テレワークにおけるマネージメント課題とは?その対策やツールについても解説

 2021.02.24  2022.09.07

通常のオフィス勤務とは異なり、社員がそれぞれの場所から業務を行うテレワークでは、従来とは異なったマネージメント管理を行う必要があります。
本記事では、テレワークのマネージメント管理における課題を整理し、その解決に役立つ各種の方策や代表的なビジネスツールについて紹介します。

テレワークにおけるマネージメント課題とは?その対策やツールについても解説

テレワークでマネージメントを改めて意識すべき理由

新型コロナウイルスの影響によって、テレワークは急遽社会的な注目を浴びることになりました。しかしその新しいワークスタイルの管理・運用に当たっては、予想以上の難しさを覚えている人も多いのではないでしょうか。

というのも、テレワークは通常の勤務体制とは大きく異なるので、これまでと同じような管理をしていては上手くいかない場合があるからです。

テレワークに移行しても通常の勤務形態と変わらない業務効率を維持するためには、まず、テレワークという働き方が内包する各種の課題について正確に理解し、適切な対策を考えることが重要です。

テレワークにおけるマネージメント課題とは

以下では、テレワークにおけるマネージメント課題を3つに分けて整理し、解説します。

コミュニケーションの取りにくさ

テレワークの一番の特徴は、在宅勤務に代表されるように「職場に行かずに済むこと」・「ほかの社員と対面で関わる機会がないこと」が挙げられるでしょう。
こうした特徴は一方で満員電車での出勤や、わずらわしい人間関係からの解放を意味しますが、他方で業務における必要なコミュニケーションすらおろそかになりえる、という弊害も持っています。

職場で直接顔を合わせているときなら何気なく相談したり、打ち合わせたりしていた事柄も、テレワークの場合は、なぜか引け目や面倒臭さを感じてしまうということはあるのではないでしょうか。上司の目が直接届かないテレワークでは、こうしたときに問題を先送りにしがちです。

コミュニケーション不全によって業務上必要な情報共有がなされず、職場のチームワークが悪くなること。これがテレワークを利用するにあたって懸念される課題のひとつです。

業務管理のしにくさ

上記のコミュニケーションの問題は、上司にとっては業務管理のしにくさにつながります。オフィス勤務であれば、部下やメンバーが忙しそうにしているか、手が空いているかは、その様子から直感的に判別できます。

しかし、テレワークの場合はそうした情報が遮断されるため、各メンバーが行っていることの把握がしづらく、指示や業務管理がしにくくなってしまうのです。

また、部下の社員側の視点から見ても、テレワークはよいことばかりではありません。テレワークによる在宅勤務では、オフィスや上司、同僚の存在といった外的な環境要因の変化が乏しいため、精神的なメリハリを付けがたく、業務効率が落ちてしまったり、生活の質が落ちてしまったりすることが懸念されます。

直接顔を合わせない状況でも、如何にして適切な業務管理を行うのか、という点もテレワークの持つ重大な課題です。

評価の難しさ

テレワークによるコミュニケーション不全や業務管理の難しさは、必然的に人事評価の難しさにもつながります。直接仕事ぶりを見られないことで、部下の評価が難しくなるのです。

例えば、部下の仕事の進捗が滞っていることが判明したとしても、十分なコミュニケーションが取れないままテレワークをしていた場合は、その停滞が「部下の怠惰によるものなのか」・「何らかのトラブルによるものなのか」、表面的には判断がしがたくなります。
また、これは社員側にとっても大きな問題で、むしろ真面目な社員ほど、自分が上司にサボっていると思われないか、適切な評価をしてもらえているか、強く不安を感じてしまうことが懸念されます。

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テレワークを活用するにあたっては、従来とは異なった評価基準の設定を検討する必要もあるでしょう。

テレワークのマネージメント課題への対策

以下では、上記で挙げた各マネージメント課題を踏まえて、それらを解決するためにはどのような方策を取ればいいか解説します。

コミュニケーションが取りやすい環境を整える

上記のように、テレワークにおいては、社員間のコミュニケーションがおろそかになる可能性が考えられます。

こうした問題を防ぐには従来以上に、社員間の円滑なコミュニケーションの必要性を意識し、テレワークに合わせた環境整備を行うことが必要です。その具体的な対策としては、メールや電話を始め、ビジネスチャットツールやWeb会議システムなどを積極的に導入・活用することが挙げられます。

先述のように、テレワークにおいては、オフィスで勤務しているときよりも質問や相談がしにくいので、上司の方から、部下が気軽にコミュニケーションを取れる場を作ることが肝要です。例えば定期的にWeb会議をしたり、チーム間のチャットワークで声をかけたりするのが効果的でしょう。あるいは、終業時に簡単な日報を提出させるのも有効な手段です。

このようにコミュニケーションツールを適切に活用することで、社員は自宅においても孤立せず、チームとして密な連携を取りつつ仕事をすることが可能になります。

仕事状況が共有できる仕組みをつくる

テレワークにおける業務管理においては、「誰がどのような業務をしているのか」「働いているのか休んでいるのか」「仕事の進捗はどうなっているか」など、各社員の状況を正確に可視化し、共有できる仕組みを作ることが重要です。

この課題に対する有効な対策としては、例えば、先に挙げたコミュニケーションツールを使って、始業時・終業時にその日の業務についてミーティングないしは報告をするといったルール作りが挙げられます。それと並行して、現在抱えているプロジェクトについて、上司と部下とで十分にミーティングし、目的意識を強く共有することも有効です。最終的な目標値や業務の優先順位などについて事前に正確に指示することで、部下は独自に業務を進める際も効率的に作業に当たることが可能になります。

