業務標準化とは? 具体的な進め方と注意ポイントを解説

 2021.03.17  ワークマネジメント オンライン

業務が属人化している企業ではノウハウが社内に蓄積されません。そのため技術継承が困難だったり、担当者不在時に業務が回らなくなったりといったさまざまな課題が生じてきます。そこで注目されているのが「業務の標準化」です。本記事では、業務標準化の意味や具体的な進め方、注意するべき点などを解説していきます。

業務標準化とは? 具体的な進め方と注意ポイントを解説

企業経営における業務標準化とは

業務標準化とは“社員が最適な手順で業務に取り組めるよう業務のプロセスを決定し、全員がその手順に従って業務を行うこと”を意味します。ある業務が特定の人物でなければ遂行できない状態に陥っていることを「属人化」というのに対し、誰もが同じように業務をこなせるような状態を「標準化」と呼ぶのです。

業務標準化の目的

業務標準化の主な目的は「業務の属人化から脱却し、同じ業務でも人によって進め方が異なったり、成果物の品質にばらつきが出たりする事態を防ぐこと」です。

業務が属人化する原因としては「担当者が多忙で業務をほかの社員と共有する時間がない」「専門性が高い業務のため、その人しか対応できない」ことが考えられます。このような場合、担当者の不在時や退職時に困るのは会社や残された社員たちです。業務が長期間ストップしていれば、会社としての売上は減少し、取引先との関係に悪影響が出るかもしれません。だからこそ、属人化を解消して標準化する取り組みが必要なのです。

業務標準化のゴール

業務標準化のゴールは、あくまでも業務手順を決めてそれを全員で共有することです。業務手順を決めてもそれが社内で徹底されなければ、効率化も品質向上も望めません。そのため全社員が徹底できるように、業務マニュアルにこれらをまとめるケースが多いです。その結果、決定した業務手順を誰もが参照できるメリットは得られますが、次第に本来の目的から離れてしまい、マニュアルの作成自体がゴールになってしまうケースも少なくありません。

つまり業務標準化を推進する過程では、「何のために業務手順を決めるのか」という目的まで、全員で共有することが望ましいのです。

業務標準化のメリットとデメリット

以下では業務標準化のメリットとデメリットについて解説していきます。

業務標準化のメリット

業務標準化のメリットは、属人化の解消だけではありません。

業務を標準化し、決められた手順通りに進めていくことで、抜け漏れや重複が起こりにくくなり、ミスの防止にもつながります。また、やり直しや修正にかかる時間の削減にもなりますし、書類作成に共通のフォーマットを用いることで、時間を有効活用できるでしょう。

標準化は会社にとって利益になることはもちろん、当事者にとってもプラスの側面があります。例えば、体調不良や病気で担当者が仕事を休んだ場合、代わりを務められる人間がおらず、業務がストップしてしまうというケースは多いでしょう。また、代理人が慣れない業務を担当したことで、品質が低下してしまう、といった問題も生じます。しかし業務が標準化されていれば、担当者不在でも問題なく業務を遂行することができるのです。

業務を標準化すると、これまで特定の社員だけに蓄積されていたノウハウが可視化され、形式知として会社のマニュアルに蓄積されます。特定の社員が退職しても、こうしてデータ化されているノウハウを活かせば、中途社員や新入社員へと知識や技術を継承することは可能となります。

業務標準化のデメリット

しかしながら、業務標準化にはメリットだけでなくデメリットもあります。例えば「やる気の喪失」です。人間はルールを好まない傾向があるため、決められた内容をこなすだけという機械的な業務により、かえって社員のモチベーションが低下する可能性も否めません。また、すべての業務プロセスをマニュアル通りに進めるということは、創意工夫する機会を社員から奪ってしまうことにもなります。標準化が進めば進むほど、社員は思考停止に陥りやすくなるでしょう。

しかし、このようなデメリットは標準化に原因があるというよりも、社員が標準化の目的を理解していないことにあります。標準化を推進するのであれば、手順を徹底させる前に「標準化の目的をしっかりと共有すること」が重要です。

業務標準化の具体的な進め方

いざ業務標準化を推進するとなった場合、何をどのようなプロセスで決定していけばよいのでしょうか。以下では業務標準化の具体的な進め方について解説していきます。

標準化に向けてポリシーを作る

ポリシーとは「標準化を考える上での方針や原則」のことです。ポリシーの有効性を高めるためには、オペレーションの観点から外せない条件と、企業戦略的に外せない条件を兼ね備えたポリシーを策定するようにします。

