【脱Excel】Asanaで叶える「脱属人化」
「Aさんしか分からない」
「急な休みでプロジェクトが止まる」
「新入社員や中途の教え方(OJT)やスキルトランスファーの粒度が担当者によってバラバラ」
こうした属人化は、単なる人的リスクではなく、多くはExcel運用に起因する運用慣行が原因です。本稿は、Asanaを活用してExcel依存から脱却し、誰でも同じ品質で業務を遂行できる再現性のある運用とノウハウの蓄積を実現するための実務ロードマップ(12週間)、最初に作るテンプレ3点、CSV移行手順、簡易ROI試算、導入時の落とし穴と対策を提示します。
Asana導入を検討中の方へ:双日テックイノベーションが支援します 
なぜExcelは“属人化”を生むのか
- 作成者依存(神Excel):複雑なマクロや設計は作成者以外に解読が難しい。
- バージョン混乱:複数ファイルや「_v2_final.xlsx」等で最新版がわからない。
- 履歴・コンテキスト欠落:誰が何をいつ決めたかが残らない。
結果として、業務停滞/品質のばらつき/ノウハウの喪失(暗黙知の消失)を招きます。

Asanaで何が変わるか
- プロジェクトテンプレート:業務の「型」を定着化して手順の抜け漏れを防ぐ。
- カスタムフィールド:リスク・外注番号・優先度などを構造化し、検索・集計を可能にする。
- ルール(自動化):承認・担当割当・期限の自動化で手渡しミスを減らす。
- タスクのコンテキスト化(ノウハウ蓄積):コメント・添付・決定経緯が残るため、引継ぎはタスクを遡るだけで可能になる。

まず作るべきテンプレ

A. 日次進捗テンプレ(最優先/まずはこれを)
- 何に使う? → 毎日の進捗報告や担当者のタスク管理を統一し、週次会議の準備を簡略化するため。
- どんな項目?(CSVで取り込める想定) → タスク名 / 担当者 / 期日 / 状態(未着手/進行中/レビュー待ち/完了) / リスク(低/中/高) / 関連資料URL
- どう運用する? → 「レビュー待ち」になったら自動で上長へ通知・期限を+2営業日でセットする自動ルールを設定。
B. 引継ぎテンプレ(新人・中途の早期立ち上げ用)
- 何に使う? → 新入社員や中途の引継ぎ・OJTで、業務のやり方(粒度)を統一して、個人差を減らすため。
- どんな項目? → 業務の目的・日次フロー(ステップ順)・判断基準(例:承認フローの判断ポイント)・Key連絡先(誰に聞くか)・よくあるトラブルと対処法・参考資料リンク
- どう運用する? → OJT担当はテンプレに沿ってチェック項目を埋め、完了時にSPOC(Single Point of Contact(運用責任者))が確認。引継ぎ漏れを防ぐ。
C. 外注管理テンプレ(外部委託の見える化)
- 何に使う? → 外注先とのスケジュール・検収条件・連絡先を一元化し、納期遅れや検収漏れを減らすため。
- どんな項目? → 外注先名 / 発注番号 / 納期 / 納品物 / 検収基準 / 担当窓口 / 添付契約書
- どう運用する? → 納品予定日が近づいたら自動通知、検収ステータスを必須化して未検収を見える化。
CSV移行の短手順(実務で失敗しない3ステップ)
- 列を揃える(事前準備):ID/タスク名/担当/期日/状態 を必須列としてExcelを整える。
- サンプルで試行:100行程度のサンプルをCSVに出力してAsanaへインポートし、表示とルールの動きを確認。
- クレンジングルール確定:日付形式、必須列、重複IDの処理ルールを作成し、段階的に本移行。
(実務Tip)初回は「影響度の高い1ファイル」を選んで検証すると失敗リスクが低いです。

12週間(3ヶ月)のロードマップ
Week 0: 現状把握 → Week1–4: テンプレ化とCSV整備 → Week5–8: パイロット運用 → Week9–12: 評価と拡張判定
Deliverable(週次/各フェーズで用意する具体物)
- Week0(現状把握):現状アセスメントシート(Excel一覧・担当者リスト・更新頻度一覧)/SPOC(運用責任者)確定
- Week1–4(テンプレ化):日次進捗テンプレ・引継ぎテンプレ・外注管理テンプレ(CSVインポート用ファイル)/移行手順書(簡易)
- Week5–8(パイロット):週次運用レビュー報告(改善点リスト)/月次評価レポート(納期遵守率・会議時間・入力率などのKPI)
- Week9–12(評価・拡張判定):KPI評価結果(グラフと短報)/スケール計画(展開時の体制・必要工数・推定コスト)
(注)Deliverableは日本語で誰が何を出すか分かるように、成果物名と簡単な説明を併記しています。

