テレワークのマネージメントにおける課題と手法について解説

 2021.03.16  2023.03.30

WORK INNOVATION SUMMIT 24

テレワークは時代に即した働き方として、さまざまな業界で注目を集めています。しかし、勤怠管理の難しさやコミュニケーションの希薄化、セキュリティリスクなど、さまざまな課題を抱えているのが実情です。そこで今回は、テレワーク導入における課題と、具体的なマネージメント手法について解説していきます。

テレワークのマネージメントにおける課題と手法について解説

テレワークのマネージメントを考えるのが重要な理由

近年、テレワークを導入する企業が増加傾向にあります。その背景にあるのは、新型コロナウイルスの感染拡大です。パーソル総合研究所が発表したレポートによると、2020年3月時点のテレワーク実施率は13.2%でした。しかし、緊急事態宣言が発令された4月以降は27.9%にまで上昇しています。

また、2019年4月に施行された「働き方改革関連法」も、テレワークの普及に拍車をかけている要因です。働き方改革の推進により、柔軟かつ多様なワークスタイルが推奨されるようになりました。

このような背景から、テレワークの実施率は今後さらに上昇していくと予測されます。テレワークはただ勤務場所が変わるだけでなく、仕事の方法やプロジェクトの進め方など、さまざまな部分に影響を及ぼす働き方です。マネージメントを考慮せずに導入すると、思わぬ課題に直面し、不都合が生じる可能性があります。そのため、進捗管理やコミュニケーション管理などのマネージメントが不可欠なのです。

テレワークのマネージメントで想定される課題

新しい時代に即した働き方として注目を集めているテレワークですが、さまざまな課題が顕在化しています。とくに課題が浮き彫りとなっているのが、「業務管理」「コミュニケーション」「セキュリティ」という3つの領域です。ここでは、テレワークのマネージメントにおける3つの課題について解説します。

業務管理

業務管理の難しさは、テレワークの実施における大きな課題です。テレワークを導入することで従業員の出社が不要になり、さまざまなコスト削減につながります。しかし、勤務場所が自由化することで、従業員の勤怠困難が困難になります。チームメンバーの作業進捗が見えにくいため、プロジェクト管理にも支障をきたすでしょう。

また、労働状況が見えないため、業績貢献度を測りにくく人事評価が難しくなります。組織への貢献度は、単純な数字だけでは測れません。メンバーをサポートしたり、アイデアをシェアしたりといった間接的貢献をする人材も、組織には必要です。

テレワーク環境では間接的貢献度が見えにくく、成果主義に偏る傾向があります。適切な人事評価は仕事へのモチベーションと、会社へのエンゲージメント向上に欠かせない要素です。テレワーク環境において、労働生産性を最大化するためには、業務管理の仕組み化と人事評価制度の確立が必須と言えます。

コミュニケーション

業務を効率的に進めるためには、円滑なコミュニケーションが不可欠です。オフィス勤務であれば毎日顔を合わせ、相談や雑談といったコミュニケーションが自然と生まれます。何気ない会話から、新たなアイデアや問題解決の糸口が見つかることも少なくありません。

しかし、テレワーク環境下では社内コミュニケーションが極端に低下します。人が働く理由は、決して金銭的報酬だけではありません。人は感情を持つ生き物であり、「人と関わりたい」という親和欲求があります。テレワーク環境下では親和欲求が満たせず、孤独感から心身に不調をきたすという事例もあります。

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テレワーク環境では、メールやチャットでのコミュニケーションが一般的です。文面でのやり取りでは相手の意図を汲み取れず、業務に支障をきたす可能性があります。コミュニケーション不足によって意思疎通が困難になり、ミスを誘発する原因となるのです。テレワーク環境下でいかにして社内コミュニケーションを活発化し、従業員をモチベートしていくのかという対策が求められます。

セキュリティ

テレワークの実施において最も重要な課題が、セキュリティ管理です。テレワーク環境下では、多くの企業が従業員の私用PCを業務利用しています。しかし、一般消費者向けのPCは堅牢なセキュリティ機能を備えていません。

また、ホームルーターや周辺機器のセキュリティ機能が脆弱であれば、そこからウイルスに感染する可能性があります。脆弱なセキュリティは、情報漏えいインシデントを引き起こす大きな要因です。情報漏えいは企業が培ってきた社会的信用の失墜を招くため、セキュリティ強化はテレワークの実施において最重要課題と言えます。

無論、コワーキングスペースやカフェなどで仕事に取り組む場合も注意が必要です。コンピュータセキュリティサービス企業の「McAfee」が行った調査によると、情報漏えいの原因ワースト5は「管理ミス」「誤操作」「不正アクセス」「紛失・置き忘れ」「不正な情報持ち出し」となっています。

