部門間の壁への対処法について、組織として何に取り組むべきなのか

 2022.05.19  2022.09.21

企業には、総務部や営業部、人事部などさまざまな部門があります。組織の全部門が連携し、協力し合える環境がもっとも望ましいのですが、企業によっては部門間の壁が原因で組織の成長を妨げているケースがあります。本記事では、部門間の壁ができる原因や発生しうる問題、対処法などについて解説するので、記事を踏まえて改善に取り組んでみましょう。

部門間の壁への対処法について、組織として何に取り組むべきなのか

部門間の壁の弊害とは

部門間の壁とは、部門同士がコミュニケーションをとらず、協力や連携がしにくい状況を指す言葉です。では、部門間の壁ができると、どのような弊害をもたらすのでしょうか。

部門間に壁ができると、情報共有ができません。たとえば、総務部が保有している情報が人事部に回ってこない、営業部とマーケティング部で顧客の情報を共有できないといった状況です。スムーズな情報共有ができないと、意思決定の遅れや顧客に不適切な対応をしてしまう、といったリスクが生じます。

また、個々の部門が孤立を深めていると、組織内で対立が発生しかねません。対立が発生した結果、さらに情報共有がしにくくなり、業務効率や生産性の低下を招きます。業務で協力や連携もできないため、余計な手間が増えてしまいコスト増大にもつながってしまうでしょう。

従業員のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすデメリットもあります。特に、部門間で対立しているようなケースでは、従業員の自由な発言を阻害してしまいます。常に上司や同僚からの同調圧力を感じるようになり、仕事に手がつかなくなるかもしれません。

このような状態が続いていると、組織の成長を妨げてしまいます。部門間が協力しないことで業務効率や生産性は低下し、成長どころか後退するおそれがあります。

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部門間の壁ができる原因

各部門の独立性が高い縦割り組織では、自然と部門間のコミュニケーションが希薄になりがちです。このような縦割り組織の場合、それぞれの部門が自分たちの利益を最優先する傾向があり、他部門への関与や協力をしないケースが少なくありません。

相互理解ができておらず、部門間に壁ができてしまうこともあります。人間同士でも、お互いを理解できていなければ距離を感じてしまい、積極的に関与しようとは考えないでしょう。それと同じで、部門間の相互理解ができていないとお互いに距離を感じてしまい、些細なことで対立してしまう可能性があります。

また、人事異動が少ない企業でも、部門間の壁が生じやすいため注意が必要です。人事異動が少ないと、従業員は1つの部署に長く留まることになり、他部署との交流もほとんどできません。その結果、次第に他部門への興味が薄れ、連携や協力といった概念すら持たなくなる可能性があります。

部門同士を連携させられる人材が在籍していないことで、部門間の壁が生じてしまうことも少なくありません。たとえば、部門の責任者自体が他部門との交流を拒んでいる、協力に消極的、といったケースでは、とても連携はできないでしょう。

組織として取り組むべき部門間の壁への対処法

部門間の壁が課題として顕在化しているのなら、取り除くべく取り組みを始めてみましょう。以下、部門間の壁を取り除くために、組織として取り組むべき対処法をピックアップしました。

部門をまたぐプロジェクトを実施

部門をまたいだ横断的なプロジェクトへの取り組みは、部門間の壁を壊すのに有効です。マーケティング部や営業部など、複数部門を横断したメンバー編成でプロジェクトに取り組むことで、異なる部門に在籍する従業員同士が自然な形でコミュニケーションをとれるでしょう。

異なる部門の従業員がチームを組むことで、斬新なアイデアを生み出せる可能性もあります。個々の従業員が刺激を受け、今までと違った考え方ができるようにもなるでしょう。部門間の壁を取り除くのに有効なだけでなく、従業員の成長につながるのもメリットです。

