「クロスミントン」の国際大会のメダリストでもあり、仕事と家庭、競技のどれも手を抜かない日々を過ごされています。

12年前に、かわいい盛りの娘さんと離れ離れで暮らすことはとても寂しい思いもありましたが、iPhoneのビデオ通話で毎晩娘さんとお話をしたり読み聞かせをしたり、運動会にiPadを通じて参加したりされていました。オンライン・コミュニケーションの時代を先取りした形で、当時から仕事や生活に便利なツールをいろいろと試されていました。

湯浅 あゆ美 OECD開発センター 次長

湯浅さんは、自身が子供のころ、母親が子育てを含む日々の暮らしにおいてストレスを抱えていることを感じ取って悲しい思いをしたこともあるため、自身の子供に対しては同じような思いを抱かせたくないと、「ハッピーマザー」でいることを目指します。配偶者やご両親、娘さんのサポートもあり、海外赴任も家庭も両立できるよう、さまざまな挑戦ができているといいます。一般的な母親像とは違った活動ではありますが、12歳になった娘さんも理解と尊敬を示しています。

萩原さんは、NTTデータやベイン・アンド・カンパニー、日本マイクロソフト、米Microsoftを経て、ワークスモバイルジャパンに参画し、ビジネスチャット「LINE WORKS」の立ち上げと成長に携わってきました。2021年に会社員生活にピリオドを打ち、Prodotto合同会社を設立。経営コンサルティングやマーケティング支援などを提供しています。

萩原 雅裕 Prodotto合同会社 代表/Prodotto合同会社代表

大企業で働く40代後半から50代のミドル世代がキャリアや人生に対する悩みを抱いていることに着目し、組織に属して働くだけではない多様な働き方を「ポスト会社員の働き方」と呼び、ご自身でも試行錯誤されています。萩原さん自身は40歳ごろに未経験のベンチャー企業への転職や、その後に直面した「中年の危機」を乗り越えた経験を持ち、その経験を活かしてミドル世代の働き方・キャリア開発や新しいチャレンジを支援する活動をされています。それらの経験と知見を、自分の人生を経営するためのコツとして、Twitterやnoteなどで積極的に発信されています。

Asanaは、モヤモヤやカオスをなくしてくれる存在

Asanaに出会う前の湯浅さんは、仕事・家庭・趣味に奮闘するなかでたくさんのストレスを抱えていました。やるべきこと・やりたいことの重要度と緊急度を示す、アイゼンハワーマトリックスにたとえると、日々が「緊急かつ重要」の領域のことばかりで埋まってしまい、人生の軸、将来の自分のために必要な「緊急ではないが重要」といった領域の習慣を身につけることができず、悩んでいたのです。

「十数年前の当時、自分のやりたいことを満たすツールは見つかりませんでした。ノートに手書きしたり、Excelでチェックリストを作ったりしましたが、常に手間がかかり、長続きしませんでした。私のモヤモヤ解決に必要なのはタスク管理でないかと、Asanaにたどり着きました」(湯浅さん)

湯浅さんは早速Asanaについての調査を行い、萩原さんのYouTube動画も含めた豊富なナレッジがあることから「まさにこれだ!」と利用を始めます。その結果、この10年思い悩んでできなかったことの習慣化をわずか1ヶ月で身につけることができました。

開けたらものが崩れてくる倉庫→間取りのある家 10年越しの習慣化成功

湯浅さんは、Asanaは、趣味も家庭も仕事もすべて見通せることもあり、一般的な女性が抱える悩みの解決にも有効で、「女性のためのエンパワーメントツールのポテンシャルがある」と語りました。

萩原さんはこれまでの社会人生活で、常に生産性を追い求めてきたことから、自身を「生産性オタク」だと認識したそうです。常に効率化したい欲求を満たすために生産性や発想法、整理術などの書籍を読み漁り、様々なツールを活用してきたと言います。

そんな萩原さんが独立をすると、これまでと違った状況に「カオス」が訪れます。会社に所属していたときは、会社で決まったコミュニケーションツールや方法があり、資料もどこにあるかわかるし、取引先を自社のツールやルールに巻き込むことができました。一方、独立してしまうと、Facebookメッセンジャー、Slack、LINE、メールとコミュニケーションの場があちこちに散らばり、資料もGoogle DriveやDropbox、メール添付など点在してどこにあるかわからなくなります。