また、ビジネス用のツールには、タスク管理や電子データの情報共有機能を有するツールがあります。例えば、テレワークにおいては社員の実労働時間の管理が大きな課題となりますが、それについても、パソコンのログを収集して実際の労働時間を調べるログ管理や、クラウド上で打刻できる勤怠管理システムなどを導入することによって解決できます。

テレワークにおいては、先のコミュニケーションツールと合わせて、こうした管理ツールを併用することで、適切な業務管理がしやすくなるでしょう。

評価方法を見直す

通常のオフィス勤務とは異なり、テレワークでは業務の過程が見えづらくなります。こうした難点を克服し、テレワーク下においても公平かつ適切な人事評価を行うためには、テレワークに適した新たな評価基準・評価方法の検討が必要です。

その一例としては、成果を重視した評価基準に修正することや、各プロジェクトの目標・達成度に即した評価を実施することなどが挙げられます。

とはいえ、あまりに強く成果主義を打ち出すことは、社員に息苦しさを与え、過重労働へ駆り立てることにつながりかねません。また、仕事の中には、数字として定量的に現れにくい業務もあることでしょう。

社員の働きやすさや公平性に配慮して、成果主義に偏重しすぎない評価を行うためには、コミュニケーションツールや、業務管理ツールなどを用いて、可能な限り業務プロセスの把握にも努める必要があるのです。

テレワークのマネージメントを成功させるためのツール例

テレワークのマネージメント管理においてはコミュニケーションツールやビジネス管理ツールの活用が有効です。しかし、具体的にそれぞれどのようなツールが考えられるでしょうか。以下では、テレワークのマネージメントにおいて役立つツールを紹介します。

チャットツール

チャットツールは、グループチャットやビデオ通話など、簡単な相談や情報共有に役立つツールです。とりわけ、ビジネス向けのチャットツールは、ファイル共有やタスク管理の機能を兼ねたものもあり、さまざまな用途に便利に使えます。代表的なところで言えば、「Slack」や「Chatwork」などが挙げられるでしょう。

まず、Slackは、75万社以上の企業が採用している実績があるビジネスチャットツールです。プロジェクトごと、チームごとなどにチャンネルを設定できるので、効率的な情報共有が可能で、仕事をしやすくします。

Chatworkも、チャット機能はもちろんのこと、タスク管理にまで使える便利なツールです。チャットで依頼されたことをそのまま「to doリスト」に加えられたり、スマートフォンと連動させてチャットの通知を表示させたりできるので、業務の取りこぼしを防ぎやすくします。
SlackもChatworkも少人数向けの無料プランを備えているほか、企業向けのプランでも非常に安価に導入できることも魅力です。

Web会議ツール

Web会議ツールは、対面や会話を伴う会議を遠隔で行う際に便利なツールです。多人数でも同時に使えるので、テレワークにおいてもチームとしての情報共有や意見交換をリアルタイムでしやすくなります。有名なWeb会議ツールとしては「Skype」や「Zoom」などが挙げられます。

プライベートでも利用したことのある人が多いと思われるSkypeは無料でビデオ通話やチャット機能が利用できるツールです。パソコンはもちろん、タブレットやスマートフォンでも使える汎用性もSkypeの魅力と言えます。

Zoomも、各国で75万以上の企業が採用している実績あるWeb会議ツールです。独自の技術でネットワーク回線は安定して途切れにくく、円滑なWeb会議を可能にします。
ライセンスを取得する必要があるのは、Web会議の主催者だけで、参加者はライセンスなしで会議へ参加可能という手軽さも、非常に魅力的な点です。

勤怠管理ツール

テレワークを導入する際には、勤怠管理もツールで行うことで、勤務状況の把握を遠隔でもしやすくなります。また、ツールを使用することで、手作業で管理するよりも業務効率化が進むことも期待されます。勤怠管理ツールとしては「ジョブカン」や「jinjer」などが挙げられます。

ジョブカンは5万社以上の企業が導入している実績ある勤怠管理ツールです。シンプルな操作性でありながらも、多様な勤務形態に対応できるため、初めてでもすぐに使えます。

jinjerは、勤怠管理はもちろんのこと、人事管理や給与計算、経費精算など、マルチな機能を備えていることが便利なツールです。jinjerはそれぞれの機能が有機的に連動しているので、非常に効率的な情報管理が可能になります。

また、上記のほかにもテレワークのタスク及びマネージメント管理におすすめできるツールとして「Asana」があります。Asanaは、タイムラインなどを用いて、各社員の仕事の割り当てや期限、優先度などをわかりやすく、リアルタイムで共有でき、業務管理に役立ちます。多様なツールと連携し、すべてを一箇所で作業させてくれる点もAsanaの魅力です。

まとめ

本記事ではテレワークにおけるマネージメント管理の課題や、その問題解決に役立つ解決策について解説しました。

テレワークにおいては、オフィス勤務のときとは異なり、社員の勤務態度や業務の進捗状況を目視で直接確認することが難しくなります。こうした問を解決するためには、まず、テレワークにおいて起こりがちな問題を適切に把握し、コミュニケーションやタスク管理に役立つ、各種のビジネスツールを最大限に活用することが非常に重要です。

効率的かつ適切な運用さえ可能になれば、テレワークは企業にとっても社員にとっても、新たな労働のあり方を可能にする画期的な働き方改革になりえます。自社へのテレワーク導入・運用についてお悩みなら、まずはAsanaをはじめ、ここで紹介した各種のツール導入の検討から始めてみてはいかがでしょうか。

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