ROIの考え方
基本式(参考):年間効果 = 月間削減時間 × 12 × 平均時給
初年度コストの目安:年間ライセンス + 初期導入費 + 教育費
想定前提(例):ユーザー50名、ライセンス¥2,700/人/月、初期導入費¥2,000,000、平均時給換算¥3,000
シナリオ(簡易)
- 網羅的(高): 月200h削減 → 年間効果 ¥7,200,000 → 初年度コスト ¥3,620,000 → 単純ROI 約99%(回収約6ヶ月)
- 段階的(保守): 月100h削減 → 年間効果 ¥3,600,000 → 初年度コスト ¥3,620,000 → 単純ROI ほぼ0%(回収約12ヶ月)
(補足)現在検討中のROI算出サービスに本結果を紐づけて提供する予定です。正式版が整い次第、本ページで案内します。
シナリオ比較
| シナリオ | 月間削減時間 | 年間効果 | 初年度コスト | 単純ROI | 回収期間 |
| 網羅的(高) | 200h | ¥7,200,000 | ¥3,620,000 | 約99% | 約6ヶ月 |
| 段階的(保守) | 100h | ¥3,600,000 | ¥3,620,000 | 約0% | 約12ヶ月 |
導入でよくある障壁と実務対応
- 文化的抵抗 → 1チームでPoCを回して導入効果を数値で示す。社内公開で横展開を促す。
- Excelデータの品質不足 → CSV出力→クレンジングルール(必須列・日付)で対応。
- 教育・定着負荷 → 30分×2回の短トレ+録画配布+SPOCの週次チェックで補完。
- IT連携の複雑さ → 初期にCSV/API要件確定。段階的な連携を推奨。
導入定着チェックリスト
- 役割(チャンピオン)決定:事業部長や部門長が1名の推進責任者(チャンピオン)としてコミットする。期日:Week0。
- パイロット対象の選定:PMOまたは推進チームが、影響度が高く協力的な2–3プロジェクトを選定。期日:Week0。
- 現状数値(Baseline)の取得:PMOが納期遵守率・月間会議時間・手戻り工数などのBaselineをWeek0–1で集める。
- 最小運用ルールの定義とテンプレ導入:Solutionチームが期日・担当・リスクなどの必須項目を設定し、テンプレを導入(Week0–1)。
- 週次運用の運転方法を定める:SPOC(運用担当)が「毎週の更新ルール」「未更新タスクのメール通知」など、習慣化のための運用ルールを設定(Week1以降)。

事例
福山市役所の事例
詳細はこちら:https://asana.com/ja/case-study/fukuyama-city
福山市では、Asana導入により600以上の事業を一元管理し、進捗報告にかかる時間を従来の3週間からわずか3日間に短縮しました。さらに、タスクの可視化によって職員のモチベーションが向上し、作業の抜け漏れも減少。属人的な業務管理から脱却し、プロジェクトマネジメントの文化が行政に定着しました。 
今すぐ使える:Excel脱出チェックリスト
- 管理中のExcel TOP5を列挙(用途・更新頻度・関係人数)
- 各ファイルの最新版の置き場とSPOCを決める(ファイル管理ルール)
- 週次報告フォーマットを1つに統一しCSV化できるようにする
- まず1業務をテンプレ化して2週間で試す(例:月次報告/外注管理)
- パイロットの成果はKPI(納期遵守率、会議時間、手戻り時間、必須項目入力率)で記録する
まとめ
Excelによる属人化は短期的な利便性の裏で中長期の事業リスクを生みます。Asanaはテンプレート・自動化・タスクのコンテキスト管理を通じて、再現性のある業務運用とノウハウの蓄積を支えます。
当社(双日テックイノベーション)の支援メリット:
- 業務棚卸しからパイロット設計、CSV移行、定着化支援までワンストップで支援します。
- 1000人規模の導入経験を活かし、最短で効果が見える業務を特定し、ROI検証に紐づけた施策を提供します。
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- カテゴリ:
- Asanaのヒント




