スケジュール管理方法のコツとは?便利な手法やおすすめツールも紹介

 2023.08.30  2023.11.22

WORK INNOVATION SUMMIT 24

プロジェクトを成功に導くためには、効率的なスケジュール管理が不可欠です。リアルタイムで進捗状況を共有できることや、余裕のあるスケジュール管理が求められます。本記事では、スケジュール管理の目的や失敗しないコツ、プロジェクト管理の手法などについて解説するとともに、管理に役立つおすすめツールも紹介します。

スケジュール管理方法のコツとは?便利な手法やおすすめツールも紹介

プロジェクトにおけるスケジュール管理の目的

スケジュール管理とは、必要な作業や着手する順序、必要なリソース、リソースの分配方法などを調整し、作業のあらゆる部分にかかる時間を管理することです。納期の遵守だけでなく、仕事の効率化や進捗状況の明確化、および共同作業の円滑化を目的とします。

無駄な時間を削減できることに加え、プロジェクトが停滞してしまったときのボトルネックを確認し、解消に向けて迅速に対応できるというメリットもあることから、スケジュール管理は重要度の高い業務です。プロジェクトを計画的に進め、成功させるためには、適切なスケジュール設定・管理を行う必要があります。

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スケジュール設定の流れ

プロジェクトを成功に導くためには、スケジュール設定が重要な鍵となります。ここでは、スケジュール管理におけるスケジュール設定の流れを解説します。

1.プロジェクトゴールの明確化

まず必要なのは、プロジェクトにおけるゴールを明確化することです。具体的に、「何を」「いつまでに」「どうすれば成功なのか」といった具合にゴールを明らかにします。ゴールが定まっていないと、関係者との間で認識が一致せずトラブルに発展したり、プロジェクトが円滑に進まなかったりするおそれがあります。また、何を優先すればよいか、反対に何を切り捨てるべきかを適切に判断できません。

プロジェクトのゴールが明確化したら、その旨を関係する人物全員に周知し、共有することが大切です。「何を」「いつまでに」「どうすれば成功なのか」を全員が同じように認識することで、効果的なスケジュール管理が実現できます。

2.マイルストーンの設置

マイルストーンとは、「マイル(距離)」と「ストーン(石)」をかけ合わせた言葉であり、起点から中間地点を表す標石のことです。ビジネスの現場では、プロジェクトなどにおける重要な中間目標地点を指すものであり、長期にわたるプロジェクトの進捗管理や複雑な工程において、重要なポイントとなります。

マイルストーンは、プロジェクトが完了するまでの重要な地点に複数設置します。マイルストーンが設置されていることで、作業進捗の節目の確認や、目標とする期日のモニタリング、プロジェクトの重要な日付の特定などが容易です。また、トラブルが発生した際にもすぐに把握でき、迅速に対応できます。さらに、マイルストーンごとに成果を確認することで、目標の達成度を早い段階で把握することが可能です。

3.タスクの洗い出し

この工程では、プロジェクトを成功させるために必要なタスクを洗い出します。マイルストーンごとにタスクを洗い出すことで、プロジェクトに必要な工程が明らかになります。

タスクを洗い出したら、さらに作業を細分化します。このとき、スケジュール管理をしやすいように分割・統合することが重要です。

次に、タスクの関係性を把握し、優先順位も決定します。たとえば、「このタスクが完了しなければ別のタスクに取りかかれない」というような関係性を考慮しなければ、優先順位の決定は困難です。タスクの抜け漏れだけでなく関係性も正しく把握していないと、スケジュールの崩壊につながりかねません。

タスクの細分化や統合、優先順位付けが完了したら、タスクごとにかかる所要時間を想定します。

4.細かいスケジュールの設定

タスクの把握や整理、所要時間が想定できたら、細かいスケジュールの設定を行います。この際、タスクを詰め込みすぎるとプロジェクトの進捗に大きく影響し、失敗の原因にもなり得るため注意が必要です。たとえば、緊急の業務が発生した場合、対応できなくなる可能性があります。そのため、できるだけ余裕を持ったスケジュールを計画することが大切です。

具体的な設定方法は、まずプロジェクト完了の期日やマイルストーンごとに逆算し、「この日までには、この業務を終わらせる必要がある」という目標を設定します。次に、タスクごとの所要時間を考慮して、具体的な日付に落とし込みましょう。

5.計画実行

設定したスケジュールをもとに、プロジェクトを実行していきます。

スケジュール通りに進めていくうえで留意しておきたいのは、必ずしも計画通りにことが運ぶとは限らないという点です。トラブルが発生したり、急遽業務が発生したりする可能性もあります。

このような緊急事態にも対応でき、無事プロジェクトを期日通りに完了するためには、状況に応じて柔軟にスケジュールを変更できるような環境であることが大切です。設定したスケジュールに固執せず、定期的にスケジュールを見直し、状況に応じて立て直しや変更を行うことで、効果的なスケジュール管理が実現できます。

