「仕事のための仕事」にすべての元凶がある①
無駄な仕事に気づいていない

 2020.10.21  田村 元 Asana Japan株式会社 代表取締役 ゼネラルマネージャー

無駄な仕事は少ないのに生産的だとは思えない

2019年12月2日にAsana は、日本やアメリカ、イギリスなど世界6か国で実施した働き方に関する調査結果を発表しています。
このリサーチでは、6か国で合計10,223人のビジネスワーカーに対して、仕事に関する行動と意欲を調査した結果をまとめています。日本のビジネスワーカーは2,114人です。

リサーチの結果は、驚くべきものでした。

  • 無駄な会議に費やしている時間
  • 仕事についての会話に費やしている時間
  • 重複した無駄な作業に費やしている時間

これらの無駄な作業に費やしている時間の有無に関して「Yes」と答えた割合は、日本のビジネスワーカーではいずれも6か国の平均を下回っています。

1  無駄な作業に費やしていると感じる時間

しかも、「仕事のための仕事」に費やしていると感じる時間の割合も、6か国の平均である35%に対して、日本はたったの28%です。
日々の仕事の中で、「無駄」と思われる仕事をしていると感じている時間は、3割以下にとどまっています。

2 「仕事のための仕事」に費やしていると感じる時間

この数字だけを見れば、日本の働き方は、海外のそれに比べて生産性が高いといえるでしょう。
それを踏まえて、このリサーチ結果を見てください。
日本のビジネスワーカーの「残業時間」が、調査した6か国の中で最も長いことが確認できます。
しかも、1日あたりの平均残業時間は1時間11分という結果でした。
この調査によると、日本のビジネスワーカーの82%が頻繁に、またはつねに残業しているのです。

3 「残業時間」の比較

日本では、働き方改革や“ 時短” が叫ばれて久しいですが、6か国の平均から見れば、まだまだ厳しい労働環境という面があるといえます。

とはいえ、仕事の総時間を単純に比べるだけでは、働き方の質はわからないという人もいるかもしれません。
たしかに、やりがいなどの見えない部分が充実していれば、6か国の平均よりも長時間働くことに意味を見出せる部分もあるでしょう。
ところが、自分の仕事に関する意識のリサーチ結果を確認すると、これまた厳しい現実が明らかになります。
「自分の1日の仕事の何割を生産的と感じるか」という質問に、日本のビジネスワーカーは「1日の仕事の54%しか生産的と感じない」と回答しているのです。
ほかの5か国がいずれも70%と高い数値を出しているのに、日本は16%も低かったのです。

4  1日の中で生産的と感じている時間の割合

つまり、日本のビジネスワーカーは「6か国の中でほかの国よりも無駄だと思っている仕事は少ない」のですが、一方で「一番長い時間働きながら、仕事が生産的だと感じている意識は最も低い」のです。
なぜ、こんな状況になっているのでしょうか。

週の6割は「仕事のための仕事」をしている

じつは、日本のビジネスワーカーの働き方には、多くの無駄が隠れているのです。リサーチ結果では、「仕事に無駄がある」と感じる割合は28%で、6か国の平均よりも低かった。
ところが、実情は違うのです。細かく回答を見ていくとわかるのですが、「突発の仕事によって優先順位が変わる」「予定外の会議が入る」「上司や同僚から話しかけられ、時間を取られる」などの仕事を妨げる要素が数多く隠れています。

週の6割は「仕事のための仕事」をしている 01

また、彼らは不必要と思われる会議は週に「1時間25分」と回答しています。
でも実際、日本のビジネスワーカーは、週に3時間16分の会議を行っています。
つまり、その差のおよそ2時間は必要な会議の時間ということになりますが、この時間の中に、意識されない不要なミーティングがもっと隠れているならば、先の「1時間25分」に加算され、不必要と思われる会議時間の6か国平均の「2時間」を上回ってしまう可能性が大いにあるわけです。

また、自動化ツールを導入すれば作業時間の相当の圧縮を期待できる「くり返しの作業」に対しても、週に2時間56分も費やしています。
ほかにも、「必要なメールを探す」「仕事で使う書類やファイルのうち、どれが最新で正しいかを探して確認する」「ほかの人に依頼した内容がどうなっているのかを確認する」などといった時間も無視できません。

週の6割は「仕事のための仕事」をしている 02

これらの作業時間を抽出すると、日本のビジネスワーカーが週に行っている「仕事の成果や付加価値を直接生まない、本来であれば排除可能な仕事」は、全体の59%に及ぶと算出されました。
なんと6か国の平均の2倍を超える時間です。これを我々は「仕事のための仕事」と呼んでいます。
6か国中、最も長く働きながら、その6割は生産性の低い「仕事のための仕事」であるという事実、そしてそれを無駄だと気づいていない事実は、看過できない状況ではないでしょうか。
ほかにもこんなリサーチ結果があります。
「会社の(年度)目標を把握しているか?」という質問にYES と回答したのは19%。 「自分の仕事が目標に貢献しているか?」という質問にYES と回答したのも19%でした。
目標を把握している人も、自分の仕事の貢献に実感がある人も全体のたったの2割弱しかいません。
つまり、自分の仕事がどんな価値を高めているのか、会社の目標達成に役立っているかがわからない人の割合が80%ということになります。

  • 日々の業務に隠された無駄な仕事に気づいていない
  • 6か国の平均よりも長い時間、労働している
  • 会社への貢献度や、仕事に対する自己肯定感が低い

これで果たして、より良く働けているのでしょうか。

次回は、日本と海外の働き方を主軸に、仕事の実態を見ていきます。

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