従業員のストレスの原因と生産性との関係を解説

 2021.03.11  ワークマネジメント オンライン

従業員のストレスは企業の労働生産性にマイナスの影響を与えることが知られています。そのため、企業が生産性を向上させるためには、従業員の抱えるストレスを取り除く必要があります。本記事では、ストレスが生産性に及ぼす影響を明らかにするとともに、従業員のストレス軽減法についても解説していきます。

従業員のストレスの原因と生産性との関係を解説

従業員が抱えるストレスは生産性低下につながる

「大切な試験などの本番で緊張しすぎてしまい、実力を出せなかった」という経験は誰しも覚えがあるのではないでしょうか。人間が発揮するパフォーマンスと精神状態は密接につながっており、それは普段の労働においても無縁ではありません。従業員の抱えるストレスが大きくなればなるほど、その労働生産性にも悪影響が出るのです。

Wrike株式会社の調査では、仕事にストレスを感じている人は、「ストレスを感じる」と「とても強くストレスを感じる」を合計して62%となっています。そして、ストレスと生産性の関係についての質問に対して、「多少のストレスには対処できるが、仕事のクオリティが損なわれる」と回答した人が調査対象者の33.8%と一定数存在していることが明らかにされています。
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000041519.html

また、厚生労働省が実施している「平成30年労働安全衛生調査」においても、現在の職業や職業生活に関することで高いストレスを抱えている労働者の割合は労働者全体で58%を記録しており、ここ数年間一貫して過半数を超えています。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h30-46-50_gaikyo.pdf

これらの調査を参考にすると、約60%の従業員が仕事に対して強いストレスを感じており、しかもそのうち約30%が、仕事に悪影響が出ているという現状が見えてきます。換言すると、従業員全体から見て約18%の人は、ストレスにより本来のパフォーマンスを発揮できていないのです。

限られた人的資源のなか、従業員ひとりひとりが労働生産性を最大限に発揮できる環境を整えることは企業にとっても喫緊の課題であり、従業員のストレス対策は企業経営においてますます重要になってきています。

従業員が抱えるストレスの原因とは

従業員のストレスが企業全体の労働生産性に影響を及ぼしていることを上記で紹介しました。以下では、従業員は仕事のどんなことにストレスを感じているのかについて解説していきます。

仕事の量

日本人はその勤勉さで世界に知られていますが、その一方で過重労働が長年の課題ともなっています。実際に、Wrike株式会社の調査によると、従業員が仕事で抱えるストレス原因は、「仕事量が多すぎる」が1位と報告されています。
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000041519.html

また、先の厚生省の労働安全衛生調査でも、ストレスを感じる内容で「仕事の質・量」を挙げた人は59.4%となっており、これも一番多い回答です。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h30-46-50_gaikyo.pdf

仕事の量が多くなれば、必然的に勤務時間が長くなります。程度の差はあれど、仕事をこなす上で緊張感は常につきまい、ストレッサーとなるでしょう。つまり仕事量とストレスの大きさは比例するのです。

しかも、長い労働時間はプライベートな時間さえも圧迫するため、従業員はそのストレスをリフレッシュできません。従業員が既婚者ならば、過剰な労働時間は「家庭内の不和」という新たなストレス要因を生む土壌にもなりえます。

職場での人間関係

職場における人間関係は、立場や年齢、利害関係の異なる複雑な関係ならでは難しさがあり、ときには転属や退社の原因にもなりうるほど、従業員にとって影響力は大きくなるでしょう。
職場の人間関係によって受けるストレスのなかでも、特に圧倒的な影響力を持つのは、「上司との人間関係」に関するストレスです。「上司のいうことが絶対という風潮によって健全なコミュニケーションが取れない」「上司のいうことがコロコロ変わる」「仕事のミスに対して嫌味や皮肉を言われる」など、上司から与えられるストレス原因は枚挙に暇がありません。
日本では未だ縦社会の風潮が強く、ときにセクハラやパワハラ・モラハラなどの理不尽な扱いを受けても、部下側が不満を呑み込むケースは多々あります。