独立して気づいたこと=コミュニケーションが散らばる

そこでなんとかしなければと思っていたところにAsanaの存在を知り「すごくスッキリしそうな雰囲気があった」と使い始めます。独立して「ぼっち気味」だったという萩原さんは、Asanaの可能性を感じたことに加え、Asanaのユーザーコミュニティの雰囲気に好感を持ち、アンバサダー(当時は認定プロ)になります。

Asanaに頼ってストレスフリーな毎日に

湯浅さんは、Asanaで習慣やタスクを管理しています。毎日やる・やりたいというタスクは43個あり、1日の流れに沿って、実行可能な単位に細分化してタスク化し、サブタスクを使って期限や頻度を管理しています。スライドではシンプル化した例を見せてくれました。ルール機能を使って、適切なタイミングでタスクが現れるように設定しています。他のAsanaユーザーの使い方も参考にタスクを完了した数を確認できるようにして、小さな達成感を感じることもあります。習慣だけでなく、仕事のプロジェクトや人生にとって必要な行動も横断的にプロジェクト化して管理できるのがAsanaの肝とのこと。iPhoneやiPadなど、デバイスをまたいで利用できる点もメリットだと考えています。

Asanaで習慣やタスクを管理

Asanaと合わせて、マインドマップでアイデアを整理するツールなども活用し、出てきたアイデアややるべきことをAsanaで整理して行動に移しています。

「ツールの力を借りて、頭の中がかつてのぐちゃぐちゃ倉庫状態から、キッチン・リビング・寝室といった間取りになるようにレベルアップし、以前よりすっきりした気持ちで日々を過ごせています」(湯浅さん)

萩原さんは、Asanaの使い方の解説においてまず、生産性を高める重要なキーワード「GTD(Getting Things Done)」を挙げました。思いついたことは頭の中に入れておくのではなく、どこかに吐き出しておくという概念です。電子手帳デバイスやさまざまなツールを使っていた際も、そこに情報を吐き出しておけばあとからリマインドが来て対応すればいい。自分で溜め込むのではなくツールに頼ってストレスフリーな状態にすることを求めてきたのです。

「とにかく仕事の話もプライベートな話も全部吐き出さないと頭がすっきりしないので、そこを分け隔てなくできることが重要です。マルチデバイスも重要で、パソコンを使っているときも、スマホを使っているときもどんな状態でも確認できるのは大事。その点で、Asanaはすごくフィットしました」(萩原さん)

独立して、個人で働くことが多くなると、成果に直結するため生産性を高めないと死活問題にかかわるともいいます。相手に求められた品質の仕事を成し遂げようとすると、クリエイティビティは重要になり、その時間をつくるためにもツールを使った定型化は大事だといいます。

Asanaでの定型化として萩原さんは、テンプレート機能を使って、さまざまなToDoを効率化しています。自身で完結する仕事はもちろん、キャンプや旅行の持ち物リストなどの個人的なToDoも効率化、さらに今回のイベント登壇の準備もやはりテンプレートで対応されたそうです。また萩原さんは、個人事業主やフリーランス特有の寂しさのような感情を、Asanaのインタラクションや、コミュニティへの参加が和らげてくれると話しました。

Asanaのテンプレート機能

Asanaだとなぜ「ととのう」のか

湯浅さんは、萩原さんのYouTube動画『Asanaで毎日が「ととのう」理由が判明しました』を見て、自分のなかで言語化されていなかった悩みが解決したと話しました。湯浅さんは、「激しく共感しすぎて、人生で初めてYouTube動画にコメントを書いてしまいました」と話しました。長年悩んでいた習慣化を成し遂げて、心が「ととのい」、疲労感、焦燥感が軽減したことで生産性が高まるという好循環ができています。

「私にリマインドすることをAsanaに委ねることで、安心して実行のみに集中できます。頭に思い浮かんだこともAsanaのプロジェクトに収納して、あとで考えることもしています」(湯浅さん)

湯浅さんは、ビジネスコーチを受けた経験があり、その際、ビジョンと大まかな計画策定まではコーチと一緒に考えるものの、詳細行動は自分でやるという経験をしました。この最後の詳細行動のための計画が難しく、自分だけではできないこともありましたが、Asanaの活用により実行できるようになりました。まるで寄り添って伴走してくれるコーチのような存在です。

