厚生労働省の働き方改革ガイドラインとは?わかりやすく解説

 2021.02.18  ワークマネジメント オンライン

生活・労働環境が大きく変化しつつある現在、政府が提供する「一億総活躍社会」の実現に向けた施策のひとつとして、厚生労働省が定める働き方改革があります。労働者、雇用者ともに、その内容はぜひとも把握しておきたいものばかりです。

本記事では、働き方改革の内容に関して、特に重要な点について端的に説明していきます。

厚生労働省の働き方改革ガイドラインとは?わかりやすく解説

そもそも働き方改革とは

働き方改革とは、厚生労働省が推進する施策のひとつです。現在わが国の労働環境を取り巻く問題として、少子高齢化問題による生産年齢人口減少があり、また、育児・介護と仕事の両立や、労働者のニーズの多様化、といった課題に直面しています。

これらの課題を生産性向上や就業機会拡大などの方法で解決すること。労働者それぞれが自身の事情に応じて、さまざまな働き方を選べる社会を実現すること。そして、働く人がより明るい将来への展望をイメージできるようにすること。これらが、働き方改革推進の目的です。
施策内容には、労働時間や働く環境、待遇などを改善するための取り組みも含まれています。

厚生労働省の働き方改革ガイドラインとは

厚生労働省は、働き方改革に関して、「働き方改革~ 一億総活躍社会の実現に向けて ~」をガイドラインとして提示しています。

「ガイドライン」とは、政府などが指導方針として提示する大まかな指針や目標のことです。働き方改革ガイドラインには、「施策の目的・全体像」をはじめ、要点である「労働時間の是正と待遇格差の改善」などが示されています。

この記事では、このガイドラインの内容をわかりやすく説明していきます。

働き方改革ガイドラインに書かれていること

働き方改革ガイドラインで特に重要な点は、労働時間の是正と待遇格差の改善に関する内容です。ここでは簡潔に説明しますので、その概要を把握してください。
ただし、実際に施策内容を適用する場合には、改めて厚生労働省が掲載している最新のガイドラインや政府の公表などを確認してください。

労働時間の見直しについて

働き方改革に関連して、もっとも注目すべきは、労働時間の見直しに関する内容です。まず列挙して紹介しましょう。

「残業の上限規制・勤務間インターバル制度・有給休暇取得の義務化・残業手当の引き上げ・労働時間把握の義務化・フレックスタイム制の推奨・高度プロフェッショナル制度の新設・産業医と産業保健機能の強化」など、多くのものが含まれています。

残業の上限規制

上記の労働時間見直しに関する多くの要素の中で、もっとも注目すべきは、「残業時間の上限が規制されること」です。

臨時的な事情がない場合、月間45時間・年間360時間以内と定められました。特別かつ臨時的な事情がある場合は、複数月の平均で80時間以内、なおかつ同月100時間以内まで残業可能です。また、月間45時間を超過してよいのは年間6ヶ月までであり、合計して年間720時間以内に収めるよう上限が規制されることとなりました。

ただし、自動車運転の業務、建設事業、医師、研究開発業務などのように適用除外・猶予期間の設定がなされる業務・事業もあります。

勤務間インターバル制度

労働者が勤務終了後から翌日出勤するまでの間に、一定時間の休息を取れるよう、勤務時間インターバル制度が努力義務化されました。

近年、景気の悪化に伴う賃金の低下や、コストカットがもたらす人手不足などにより一人あたりの労働が長時間化し、仕事と睡眠以外の時間確保もままならないケースが増えつつあります。これは、うつ病などの精神疾患の原因にもなり得ると言われています。また、夫婦共働きの場合、子育てに割く時間が確保できないなどの理由で出産・育児を諦めてしまうこともあるのです。

日本ではそもそも、社会全体での精神疾患の増加や、出生率の低下が問題になっています。生活時間や睡眠時間を確保し、働く人のワークライフバランスを適正化していくことは、「精神疾患増加・出生率低下」といった社会全体の問題を解決することにも、寄与するでしょう。

有給休暇の取得

年間10日以上有給休暇を取得する権利をもつ社員に対して、企業側が最低限、年に5日間の有給を取得させることが義務化されました。これまでは、有給休暇の制度があっても、労働者が申請して取得するものであったため、業務多忙や周囲への気遣いなどで消化されにくいという問題がありました。
本施策によって、企業側が積極的に社員の有給休暇取得にコミットし、適切な休養を与えるとともに、業務に支障が出ないよう調整することが必要になります。

割増賃金率の引き上げ

これまでは、月60時間を越える残業の割増賃金率について、大企業は50%、中小企業は25%と定められていました。これが、2023年4月以降、大企業と中小企業の差が無くなり、50%に一本化されます。なお、月60時間以内の割増賃金は25%から変更ありません。

労働時間状況の把握

働く人の健康管理を適切にするという観点から、すべての労働者の労働時間を、雇用者が客観的方法、あるいはより的確な方法で把握することが義務化されました。これまでの制度では対象外であった裁量労働制の人や、管理監督者も対象に含まれます。

フレックスタイム制

働く人が始業時間・就業時間を自分で決められるフレックスタイム制度ですが、これまで総労働時間を合算する期間が1ヶ月でした。実際に運用されてみると、実労働時間が規定の時間に達せず減給や欠勤対象となってしまうケースが少なくありませんでした。