スケジュール管理で失敗を防ぐコツ

スケジュール管理で失敗しないためには、以下のポイントに注意することが大切です。

タスクの細分化を慎重に行う

タスクを細分化する際は、「本当に必要なことなのか」「ほかの優先すべきことはないか」「このタスクは統合できるのではないか」などを慎重に検討することが重要です。また、洗い出しの際も、自社内のタスクばかりに目が行ってしまい、取引先などの外部に存在するタスクを把握できていない可能性も考えられます。さらに、タスク同士の関係性も理解していないと、スケジュールの進行に影響を与えかねません。

タスク化およびタスクの細分化を行う際は、タスクにする必要性や外部のタスクに注意して、議論を重ねながら慎重に検討しましょう。

タスクごとに所要時間を設ける

タスクごとに所要時間を想定し、設定しておくことも重要です。所要時間が設けられていることで、定量的にタスクを把握でき、時間内に処理できるように管理できます。また、プロジェクトメンバーが一日単位、もしくは週単位などのスケジュールを立てることも可能です。さらに、時間内にタスクをこなすことを目標とすることで、業務効率化にも寄与します。

一方、所要時間の設定には、各メンバーの能力を把握しておくことが重要です。能力以上のタスクや所要時間を設定してしまうと業務が追いつかず、プロジェクトの停滞を招いてしまうおそれがあります。そのため、各メンバーの能力に見合った所要時間を設けることが重要です。

リアルタイムで進捗を共有する

スケジュール管理において、メンバー間の進捗報告・情報共有は大切な取り組みです。タスクの進捗状況を各メンバーが把握していないと、問題発生時にどのタスクに問題があるのかがわからず、業務効率の低下を招きます。さらに、進捗の報告が遅れることで、ほかのメンバーがスケジュールの遅延を把握しないまま業務を進めてしまい、業務のやり直しが発生する可能性もゼロではありません。

プロジェクトをスムーズに進めるためにも、進捗状況の報告・共有は不可欠です。プロジェクトのすべての関係者が進捗状況を把握できるよう、リアルタイムで共有しましょう。

スケジュールにバッファを設ける

スケジュール管理では、タスクごとの所要時間を考慮して計画を立てることが重要です。しかし、その所要時間通りのタスクを詰め込みすぎると、急な業務が発生した際などトラブル時の対応が困難になります。また、常に所要時間やスケジュールを意識して業務に追われる状態へと陥り、プレッシャーからミスが多発する可能性も考えられます。

このような事態を防ぐためには、スケジュール設定時に「バッファ(余裕)」を設けることが大切です。バッファの設定により、急なトラブルにもすぐに対応ができます。さらに、業務を進めるうえで心に余裕が生まれ、ミスの防止にもつながります。

バッファを適切に設定するには、タスクごとの所要時間をできるだけ正確に見積もることが重要です。

プロジェクト管理で使える便利な手法

プロジェクト管理を行う際には、ガントチャートやカンバンボード、アジャイル、カレンダー、WBSといった手法を利用すると便利です。ここでは、それぞれの手法について解説します。

ガントチャート

ガントチャートは、主に作業工程や進捗の管理に用いられる表のことです。計画表や工程表などと同義で、プロジェクト全体の進捗状況を可視化したものを指します。

たとえば、規模の大きいプロジェクトや長期にわたるプロジェクトでは、「誰が」「いつ」「何を行っているか」を把握することは困難です。ガントチャートを利用することで、どんなプロジェクトでもひと目で進捗状況が把握できます。

ガントチャートに用いられる要素は、主に「タスク」「タスクの日付」「タスクの期間」「タスクの担当者」「マイルストーン」です。ガントチャートによってタスク間の依存関係が可視化され、リアルタイムチャートとしても機能します。

一方、詳細なタスクやマイルストーンにおける細かいステップなどを盛り込むと、使いにくくなるという性質もあります。また、不確定の要素やイレギュラー発生の可能性が高いプロジェクトには不向きであることも特徴です。

カンバンボード

カンバンボードとは、タスクの可視化や進捗の確認、情報交換ツールとしても利用できるスケジュール管理手法です。

カンバンボードを構成する要素は、目に留まるシグナル(付箋やカードなど)と、ToDo・進行中・完了といったステージです。具体的には、プロジェクトにおける作業項目やタスクなどを付箋やカードに記入し、進捗状況によって「ToDo」「進行中」「完了」などのステージを移動させます。この際、進行中の作業における上限も設定します。たとえば、進行中のステージで上限を「3」とすると、4枚目の付箋やカードは、そこに移動することはできません。進行中の上限に達した際は、付箋を移動させることを目標とします。

アジャイル

アジャイルは、プロジェクトを複数のステージに分けて、ステージごとにレビューを行う管理方法です。最終ステージに到達する前に、ステージごとに計画・実行・評価が行われることから、細かい確認や修正にも対応できます。さらに、クライアントのニーズにもスピーディーに対応できることから、ニーズを確実に満たした成果物に仕上がります。