Asanaはコーチ、執事、秘書、スッキリ暮らすための収納先
萩原さんは、Asanaを使ってシンプルにやることを書き、担当と期限を決めるだけで、ストレスフリーの状態を得られるメリットを実感していると語りました。さらに、個人で使うだけでなく、外部の人とのミーティングのアジェンダをAsanaで管理していても「誰でもパッと見てやるべきことがわかる。そして、使っていて楽しい。これらはITツールを使う際にすごく大事なことだと思っています。UIが優れたAsanaだから、だれでもすぐに使えていると感じます」と評価しました。

セッションの終わりに、2人は次のメッセージを残しました。

「ストレスを感じているなら、一度じっくりとその原因を分析することをおすすめしたいです。ストレスの原因を知ることで、その対策につなげることができました。日々のモヤモヤが解消され、すっきりした日々になりました。Asanaを敏腕コーチ、優秀な執事、あるいは秘書など、伴走してほしい相手として仕立てて、少しでも安心して、ストレスフリーに生きていければと思います」(湯浅さん)

「私自身『中年の危機』に陥ったこともありましたが、今はストレスフリーで生きております。すべてのことが上手くいっているわけではありませんが、全体像を把握したうえで、自分が主体的に選べる自己決定感は幸せにつながるとされています。いろいろ工夫しながら、主体的に選択することを意識するとストレスフリーに近づけると思います」(萩原さん)

Asana実践者トーク1「SBS情報システムにおけるAsana社内浸透の取り組み」

SBS情報システム様は、2020年から社内全員でAsanaを利用しています。きっかけは、アナログだった社員全員の情報共有がテレワークで課題が発生し、Asanaによるデジタルな情報共有で課題解決を目指したことからでした。やがて、使っているうちに、業務の見える化やISOでの利用など便利な点が続々と分かり、正式な導入を決定。スタッフの工夫と取り組みで、今では同社の中期経営計画から個々人の情報まですべてAsanaで共有しようとトライアル中です。SBS情報システム 次世代ソリューション開発本部 原田 雅樹さんに活用状況をお話しいただきました。

Asanaのデジタルな情報共有の便利さに共感

「Asanaとの出会いは、デジタルを使った情報共有がとてもわかりやすく、参加者が同時に編集できるなどとても便利だったからです」と原田さんは振り返りました。それまで同社は、社員全員の情報共有をホワイトボードに紙で貼って行っていました。これがコロナ禍に伴うテレワークによってできなくなってしまいます。そのときAsanaを知り、使ってみると自宅の人も出張の人も全員が状況を容易に把握でき、同時に編集もできることがわかります。これでデジタル情報共有のメリットに皆が共感し、Asanaの正式導入が決定されました。

コロナ前後の朝会の様子

原田さんは、こうしたAsana導入決定の後、現在までの活用を振り返り、社内にAsanaが浸透したのには4つのポイントがあったと言います。それは「導入チーム」の結成、「自分たちのニーズに合わせる」工夫、「勉強会」での使い方の学び、そして「ハッカソン」でのより深い使いこなしの追求です。

浸透のポイント1:「導入チーム」の結成

導入決定後は、同社内で導入推進チームを結成し、いくつかのポリシーを作ってチームはAsana浸透に向けて活動を開始します。そのポリシーとは「各部署の本部長が中心」「業務ごとにさらに小チームを作り検討」「わからないところはAsanaから質問」「できるところから利用開始」の4つです。

原田さんは、本部長というトップが中心になって大枠を決め、小チームは現場での調整を進める、そして全部揃ってからではなく、準備ができたところからスタートという形が、スピード感を持って浸透できた理由と言います。質問もAsanaでタスクを作成しその上で質問します。レスポンスがいいので、ここでも浸透への流れを加速できました。

浸透のポイント2:「自分たちのニーズに合わせる」工夫

こうしてAsanaに慣れつつ導入を進めていきますが、問題が発生します。同社の保守作業についてもAsanaのタスクで管理する予定だったのですが、Asanaには通し番号を発番する機能がなく、タスクに同社独自の番号を振ることできなかったのです。原田さんは悩みました。

