業務の可視化に役立つツール5選

 2021.10.07  2022.08.17

業務の可視化とは、図や画像、記号などを使って業務の流れやプロセスの全体像を目で見える状態にすることをいいます。それにより属人化の解消やプロセスの問題点の把握が可能になります。本記事では、業務可視化の目的やメリット、業務可視化を実現できるツール5選をご紹介します。

業務の可視化に役立つツール5選

業務可視化とは

「可視化」とは目に見えない物事を見えるようにすることです。業務可視化とは、業務のプロセスを可視化することをいいます。一つひとつの業務内容をテキストなどで書き表すことはできても、業務と業務のつながりや流れなど、業務プロセスの全体像を目で確認することはできません。そこで画像や図形を用いた業務フロー図やマニュアルを作成したり、業務可視化ツールを用いたりして、誰もが業務のプロセスをはっきり見える形にします。

業務プロセスの中に作業を遅らせる問題点があったとしても、業務が可視化されていないと発見することが難しくなります。また、業務マニュアルやフローを共有できていないと、特定の人にしかその業務ができないという状況に陥りがちです。業務を可視化することで、人によって手順や方法の異なる業務を統一し、生産性を高めたり属人化を解消したりすることが可能になります。業務の可視化は作業効率の改善を図る上で基礎的な取り組みであり、近年、業務効率化のソリューションとして普及しつつあるRPAを導入する際にも、業務が可視化されていることが前提となっています。

業務可視化の目的

企業が業務の可視化に取り組む目的は、生産性の向上だけではありません。代表的なところでは、現状の把握や内部統制、目的の共有などが挙げられます。業務の可視化をうまく機能させるためには目的を把握しておくことが大切です。

現状把握:

業務効率の改善に向けてまずやるべきことが現状把握です。まず社内で行っている全ての業務を洗い出し、部署ごとの業務内容を把握します。また、その業務が他のどの部署のどの業務と関連しているかを明らかにします。その上で必要な業務を精査し、廃止や統合によってさらなる効率化ができないかを検討することが可能です。

内部統制:

内部統制とは会社の業務が適正に行われるような仕組みやルールを整備し、運用していく制度のことをいいます。上場企業とその関連会社には、自社における内部統制の評価と監査が義務付けられており、内部統制3点セットと呼ばれる業務フローチャート、業務記述書、リスクコントロールマトリクスによって管理状態を評価し、リスクを把握します。この3つのうち、業務フローチャートは業務を可視化することで作成ができるものです。業務フローチャートは業務プロセスを図式化して可視化したもので、取引と会計の流れについても整理されているため、財務報告を行う際にも役立ちます。

目的の共有:

業務の可視化をする場合、従業員と会社がその目的を共有することが重要です。なぜなら、目的を共有しないまま業務を可視化しようとすると、会社から仕事ぶりを監視されているように感じる従業員が出てくることも考えられます。それまで個人の裁量に任せていた場合は、従業員がそう感じる可能性が特に高いでしょう。そのような誤解を生じさせないためにも、業務可視化の目的が生産性の改善であること、そのために業務の可視化が不可欠であることを理解してもらうことが大切です。

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業務を可視化するメリット

業務を可視化することで企業にはどのようなメリットがもたらされるでしょうか。

属人化の解消

属人化とは、ある業務の内容や手順を特定の従業員しか把握できていない状態のことです。もし業務担当の従業員が異動や退職などで不在になった場合、ほかに代わる人がいないことで業務の進行に支障をきたす恐れがあります。

しかし、業務を可視化して業務内容や手順を明文化しておけば、誰でも同じやり方で業務に取り組めるようになり、仕事の引き継ぎもスムーズになります。また、何をすべきかが明確になればミスの減少が期待できるとともに、担当者以外の人とも業務の流れを共有しておくことで、ミスがあったとしても他の誰かが発見できる可能性が高まります。

