ストレスチェック義務化とは?具体的な内容と方法について

 2022.08.01  2022.09.05

労働安全衛生法の改正に伴い、2015年12月から一定条件を満たした事業場にはストレスチェック実施が義務化されました。実施には職場環境改善や生産性向上というメリットがある一方、いくつか押さえておくべき注意点もあります。本記事では、義務化された背景や目的、ストレスチェック制度の概要、従業員へ受検させる手順、注意すべきポイントを解説します。

ストレスチェック義務化とは?具体的な内容と方法について

ストレスチェック制度とは

2015年12月、一定の条件を満たした企業には、従業員が職務中に受けるストレスの負荷について調査し、メンタルヘルスの状況を確認するよう義務付けられました。ストレスの負荷を従業員本人が自覚し、低減を促すのが主な目的です。会社側にも、メンタルヘルスにまつわるデータの収集・集団分析を行い、より働きやすい職場となるよう改善することが努力義務として求められています。

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従業員のストレスチェック義務化

従業員のストレスチェックが義務化されるのは、雇用形態にかかわらず「50人以上の労働者がいる事業場」が対象です。また、ストレスチェックは年に一度、定期的に実施し、結果については労働基準監督署へ報告しなければなりません。義務化された事業場において未実施あるいは未報告の場合、50万円以下の罰則が設けられている点にも注意が必要です。

ストレスチェック義務化の背景と目的

厚生労働省は精神疾患などによって労災認定が増えた状況などを鑑み、労働安全衛生法を改正し、2015年12月からストレスチェックを義務化しました。これは年に一度、受検させることで従業員本人のストレス低減を促す目的があります。また、会社側にも高負荷になりがちな職場や原因を調べ、環境改善に努めることが期待されています。

ストレスチェックの対象者

労働安全衛生法では、ストレスチェックを受検する対象者について、以下のように定めています。

  • フルタイムの正社員
  • パートやアルバイトなど

つまり全従業員が対象ですが、労働時間がフルタイムで働く場合の3/4以上であること、契約期間が1年以上であること、といった条件があります。合致する対象者については、もれなく受検させるようにしましょう。

ストレスチェックの実施者

ストレスチェックを実施する人は誰でもよいわけでなく、とくに解雇や昇進といった人事権を持った人は、労働者の健康情報を取り扱う実施者として認められていません。健康に関する情報はセンシティブであり、プライバシー保護の観点から、実施者は以下の通りに限られています。

  • 法令で定められた医師(産業医)
  • 保健師
  • 看護師
  • 精神保健福祉士
  • 歯科医師など

ストレスチェック制度実施の流れ

では実際に、企業はストレスチェックをどのような流れで実施していくのでしょうか。厚生労働省が公表している「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」に基づき、基本的な流れと手順について解説します。

ストレスチェック衛生委員会のルールを作成

常時50人以上の労働者が働く事業場では、「衛生委員会」を設置するよう義務付けられています。委員会のメンバーは、働くうえでのさまざまなリスクを回避し、労働者が安全かつ健康的に働けるよう対策を講じる役割があります。

また委員会は、事業の統括管理者や衛生管理者などで構成され、ストレスチェック実施にも深く関わります。調査審議によって社内規定を作成し、いつ・誰が・どういう内容で実施するかといった内容や、医師の選定などが項目として求められています。

ストレスチェック実施者の選定

ストレスチェックが義務化される事業場では、自前で実施するのか、外部へ委託するのかを検討します。なお、実施には以下のような体制が必要です。

  • 実施者
    医師や保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士
  • 実施担当者
    ストレスチェック制度の実施計画を策定したり、労働者との受検日時連絡や調整、受検勧奨を行ったりするスタッフ
  • 実施事務従事者
    実施者の指示で、ストレスチェック実施後のデータ入力や本人への通知といった事務を行うスタッフ

従業員にストレスチェックの実施を知らせる

ストレスチェックの受検体制を整えたら、従業員に対し具体的に実施案内を告知します。厚生労働省は告知文のひな型も用意しているため、そちらを参考にしてもよいでしょう。

その際、注意すべきポイントは対象者に対し、強制ではなくあくまで推奨である旨を伝えることです。労働安全衛生法が義務としているのは事業者であって、労働者には拒否する権利があるため、伝え方には注意が必要です。

また、企業には受検結果について報告義務が課されますが、受検率が低いことに対するペナルティはありません。とはいえ、より多くの労働者に受検してもらうことで、メンタルヘルス不調の早期発見や職場の環境改善につなげられ、生産性向上などのメリットがあるはずです。そのため、実施する目的やデータの取り扱いについて丁寧に説明し、安全配慮義務を果たしたいという姿勢をしっかりと伝えることが重要です。

ストレスチェック調査票の配布

ストレスチェックの受検者には調査票を配布します。調査票は、国が推奨する「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を使用するケースが多いでしょう。たとえば、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」といった質問に対し、「そうだ(1点)」「まあそうだ(2点)」「ややちがう(3点)」「ちがう(4点)」という4段階の回答が用意されています。この調査票で評価点数を付けていくと、結果として「高ストレス者」を抽出・選定できるようになるのです。

ストレスチェック実施結果の対応

ストレスチェックの実施後には、受検結果を本人へフィードバックする必要があります。とくに、高ストレス者として選定された従業員本人には、健康状態改善のため、医師による面接指導を勧める必要があります。

また先述したように、企業には年に一度、ストレスチェックの実施状況について、労働基準監督署への報告が義務付けられています。ほかにも、高いストレス負荷が想定される職場においては、積極的に環境改善を図ることも大切なポイントです。

ストレスチェック義務化で注意するポイント

一定の水準を満たした事業場において、ストレスチェック実施が義務化されることで、注意しなければならないポイントもあります。社会からの信用失墜や法的トラブルといったリスクを防ぐためにも、しっかり理解しておきましょう。

従業員のプライバシー保護

受検結果に関するプライバシーについては、厳格に保護されなければなりません。そのため、会社がストレスチェックの受検結果を取得するには、本人の同意が必要です。

また、結果は直接本人へ通知します。ストレスチェックや面接指導の実施者には守秘義務があり、違反すると罰則が科せられてしまいます。情報共有も業務上、真に必要な場合に限られます。

高ストレス者へ医師面談をすすめる

高ストレスの状態にあると通知した従業員から希望があった場合、1ヶ月以内に医師による面接指導を実施することも義務化されています。面接指導の結果、労働時間の調整など就業上の一時的な措置を行う場合もあるでしょう。しかし、企業には解雇などの不利益な扱いについて禁止され、従業員の健康と安全を保護することが強く求められています。

労基署への報告を忘れずに

ストレスチェックの実施結果については、労働基準監督署へ必ず報告しなければなりません。故意・過失に関係なく、実施したにもかかわらず報告がもれていた場合、50万円以下の罰金刑が適用されるため要注意です。また安全配慮義務違反から、従業員に対する高額な損害賠償責任も問われかねないため、実施後の報告を欠かさないようにしましょう。

まとめ

昨今、メンタルヘルスの不調によって労災認定されるケースが増えてきました。そこでストレスチェック制度が新たに義務化され、企業にはメンタルヘルス向上への取り組みや職場環境の改善が求められています。

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