しかし調べたところ、AsanaのAPIを使うと自分たちで番号を外から埋め込めることが判明。特定のタスクを監視して、新規にタスクが発生したら番号を振る仕組みを取り込みました。必要な機能がないからといって諦めず、工夫の余地がないか検討したことが功を奏しました。

浸透のポイント3:「勉強会」での使い方の学び

導入というフェーズが終わり、本格稼働に入ってからは社内でAsanaの勉強会を実施しました。初年度は2回、同社の中で使える機能を紹介し、各部署ではこんな風にAsanaを使っているといった事例、そしてQ&Aで締めくくるという形で行いました。機能については、わかりやすくスライドにして全員の前で発表しました。

社内勉強会スライド

浸透のポイント4:「ハッカソン」での深い使いこなしの追求

2021年12月には社内でハッカソンを実施しました。Asanaをより深く理解して使えるようになってもらうためと、今まで、こう使いたいああ使いたいが企画倒れで終わっていたので、それを形にしたいというテーマがあったためです。チャレンジは、社内で8名、3チームにわかれて開発にトライ。「外部通知機能の実装」「工数集計ツール」「コラボレータセット」という3つの機能が作られました。

コラボレーターセットは、Asanaのコラボレーターという機能を使うとき、毎回毎回、何人も入力するのが大変だというところから誕生しました。入力する人名をセット化し、そのセットの中から選択して入れられるという機能です。入社3年目の新人2人が開発を担当。完成まで2日間と素晴らしい働きを見せてくれました。また、このように機能を作り込めるのもAsanaの良いところと再認識しました。

コラボレータセット機能

最後に原田さんは、Asanaが同社に浸透したのは「導入チームでの立ち上げ」「自分たちの望む機能を加える」「勉強会を実施」「ハッカソンでより高度な使いこなしを目指す」といった、社員皆のアクションがあったこと、そして部門長などのトップに理解があったこと、そもそもAsanaが使いやすいこと、そしてAsanaのような情報共有のツールを必要としていたときに上手に巡り合ったことなど、いろいろな要因があったことを説明しました。

さらにAsanaを使いこなしていきたい


そしてAsanaの導入で、誰もが同時に編集できるデジタルな情報共有機能の活用に加え、個人の業務の負荷状況やタスクの進捗を可視化できるようになり、プロジェクトの進捗が俯瞰できるなどのメリットも生まれました。

こうしてAsanaの導入は、会社の業務の進め方に新たな視野や方向を提供できたようです。今後、原田さんは、社内の目標に対して社員全員の足並みを揃え、適切な仕事を優先できるAsanaのゴール機能の活用を目指しています。会社の一番上の目標を中期経営計画として、そこから各チーム、さらには個人までの目標を、Asanaの中で全部つなげたいと原田さんは考え、試行錯誤しています。

Asana実践者トーク2「AsanaでOKRからタスク管理まで」

食品スーパー向けの需要予測や自動発注システムに強い株式会社シノプス様は、2016年からAsanaを導入しており、今や業務になくてはならないと言います。そんな中、コロナ禍で同社も急遽リモートワークに変更、96%が自宅業務になりました。そうなると課題になるのが社員の評価です。リモートゆえ、目標をどれだけ達成したかの成果に比重が高まりました。イベントでは、株式会社シノプス 取締役管理部長 島井 幸太郎さんからAsanaの活用方法を共有いただきました。

3つのツールでOKRを実践、ただ課題もあり

同社は、会社の目標管理としてOKRの仕組みを利用していました。そのために以下の3つのツールを利用してその管理を行っていました。

miro:OKR・目標の全体像をビジュアルに表現(年次)
Notion:目標・KPI管理(週次)
Asana:タスク管理(日次)

miroでOKRの全体像をビジュアルに表現して、Notionでプロジェクト管理や目標管理を行い、日々のタスク管理はAsanaが対応という形でした。社員の評価についても、これらツールの情報を参考にしていました。

2021年までの目標管理に利用していたツールの状況

しかしこの3つのツールによる運営について、島井さんは課題があったと語りました。miroによる目標管理のビジュアル表示は必要ですが、部署ごとの目標やKPI、そして自分のタスク管理のためにNotionとAsanaを行ったり来たりするのは効率的ではないと感じていたのです。加えて、NotionでOKRと目標を把握する、Asanaで日常のタスクを確認する、というやり方を進めていくと、OKR・目標と日常のタスクとの関連性が薄れてしまい、OKRとタスクは「別物」というおかしな認識が定着しそうな恐れも気になりました。