つまり、情報漏えいインシデントの主な原因は、管理ミスや紛失などの人ためミスが多数を占めているのです。テレワーク時は、モバイルデバイスやUSBメモリの紛失・置き忘れに十分注意する必要があるでしょう。

テレワークを成功させるためのマネージメント手法

テレワークは企業・従業員の双方にとって、多くのメリットを享受できる勤務形態です。企業側のメリットとしては、オフィスコストの削減や事業継続性の確保などが挙げられます。一方、従業員側はワークライフバランスの向上や、育児や介護と仕事の両立、通勤ストレスの軽減といったメリットを得られるでしょう。

ここからは、テレワークを成功させるために必要となる、具体的なマネージメント手法について解説します。

タスク管理

テレワーク環境下では勤怠管理が困難になるため、遠隔勤務でもプロジェクトが円滑に進むような仕組み化が不可欠です。例えば、始業時刻と終業時刻の明確化や、在席・離席の確認、進捗状況の報告など、明確な就業規則の策定が求められます。

場所や時間にとらわれず自由に働けるのは、テレワークの大きなメリットです。しかし、人は多すぎる選択肢を前にすると、かえって選択が困難になるものです。これを「選択のパラドクス」といいます。

テレワーク環境において成果を創出するためには、高い自己管理能力と強い意思決定力が必要です。セルフマネージメントができなければ怠惰に陥り、生産性の低下を招きます。あるいは、反対に過重労働を招き、健康障害につながる可能性もあるでしょう。このような事態を防ぐためにも、就業規則を明確化し、定量的な目標設定に基づいたタスク管理に努めなければなりません。

コミュニケーション促進

企業が円滑にビジネスを進めていくためには、社内コミュニケーションの活発化が欠かせません。従業員同士の交流が深まることで、円滑な情報共有や生産性の向上、離職率の低下や企業文化の醸成など、さまざまな恩恵が期待できます。しかし、テレワーク環境ではコミュニケーションが制限されてしまうでしょう。したがって、テレワーク環境下における社内コミュニケーションは非常に重要な課題と言えます。

具体的な対策としては、チャット機能やWeb会議機能を備えたコラボレーションツールの導入がおすすめです。オンライン上で積極的に会議や進捗報告などを行い、社内コミュニケーションを促進します。コミュニケーション機会の創出は報告・連絡・相談を促し、同時にタスク管理の最適化にもつながるでしょう。

ルール・制度変更

従来のオフィス勤務とテレワーク勤務では、勤務形態が大きく異なります。働く場所も違えば勤務時間も異なるため、評価や勤務に関するルールや制度もテレワークに適したものへの変更が必要です。

テレワーク下では労務管理が不透明になるため、とくに人事評価制度の見直しが求められます。既存の人事評価制度では、勤務態度や仕事に対する姿勢、コミュニケーションスキルといった間接的な貢献度が可視化し得ません。このため、結果のみが重視される傾向になりがちですが、結果とは過程を経て到達するものです。つまり目標達成率や成果指標といった直接的な貢献度だけでなく、上記のような可視化し得ない間接的な業務プロセスを、きちんと定量的に評価するためのシステムが求められます。

セキュリティ対策強化

テレワークの導入にあたり、セキュリティ対策の強化は必須事項です。セキュリティ強化を実現するうえで重要となるのが、情報セキュリティポリシーの策定です。

「情報セキュリティポリシー」とは、情報セキュリティ対策に関する企業規定を指します。「基本方針」「対策基準」「実施手順」を定めてマニュアル化するのが一般的です。端末管理や対策ソフトの導入も重要な対策ですが、何よりも大切なことは、従業員の情報管理に対する意識改革です。情報セキュリティポリシーを策定することで、組織全体における情報管理意識の向上につながるでしょう。

ツール活用

セキュアなテレワーク環境を構築するためには、ITソリューションの導入が不可欠です。具体的には、タスク管理機能・グループチャット機能・Web会議機能などを備えたワークマネージメントツールの利用を推奨します。

タスク管理機能を備えたワークマネージメントツールであれば、チームメンバー全員の作業進捗の可視化が可能です。グループチャット機能やWeb会議機能は、ミーティングと同時に円滑なコミュニケーションを実現します。

また、ワークマネージメントツールはセキュリティ管理にも優れるため、テレワークが抱える「業務管理」「コミュニケーション」「セキュリティ」という3つの課題を同時に解決可能です。

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革の推進も相まって、テレワークという働き方が普及しています。テレワークは新しい時代に即した働き方として、今後スタンダードなものとなっていくでしょう。そこで重要となるのが、テレワークのマネージメントです。生産性を最大化するためには、「従業員の勤怠管理・人事評価制度の確立・セキュリティ管理の強化」など、テレワーク環境の仕組み化が欠かせません。

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