テレワークから始める働き方改革!メリットや進め方とは?

 2021.02.08  2022.02.17

WORK INNOVATION SUMMIT 24

働き方改革の一環として、すでに多くの企業で導入が始まっているテレワーク。具体的にどのような働き方のことを指すのか、企業と従業員にどんなメリットがあるのか、きちんと整理しておきたい担当者もの方も多いでしょう。そこで本記事では、働き方改革とテレワークの関係やメリット、導入手順について詳しく解説します。

テレワークから始める働き方改革!メリットや進め方とは?

働き方改革とは

働き方改革とは、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、働く人自らが「選択」できるようにするための改革です。首相官邸の掲げる「一億総活躍社会」(※)を実現するための改革と言えるでしょう。このように政府主導で推進している背景には、日本の労働力人口が想定以上に減少しているという切実な事情もあります。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/

働き改革のポイントは大きく分けて、「長時間労働の是正」と「雇用形態の違いによる不合理な待遇差の解消」の2つです。これらにより、働く人一人ひとりがよりよい将来への展望を持てるようにすることを目指します。こうした改革実現に向けて、関連する議論や法律整備などが進められています。こうした背景で、昨今の日本に広まっているのが、テレワークなのです。

テレワークとは

テレワークとは、「tele(離れた所)」 と「work」 を組み合わせた言葉で、ICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。この言葉で表しているように、基本的にはメインオフィスから離れた場所での働き方を意味します。テレワークの種類は、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」の3つです。

在宅勤務は、文字通り自宅を就業場所とするものです。モバイルワークは、移動時間や外出先を就業場所とする働き方で、営業職など外出が多い職種にとって特に有用です。サテライトオフィス勤務とは、所属オフィス以外のオフィスや遠隔勤務用の施設を就業場所とするもので、本社内にテレワーク専用のスペースを設けているケースもあります。

働き方改革とテレワークの関係

テレワークは働き方改革の重要な切り札として、政府主導のもと推進されています。テレワークは、働き方改革の視点において、「従業員」と「企業」の双方に大きなメリットをもたらします。

例えば、通勤による負担が軽減されれば、家事や育児、持病の治療、介護などがある従業員も仕事を続けやすくなるでしょう。多様化するニーズにもマッチしており、従業員のワークライフバランス向上にも効果的です。

詳しくは後述しますが、ワークライフバランスの向上によって、従業員と企業の関係はより強固なものになっていくと期待されます。結果的に、「労働力人口の確保」「地域活性化」などの社会的効果をもたらし、先述した一億総活躍、女性活躍をも推進することへつながっていくでしょう。

企業が働き方改革としてテレワークを導入するメリット

テレワーク導入が働き方改革実現のカギとなる、ということを先述しました。では、ここからは実際にテレワーク導入が企業にもたらすメリットについて考えていきましょう。テレワーク導入は、中・長期的に見て企業にとってプラスに働く面が多く、具体的には次のようなメリットが期待されます。

ワークライフバランスの実現

前項でも触れましたが、テレワークは従業員のワークライフバランス向上に効果的です。通勤時間が減ったり、在宅勤務ができたりすることで、1日の時間をより長く、有効に使えるようになります。家族や友人と過ごす時間や自己啓発、休息などの時間を増やせれば、心にも余裕が生まれやすくなるでしょう。

従業員の心身の健康維持は、従業員自身のためはもちろん、企業の事業継続・持続的成長にも不可欠です。

従業員のワークライフバランス実現によって、基本的な業務自体の効率が上がることは期待できます。また時間に余裕の生まれた従業員が、新しい価値観やアイディアを思いついてくれる可能性が高まります。そうした中で、新たなスキルや能力を身に付けてくれた従業員は、企業へさらに貢献してくれる可能性も高まります。

優秀な人材の確保

従来では、育児や介護との両立に悩む方、配偶者に転勤の辞令が降りた方などは、能力にかかわらず仕事を辞めざるを得ないケースも少なくはありませんでした。しかしテレワーク制度があれば、優秀な従業員が家庭の事情変化などによって離職する、というような事態も抑制できます。

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今の時代、テレワークを希望するのは、事情が変わった方たちだけとは限りません。あらゆる求職者が、自分に合う働き方としてテレワークを選択し得るのです。

そのため、テレワークという柔軟な働き方をいち早く導入している職場は、さまざまな求職者にとっても魅力的に映るはずです。オフィスから離れた場所に住んでいる優秀な人材についても、獲得のチャンスが広がります。「離職率の低下」と「採用強化」につながるテレワーク導入が、労働力不足の深刻化している日本において、効果的な打ち手になることは間違いないでしょう。

生産性の向上

仕事の場所が広がれば、業務効率もアップするでしょう。取引先やサテライトオフィスで仕事を片付けられれば、従業員はそのまま直帰できます。また資料作りなど、集中して取り組みたい業務については、在宅勤務のほうが効率的に進められる場合も多いでしょう。

加えて、テレワークはデジタル化促進のきっかけとなります。実際、テレワーク導入を機に、ペーパーレス化を進め、オンラインで情報共有できる体制を構築する企業が増えています。煩雑な業務を徐々に削減し、フローを効率化することが、ますます重要となってくるでしょう。

具体的な策としては、申請・承認作業のスピードアップや会議資料の撤廃などです。それにより生まれる余剰時間を、付加価値の高い業務に充てられるようにもなります。

この流れが定着すれば、企業全体の生産性は自然と向上していくでしょう。同時に、そこで働く従業員にも、働きがいを実感させられることができるでしょう。

事業継続対策の強化

人的リソースを分散できるテレワークは、非常時に事業継続するための手段になります。2020年に世界中で流行し、いまだ収束の兆しの見えない新型コロナウイルスは、オフィスに従業員を集結させることのリスクを企業に再認識させました。総務省はテレワークを感染症への有効な対応策と判断しており、感染拡大地域を中心に多くの企業にできるだけ導入するよう勧めています。