また、部門をまたいだ横断的なプロジェクトは、効率よく業務を進められるメリットもあります。1つの部門でプロジェクトに取り組むケースでは、専門的な意見が必要なとき、その都度該当する部門に確認する必要がありました。しかし、さまざまな部門の人材で編成されたチームであれば、このような手間がなくなります。

複数部門が共同で取り組んだプロジェクトで成果が出たときに、社内で表彰するのもよいでしょう。部門の壁を超えて成果を得られた実感を抱け、連携することの大切さにも気づけます。社内に周知させることもでき、積極的に部門間で協力しようと考える部門も出てくるでしょう。

ジョブ・ローテーション(人事異動)を行う

他部門がどのような仕事をしているのか、どういった考えや価値観のもと業務を遂行しているのかがわからないと、部門間に壁を作ってしまう可能性があります。よい解決策は、ジョブ・ローテーションで従業員がさまざまな部門で活躍できる体制を整えることです。

ジョブ・ローテーションをきちんと行えば、従業員はさまざまな部門の仕事内容や内情を理解できます。新しい知識を得られるのはもちろん、「協力体制をとったほうがよいのでは」といった気づきを得られるかもしれません。

また、定期的なジョブ・ローテーションを実施すれば、他部門に対する敵対行動を抑制できます。他部門へ異動する可能性があるため、わざわざ自分が働きにくくなるような行動は慎むでしょう。対立が少なくなり、むしろ積極的に他部門の従業員と交流しようと考える人が増えるかもしれません。

共通の目標や価値観を持つ

部門間に壁ができている組織の場合、各部門が独自の目標や価値観のもと業務に取り組んでいるケースが少なくありません。これではとても組織一丸とはいかず、部門間に壁ができてしまうのも仕方のないことでしょう。

すべての従業員が共通の目標や価値観をもつことで、部門間の壁をなくせる可能性があります。そのためには、組織としての目標や方針などを、全従業員に周知させなくてはなりません。たとえば、朝礼でトップが方針や理念について話す、社内報で情報を発信するなどの施策が考えられます。

共通の目標や価値観をもつことで、組織に一体感が生まれます。自身が在籍している部門だけでなく、全部門がひとつの目標に向かって突き進んでいると強く認識できれば、対立するような行動も自然と少なくなるでしょう。

また、部門間で利害が対立したとき、どのように収めるのか判断基準を設けることも大切です。その場しのぎで何となく収めてしまうと、双方に不満が溜まる可能性があるため、明確な判断基準を設けておきましょう。

ビジネスツールの活用

部門間の風通しをよくし、コミュニケーションを活性化させるにはビジネスツールの活用が有効です。ビジネスチャットのようなコミュニケーションツールをはじめ、ファイル共有ツールを導入することで、部門間のやり取りが容易になり、スムーズな情報共有も実現できます。

複数のツールを連携して利用できるツールもあります。業務の効率化やコミュニケーションの活性化に役立つ機能を網羅し、さらにさまざまな外部ツールと連携できる製品であれば、部門間の壁を取り除き生産性の向上も期待できます。

ツールによっては、無料プランやトライアル期間を設けたものもあり、導入前に機能や操作性の確認が可能です。このようなツールであれば、導入後に使いこなせないのではと心配する必要もありません。

ツール導入の際には、導入形態も要チェックです。オンプレミスとクラウドでは、初期費用やランニングコスト、運用開始までの時間などが異なります。それぞれの利点や短所を理解したうえで検討しましょう。

まとめ

部門間の壁がある限り、組織としての成長は望めません。成長どころか生産性の低下を招き、組織として衰退の一途をたどるおそれもあります。横断的なプロジェクトの企画やジョブ・ローテーションの実施、目標や価値観の共通化などにより、部門間の壁をなくす取り組みを進めてみましょう。

また、部門間の壁を解消するには円滑なコミュニケーションが欠かせません。プロジェクト管理ツールAsana」であれば、業務の可視化ができるのみならず、円滑なコミュニケーションも実現できます。無料プランもあるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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