島井さんは「目標の話をするときはNotion、日々のタスクの話はAsanaと、行ったり来たりしていると、目標とタスクの関係がうまく浸透しないのでは。ならば両方とも日常業務に組み込むほうが良い」と考えました。ここから島井さんの、Asanaで目標管理からタスク管理を全部統一するトライアルが始まりました。

Asanaのゴール機能を活用して、OKRからタスクまで統一

島井さんのトライアルは1年近くに及びましたが、無事目論見通りAsanaによるOKRからタスク管理までが可能になりました。社内での運用を開始してみると「まず手間が減ったということ。さらにAsanaは皆が日常業務を遂行する中で利用しますが、同時に目標の達成が見える状態が作れた点が良かったようです」と島井さんはAsana統一の感想を述べました。皆の負担を増やさずに状況確認を容易に行えるようになり、島井さんは「ツールを1つにまとめることが、如何に重要かということを改めて感じました」と重ねました。

島井さんは、Asanaによる統一に合わせて、この運用を浸透させるために最低限のルールとして5つを定めました。

  1. 各プロジェクトに週1つ以上はマイルストーンを設定する
  2. 毎日1つは個人目標プロジェクトのタスクを入れる
  3. 始業時間から10以内にタスク遅延はゼロにする
  4. メンバー間のタスク依頼はAsana。Asanaになかったら、そのタスクはしなくよい!
  5. ルールを守れない場合は、評価を無条件に1段階下げる

5つありますが、どれも意識さえすれば難しいものではありません。特にメンバー間のタスク依頼をAsanaに統一したことが新たな運用の成功に役立ちました。「Slackやメールといったコミュニケーションツールはあるのですが、そこからの依頼は無視して良い、対応するのはAsanaからのみとしました。これぐらいの方が、結果良かったと思います」と島井さんは振り返りました。

AsanaはOKRの3層目を受け持つ

同社の目標の構成図とも言えるOKRは、miroを使って3つの層という形でビジュアライズされています。一番上の層は、会社の中期計画などに当たる大きな目標で、2層目は会社目標と部署目標の間ぐらいのもの、そして3層目が部署の目標に当たります。3階層の下には、各個人の目標として複数のカードがビジュアライズされています。各個人の目標は、Asanaのプロジェクト単位に落とし込んで、そこで日々タスク管理を行うことでゴールへの達成率が図れるようになっています。

個人は自分のタスクに対応することで、自身の目標がどれほど進捗しているかを知ることができます。そして個々人の進捗具合=達成度が集まることで、3層目の部署目標の達成度が類推でき、さらに2層に関連し、1層目である会社全体の目標達成度を想定できるというわけです。個人のタスク処理が、目標と連携しているのです。

日々の進捗管理は、Asanaのレポート機能を使って把握するようにしています。レポート機能を使って、必要なデータがわかるダッシュボードを作成し、全体を見える化しています。最近は「横軸に時間軸を設定できるようになって、一気に使いやすくなりました」と島井さんもオススメです。

Asanaのレポート機能

さらにチーム内のすべてのプロジェクトについては、それらをポートフォリオとして把握できる設定になっています。実はポートフォリオにはワークロードという機能が含まれていて、これを利用すると個々人の業務の達成状況がグラフですぐにわかります。このグラフから、チームの達成率や負荷状況を全体像として掴むことができます。また個別に見られるので、遅れている人がいれば個別にフォローアップも可能になると、島井さんは言います。

もともとはOKRのある部分をAsanaに統一して、手間を削減することから始めたことですが、ダッシュボードやワークロードの見える化なども可能になり、OKRをここまで強化できた事例は珍しいと言えます。Asanaの有効活用をお考えなら、ぜひ参考にしていただければと思います。

注目セッションのレポートは以上です。登壇者による質疑応答セッションもあり、Asanaを業務管理ツールとしてご利用されたい組織や、個人としての生産性を高め、プライベートにも応用したいと考える方、人生における複数の領域をうまく管理し「ととのえ」たいと考える方に参考になればと思います。今後のAsana Togetherのイベントにもご期待ください。

OKRまるわかりガイド ー AsanaのOKR作戦ブック ー

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