例えば、事務業務であれば「書類を必ず残す」「コンプライアンスを遵守する」などはマスト条件となるでしょう。

標準化業務を選定する

次に標準化する対象業務を選定していきます。優先すべきは、属人化している業務です。担当者に依存せずとも仕事が回る状態を整備するために、専門性が高く「その人にしかできない」類の仕事に着目してください。

また、標準化による効果が大きい業務を見極めることも重要です。決まり切った作業の多い業務や、重要度が高くない業務は優先的に選定します。

確かに業務によっては、対象範囲のはっきりしない部分もあるかもしれません。しかし可能な限り、「業務の始まり・終わり」を明確化し、グレーな部分を排除していくよう努めましょう。

業務フローを整理する

標準化したい業務が明確になったら、それらの手順を書き出しながら整理していきます。紙に書き出すことでそれまで曖昧だったプロセスがはっきりし、問題点に気づけるでしょう。

書き出す際には、誰が見ても理解可能な内容を誤解の余地のない明確な表現で記載しましょう。その際、専門用語などはできるだけ避けた記述を心掛けてください。

業務マニュアルを作る

業務プロセスが固まったら、誰もが必要なときに確認できるよう、それを業務マニュアルに落とし込んでいきます。初めから完璧に作り込む必要はありません。マニュアル作成の過程で見えてきた改善点や、社員にヒアリングしてわかったことなども交えながら、徐々に完成度を高めていくのがおすすめです。業務標準化までの過程がマニュアルという成果物にまとめられれば、現場の社員も達成感を感じることでしょう。

マニュアルを作らないケースもある

マニュアルの作成は必要不可欠ではなく、場合によっては作成しないケースもあります。まず、業務の標準化が必要になるということは「これまでの業務は属人化した環境で成果を出してきたが、現在では人材不足により、これまで通りの状況を維持できない」ということでしょう。

人材不足では後継者が見つかりにくく、属人化は成り立ちません。従って「このままでは将来的な発展が見込めない状態にある」という危機的状況を意味しています。また、人材不足の会社ではほとんどの社員が多忙であり、マニュアルを作成する人員や時間を確保できない可能性もあるので、結果としてマニュアルを作らないことになるでしょう。

業務標準化のそもそもの意義は、「業務手順を社内で統一すること」にあります。この応用として、業務の引き継ぎを円滑にしたり、人材育成に活用したりする目的で利用されているのです。そのため、マニュアルの運用がかえって負担になる場合は、無理に作成する必要はありません。

業務標準化を進めるときのポイントと注意点

最後に業務標準化を進める際のポイントと注意点を以下で解説していきます。

業務の優先順位を意識する

標準化を推進するときには、業務の優先順位を意識することが欠かせません。

「標準化に向いている業務・向いていない業務」があります。例えば、定型業務や複雑な判断が必要ない業務は標準化に向いており、優先して標準化に取り組むべき業務です。

緊急性と重要性を考慮する

業務はその緊急性と重要性により「緊急かつ重要」・「緊急でないが重要」・「緊急だが重要ではない」・「緊急でもなく重要でもない」の4種類に分類できます。

このうち「緊急かつ重要」な業務には意識が向きやすくなりますが、「緊急でないが重要」な業務は後回しにされがちです。標準化では、この「緊急でないが重要」な業務に社員が取り組めることを目標にしましょう。

一度決めたフローを見直す

業務の手順は一度決めて終わりではありません。PDCAサイクルを回しながら、定期的に手順を見直して問題点があれば改正する、という必要もあります。既存の手順やマニュアルを過信していると、思わぬトラブルにつながる可能性があるからです。標準化した手順で滞りなく業務が回っているか、効率化や品質向上に貢献しているか、常に改善を重ねていくことが重要になります。

コミュニケーションを大切にする

業務標準化を推進しても、そこで決めた手順やマニュアルが形骸化してしまっては、意味がありません。業務効率化成功の鍵は、コミュニケーションです。本来の意図や目的を組織の全員で共有し、一貫したルールを守っていくことが不可欠と言えるでしょう。

まとめ

人材不足が深刻化する中、属人化を解消して業務標準化を実現することは、技術の継承や業務効率化を図る上で不可欠な作業です。業務標準化を推進する上では、業務管理ツールが役に立ちます。

Asanaはチームの仕事やプロジェクト、タスクをオンラインで監視するワークマネージメントツールです。普段利用しているワークフローがあればテンプレート化できるため、チームメンバー全員が共通のプロセスで業務を行えるようになり、手順の見落としも防ぎます。

テンプレートは50種類以上から選べ、個々のやり方に合わせて微調整も可能です。業務標準化の推進をお考えなら、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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