一方、大規模なプロジェクトでは全体像が見えにくいといった特徴もあります。そのため、全体を把握しつつ、適切にアジャイル手法を取り入れて管理することが重要です。

カレンダー

見慣れたカレンダー形式によるスケジュール管理は、一番取り入れやすい方法です。たとえば、GoogleカレンダーもしくはOutlookカレンダーなどを利用すれば、メンバー間のスケジュール共有も簡単に行えます。その際、お互いのカレンダーを確認して自分のスケジュール調整が行えるのもメリットです。お互いのスケジュールを把握することで、プロジェクトをより円滑に進められるようになります。

WBS

WBSは「作業分解構成図」のことで、プロジェクトに必要となる作業を細かく分解した構成図を意味します。前述したガントチャートにおける縦軸に当たる、プロジェクト管理の基本的手法です。必要な作業や手順を明確にでき、工数の見積もりや進捗管理も可能です。

WBSは至ってシンプルな手法で作成できます。プロジェクトに必要な作業を洗い出し、その作業の粒度や順序を整理します。続いて、作業をプロジェクトの流れに合わせて構造化し、作業や各タスクに担当者を設定すれば完了です。

WBSの作成にあたっては、抜け漏れ防止や問題点の発見のために前もって思考を整理しておくことや、緊急時に備えバッファを持たせることなどがポイントになります。

プロジェクト管理に使えるツール

最後に、プロジェクト管理に役立つおすすめのツールを紹介します。

Excel(エクセル)

Excelは、高額な設備投資をしなくても導入が可能であり、多くの人に馴染みのあるツールです。Microsoft公式のテンプレートを利用したり、Excelの専門的な知識を持っていれば、計算システムやガントチャートなどを作成したりすることも可能です。その際は、テンプレート化しておくと便利です。

Excelで管理することのメリットは、すでに自社でMicrosoft 365を使用していれば、費用をかけずにスケジュール管理が行えることです。費用をかけず効率的にスケジュール管理を行いたい場合には、有効な方法といえます。また、操作が簡単なことに加え、プロジェクトの特徴や目的に合わせてカスタマイズできる点もメリットです。

一方、スマートフォンおよびタブレットなどの端末からは操作しにくい点がデメリットです。加えて、リアルタイムの進捗状況の共有が難しいことや、スケジュール変更の際は手動で操作して入力する必要があるなど、やや融通の利かない面もあります。変更箇所や変更内容の履歴を確認することが難しく、どこを変更したのかがわからないことで、スケジュールに支障をきたす可能性も考えられます。

プロジェクト管理の専用ツール

効率的にスケジュール管理を行うには、プロジェクト管理業務を一元管理できる専用ツールの利用が有効です。たとえば、必要な項目や要素を入力するだけで簡単にガントチャートが作成できるツールや、変更履歴の確認やタスク間の関連付けも可能なツールなどがあります。製品によって多少異なるものの、プロジェクト管理ツールには基本的に以下のような機能が搭載されています。

  • タスク管理機能
  • 進捗管理機能
  • 工数管理機能
  • 情報共有機能 など

なお、「タスク管理ツール」および「進捗管理ツール」といったものは、主に個人向けのタスク可視化するためのツールです。プロジェクトにおけるスケジュール全体を管理するものではないため、導入する際は注意が必要です。

的確なプロジェクト管理を実現する「Asana」

Asanaは、全世界190ヶ国、93,000社以上の導入実績を誇るワークマネジメントツールです。チームにおける仕事の調整や管理をサポートすることで、仕事の一元化が実現します。

また、プロジェクトと自分のタスクがどのようにつながっているか因果関係を視覚化し、チームの進捗やほかのメンバーの負担も、リアルタイムでの確認が可能です。さらに、コミュニケーションが指定のプロジェクトに紐付けられているため、過剰なやりとりは必要ありません。各プロジェクトを確認すれば、進捗や作業の流れも把握できるため、業務に集中できます。

プロジェクト管理における重要な機能は、プロジェクトを可視化する「ガントチャート」や、視覚的なワークフローを管理できる「かんばんボード」、仕事の進捗状況を容易に更新できる「メッセージ」などです。さらに、GmailやMicrosoft Teams、Slackなどとの連携も可能なため、効率的なプロジェクト管理が実現できます。

まとめ

プロジェクトにおけるスケジュール管理の目的は、仕事の効率化や進捗状況の明確化、共同作業の円滑化です。ゴールの明確化やマイルストーンの設置、タスクの洗い出し、スケジュール設定といった基本的な流れに沿って進めることで、適切にスケジュール管理が行えます。

また、ツールの利用によるプロジェクト管理も有効な手段です。Excelを利用して管理することも可能ですが、ワークマネジメントツール「Asana」を導入することで、さらに効率的なプロジェクト管理が実現できます。

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