そのほかにも、非正規雇用(派遣社員)・正社員間の精神的な軋轢や、「後輩が思う通りに動かない」と先輩社員の抱えるような世代間の問題なども、ストレス要因になり得ます。
このような事情を反映して、厚生省の労働安全衛生調査でも、「(セクハラやパワハラを含む)職場の人間関係」にストレスを感じている人は全体の31.3%と、3割を超えています。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h30-46-50_gaikyo.pdf

家庭と仕事の両立が難しい

労働者のストレス要因としては、「仕事と家庭の両立の難しさ」も挙げられます。特に子どものいる家庭の場合には、子どもの行事や体調不良などの影響で、仕事を休んだり早退したりする必要に迫られることもあるでしょう。しかし、そんなときに上司を始めとする社内から理解が得られなかったりすると大きなストレスの原因になります。

リクルートワークス研究所の2018年の調査によれば、仕事と家庭の両立にストレスを抱えている人の割合は29.9%と算出されています。特に20代から30代中盤にかけての女性層では40%以上の人がストレスを感じており、子育て世代に対するケアが未だ不十分な現状も示唆されています。
引用元:https://www.works-i.com/column/teiten/detail023002.html

従業員のストレスを軽減する方法

ここまでで、従業員が職場においてさまざまなストレスに晒されていることが浮き彫りになりました。それでは、上記のようなストレスを軽減するために企業はどんなことに取り組めばいいのでしょうか。

従業員のメンタルケア

ストレスを抱えた従業員に対して企業がすべき第一の対策は「メンタルケア」です。
従業員は大きなストレスを抱えていても、日頃の業務に追われていたり、そもそも相談できる相手がいなかったりする場合も多くあります。そのため、企業側・管理者側が主導して従業員のストレスを解消する機会を積極的に作ることが重要です。

具体的に言えば、日頃からこまめに面談やメンタルヘルスチェックのアンケートをしたり、社内カウンセリングを実施したりすることが挙げられます。もし企業付きの産業医や産業保健師などがいるならば、そうした専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

そして、上記のような取り組みを通して従業員が抱える不満やストレス源を察知できたら、今度はその従業員個人、あるいは職場全体のストレッサーを低減すべく、職場環境の改善に取り組みましょう。従業員各個人のメンタルケアを重視する風通しのよい企業風土を作ることで、職場の大きなストレス要因である「人間関係」の改善が自然と進むことも期待できます。

ワークライフバランスの推進

従業員への第二のストレス対策は、「ワークライフバランスの推進」です。
ワークライフバランスとは、仕事と私的な生活の両立ないしは調和を意味します。つまり、これの推進とは、フレックス制やテレワークの導入などを通して、企業が社員それぞれに対して柔軟な働き方を可能にすることです。こうした施策は、社員が仕事と生活を両立することを容易にし、社員満足度を高め、結果的に労働生産性の向上に貢献することが期待されます。

経営者側からすると、「従業員が会社の労働環境に合わせるべきだ」という感覚も未だ根強いかもしれません。しかし今後、日本でさらに少子高齢化が進み、働き手不足が深刻化すると見られており、企業には、従業員のワークライフバランスの推進に取り組むことが求められているのです。もちろんそうした取り組みへの積極的な姿勢は、就活市場で有能な人材を惹きつけるため魅力にもなりえるでしょう。

まとめ

本記事では、従業員が職場で抱えるストレスについて、その影響・原因・対策に分けて解説してきました。

上述したように、従業員の抱えるストレスは労働生産性に悪影響を与えます。しかし、それは言い換えると、それは適切なストレス対策を施すことで、従業員一人ひとりの生産労働性を底上げできる可能性があるとも言えます。

従業員の抱えるストレスを軽減するためには、従業員が過度に仕事を抱えていないか、ストレスを溜めすぎていないかなど、管理者側が日頃からこまめにマネージメントを行うことが欠かせません。

そして、そうした仕事管理のためには、適切なビジネスツールを導入することが効果的です。
Asana」は、チームの仕事も計画・プロセスを「見える化」し、その調整と管理をサポートする優れた業務効率化ツールです。Asanaを活用してチームのマネージメントを効率化し、ぜひ従業員のストレス対策に取り組んでください。


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