業務全体の把握

業務が可視化されていると、自分の担当領域や所属部署が行っていることだけでなく、他部署との関連性や業務プロセスの全体像を把握することが容易になります。他部署の従業員や情シス部門の担当者も含めた関係者全員で現状認識を統一し、問題点を議論していくことで、複雑な業務プロセスを整理しつつ質の高い意見交換が可能になります。負担が集中している部署や連携が上手くいっていないプロセスなど、当事者では気づかなかった課題の発見も期待できるでしょう。

業務の可視化に役立つツール5選

業務の可視化を実現するにはITツールが便利です。ここでは、フローチャートの作成や業務改善後の効果予測といった業務の可視化に役立つ機能を備えたツール5選をご紹介します。

Asana

Asana(アサナ)」はプロジェクトとタスクを一元管理できるワークマネジメントツールです。タイムライン機能を使えば、スケジュールを俯瞰的に把握しながらタスク間の連携を可視化できるため、不測の事態によるスケジュール変更にも迅速に対応できます。ワークロード機能ではチームメンバーの業務量も可視化でき、それぞれのキャパシティを確認して仕事の割り当てを決定することが可能です。GoogleカレンダーやSlackなど100以上の外部サービスとの連携機能があり、仕事の管理を一つのプラットフォーム上で行うことができます。

Eye247

「Eye247(アイ・トゥエンティフォー/セブン)」は、株式会社フーバーブレインが提供する業務可視化分析・情報漏洩対策サービスです。分析機能に優れているのが特徴で、業務の可視化によって労働生産性の把握が可能になります。PCの起動状況から就業時間を分析できるほか、スケジュール管理ツールのカレンダー機能と連携することで、PCを使わない業務もまとめて集計することが可能です。「働き方分析機能」を使ってトップセールスマンやエース社員の行動を分析すれば、ベストプラクティスの発見や生産性の向上が実現できるでしょう。働き方改革実現を目指す企業におすすめです。1500社以上の豊富な導入実績があるのもポイントです。

Qasee

「Qasee(カシー)」は、チーム全体の働き方やテレワーク・リモートワークの課題を解決する業務可視化ツールです。PCにインストールされたアプリケーションやクラウドサービスの使用ログをデータとして抽出し、どの業務にどれくらいの時間を費やしているのかといった業務状況やストレスの度合い、負荷状況などを分析します。過去のデータや他の従業員の働き方の違いから課題を把握してレコメンドしてくれるため、効率的な働き方が可能になるでしょう。1クリックで簡単に導入でき、IT知識がない方でも簡単に導入できます。

AssetViewTele

「AssetViewTele(アセットビューテレ)」は、株式会社ハンモックが提供する業務可視化ツールです。資産管理ツールAssetViewシリーズのノウハウを駆使して開発されたツールで、PC操作のログと予実を比較し、無駄な時間を的確にフィードバックを可能にします。社員ごとの時間の使い方をグラフで一覧表示できるため、社員のタイムマネジメントスキルやテレワークにおける生産性の向上が期待できるでしょう。利用料金は月額500円〜という低価格で、9,500社以上での導入実績があります。

MeeCap

「MeeCap(ミーキャップ)」とは、PC上の操作を収集してダッシュボードに表示する業務可視化ツールです。デスクワークで発生する膨大なPCログを自動で収集・解析し、業務実態を網羅的に可視化。自動生成される業務プロセス図を確認すれば、非効率の原因になっているボトルネックを発見できます。パターン化された業務に対しては、起点と終点となるアクティビティを定義することで処理件数や処理時間、所要コストが測定できるので、パフォーマンスの改善に役立つでしょう。オンプレミス型・クラウド型どちらにも対応しています。

まとめ

業務可視化ツールを活用すれば、PCのログなどから業務状況を分析し、従業員の時間の使い方を把握することができます。また、一人ひとりの業務量をグラフ化することで適切なタスクの割り振りを可能にする機能や、フローチャートの作成や改善後の効果測定が行えるツールもあります。今回ご紹介したツールは、直接働きぶりを確認できないテレワークでの業務生産性向上にも効果的です。ぜひ活用してみてください。

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