この問題を解決するため、法改正により精算期間が3ヶ月に延長されました。これまでよりも高い柔軟性を発揮できるため、子育てや介護など、私生活と仕事を両立させたい労働者にとっては有益です。このため、企業も以前よりフレックス制度を採用しやすくなり、採用可能な人材の幅が広がるというメリットが得られます。

高度プロフェッショナル制度

この制度は新設されるもので、一部の職業に従事し、かつ高収入(年収約1000万円以上等)である人が対象になります。従事した時間と成果の関連が低く、長時間労働になりがちな高度専門職(研究開発、金融関連、アナリスト、コンサルタントなどが該当)に適用されます。

時間外や休日も現行の法律にとらわれず働ける(働いてもらえる)というメリットがありますが、健康確保措置が必要です。また、対象となる人は年収基準や職務内容、希望の有無、労使委員会のチェックなどにより選定されるため、誰でも利用できるという制度ではありません。

産業医と産業保健機能

産業医・産業保健機能が強化されます。
これまで、産業医は働く人の健康維持のために業務を行ってきましたが、実効性に欠ける部分がありました。法改正により、企業等が労働者の労働状況や健康管理の現況について、産業医の業務遂行に必要な情報提供実施が、義務化されました。

また企業などが、産業医から労働者の健康維持に関する勧告を受けた場合には、労使や衛生委員会に報告することも定められました。

上記に加え、これまでは労働者への健康相談を計画的に実施することが、企業には求められてきました。今後は、産業医が健康相談を行う体制の整備や、労働者の健康情報の収集・保管・使用などの適正な取り扱いについても、企業は推進していかねばなりません。

待遇差の是正について

長らく、いわゆる派遣などの非正規雇用労働者と正規雇用労働者の待遇格差が問題となっていました。ほとんど同じ業務内容であるのに、賃金などに大きな差があれば当然不満が生まれます。

働き方改革により、同じ企業内で、かつ仕事内容が同じであれば、正規・非正規雇用など、雇用形態がどのような形であっても、賃金や福利厚生などの待遇に差をつけてはならないことが規定されました。

規定の整備

賃金や福利厚生などの待遇だけではなく、裁判や行政指導に関する面でも待遇差がなくなります。これまで対象にはならなかったり制約があったりした有期雇用労働者に対する行政からの助言・指導が可能になります。また、パート、有期雇用、派遣といった雇用形態を問わず、行政ADR(裁判外での問題解決手続き)の対象となることが定められました。

同一労働同一賃金のガイドライン案

同一労働同一賃金のガイドライン案とは、労働者の待遇格差是正を目指し作成されているものです。現在は案の段階ですが、今後は識者の意見を取り入れたり、国会審議をしたりして、確定される見込みとなっています。

内容としては、一般的に正規・非正規と呼ばれる労働者の間に待遇差がある場合、「その待遇差が合理的なものか、それとも非合理的であり是正が必要なのか」を判断する際の基準を示すものです。具体例が整理されており、企業内で活用し得るものです。

労働者への説明義務

企業などが労働者に対して、本人の待遇について説明し、加えて、その待遇が決定される際の考慮事項についても明示することが、義務付けられました。
特に、有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者などから説明を求められた場合は、「正規雇用労働者との待遇差の理由や内容」を、明示しなければなりません。また、説明を求めた労働者に対して、不利益取扱いをすることは禁じられました。

働き方改革に対応するワークマネージメントツール「Asana」

上記のように、政府によるガイドラインに沿って、日本の企業全体が働き方改革を本格化させてきています。その流れに乗り、テレワークなどの新たな働き方を促進しつつ、効率的・安定的に業務を継続させるためには、各種ツールの導入も欠かせません。

Asanaは、働き方改革に対応しうるワークマネージメントツールです。
例えば、従来のテレワークの問題点として、「社員同士の意思疎通や業務管理が非効率的になる」ことが挙げられます。具体的には、業務を進める上で必要な確認チャットや会議、エクセル管理などに、勤務時間の60%が充当されているというデータもあるのです。

Asanaは業務に関わるさまざまな面を「見える化」します。ワークフローを明確にし、「誰が今何をやっているか?」をメンバー全員で容易に把握可能にします。その結果、スケジュールの進行状況や完了見込みについてもリアルタイムで共有できるため、目標達成がより容易になるのです。

すでに75,000社に採用され、平均45%の生産性向上を実現したという実績があります。無料プランもあるため、こうした支援ツールの導入テストとしても最適です。
(引用元:https://www.work-management.jp/asana

まとめ

ライフスタイルや労働環境の変化に応じて、厚生労働省が働き方改革を進めています。
ワークライフバランスの考え方が取り入れられており、労働時間や労働における待遇格差を見直すための施策や法律が整備され、労働者・雇用者双方に大きな変化をもたらします。

すでに適用されているものもあれば、今後施行されるものもあります。その内容を把握し、事前に対応準備をすることが必要でしょう。

そうした働き方改革を実践していくうえで、Asanaのようなワークマネージメントツールを活用することが必要となるでしょう。ツールを適切に運用すれば、変化に応じられるだけでなく、さらなる生産性の向上も期待できます。Asanaは無償トライアルもできますので、興味を感じたならば、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。


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