日本は世界で見ても地震が多い国としても知られており、東日本大震災レベルの大きな地震が再び起こる可能性もゼロではありません。たとえ本社が壊滅的な被害を受けても、被害の少ない地域で働くテレワーカーが一定数いれば、事業を止めずに済み、経営リスクを軽減できるでしょう。

コストの減少

テレワーク化によって、削減できるコストも見逃せません。通勤費・出張費など、従業員たちの移動コスト削減が、まず挙げられます。ペーパーレス化によって、紙代や印刷費用も節約できます。またテレワークが定着すれば、オフィス稼働時の光熱費や経費なども大幅に削減可能なはずです。

ただし、テレワーク化には、オフィスと同等の仕事ができる環境整備が必要であり、相応の初期費用がかかります。現状、在宅勤務の導入費用や勤務時にかかる光熱費や通信費は、従業員に負担してもらっているケースが多く、そのままにしておくと、不満が溜まってしまう恐れもあります。こうした経費について、「どんな場合企業が負担し・どんな場合は個人が負担するか」をルールとして共有しておくことが重要です。

テレワークを導入するときの進め方

テレワークを成功させるには、導入後に疑問や不満が出ないような仕組みづくりが大きなポイントになります。ここからは、テレワークの導入手順について解説します。ただし、あくまで目安としてお役立てください。実際には、個々の企業によって有効な導入方法は異なってくるので、導入前に自社の現状をしっかりと把握しましょう。

目的の決定

テレワーク導入には、従業員の理解と協力が不可欠です。単なる方法論にしてしまうと、テレワークはなかなか浸透しません。テレワークを人事施策のひとつと考えている経営者も少なくありませんが、テレワークは経営戦略として進めていくべきです。

大切なのは、「テレワークを導入する目的」を明確にし、従業員に働きがいを実感させることです。テレワーク導入によって得られる付加価値を追求し、自社の経営方針とリンクさせていきましょう。テレワークの目的に設定されやすいのは、「生産性向上」「事業継続対策」「従業員のワークライフバランスの実現」などです。

現状の把握

目的を明確にしたら、次に現状把握を行います。既存の人事制度やルール、現状課題を把握し、改善や拡充が必要な点を洗い出します。従業員のワークライフバランス実現のためには、現状把課題の把握と改善が必要です。

またあらかじめ、テレワークに移行できる環境を整えておくことも重要になります。例えば、日々の業務フローをチェックして、テレワーク化可能な業務を一覧化したり、ICT環境を整備したておいたり、といった作業を、テレワーク導入に先んじて進めていきましょう。

導入の推進

大まかなフレームが決まったら、制度の中身を埋めていきましょう。経営企画や人事・システム部門・導入対象部門など、関係部門の代表者を集めたプロジェクトチームを発足します。

肝心なことは、会社全体で横断的に推進していくことです。さまざまな部門の視点から意見を反映できるプロジェクトチームでなくてはなりません。先述した「自社の現状把握」と並行して、結成していくのも有効です。

具体的には、テレワーク化すべき部門や担当者・勤務形態・ルール、そして必要となるシステムやツールなどをまとめた計画書を、プロジェクトチームで作成します。そして、そのスケジュールに沿って、会社全体でテレワーク化を推進していきます。

なお企業によっては、こうした計画書作成などを、現状把握よりも前に優先して行うケースもあります。「どんな目的で導入するか・導入後にどんな会社でありたいか」、という明確なイメージに基づき、推進ステップを組みましょう。

関係者への説明・教育

導入にあたっては、事前の従業員教育も必須です。目的や具体的な制度の中身を丁寧に説明し、従業員の不安や疑問を、できるだけ取り除いておくよう心がけましょう。

テレワーク化する従業員を、育児や介護中の者など一部に限定する場合でも、テレワーク導入の説明と教育は、関係者全員に実施することが大事です。

テレワーク中の従業員について、上司や同僚がテレワークの目的やメリットを理解できていないと、不必要ないさかいの種になることもあるでしょう。例えば、「出社せずにサボっている」などの誤った認識を持たれてしまうかもしれません。社内全員でテレワークのメリットを共有し、きちんとした経営判断として、企業内に定着させましょう。

テレワークの実施

実施にあたっては、いきなり本格導入に踏み切るのではなく、トライアル期間を設けることをおすすめします。まずは人事部門だけで始めるなど限定的に実施し、現場から上がってきた不満点や課題点を洗い出しましょう。想定外のトラブルが起きないように準備することが重要です。

さらに、「目的の達成率を評価し、足りない点を改善する」というようにPDCAサイクルを回すことで、テレワーク体制はより合理化されていくでしょう。そうして、継続的に活用できる状態が整ったら、繁忙期を避けたタイミングで、本格導入しましょう。

まとめ

テレワークの導入は、働き方改革実現の大きな一歩です。使いやすいICT環境を整備し、合理的な制度やルールも準備しつつ、定着化を実現しましょう。それに併せて、各種テレワーク支援ツールを導入することもおすすめです。

Asana」は、テレワーク業務に役立つツールです。自宅からでもチームメンバーがつながり、スムーズに協働作業を進められます。Microsoft Office 365などとも連携し、あらゆるツール・情報・プロセスを一元管理。これにより、初めてのテレワーク導入においても、効率的な業務推進をしっかりサポートします。

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