分散した働き方の実態からみる問題点と企業が取るべき方法について

 2022.07.29  2022.09.02

テレワークの導入によって、分散した働き方が浸透してきたものの、調査によりその課題が浮き彫りとなってきました。現に、分散した働き方をうまく進められず、頭を悩ませている経営者の方も多いのではないでしょうか。本記事では分散した働き方による課題から、主な問題とその解決策、企業レジリエンスを高める方法までご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

分散した働き方の実態からみる問題点と企業が取るべき方法について

分散した働き方による課題

テレワークへの移行が増えたことによって、物理的な働き方は進化したものの、新たな課題に直面している企業も少なくありません。その課題のひとつが、「仕事のための仕事」の増加です。ここでは、分散した働き方による課題について解説します。

「仕事のための仕事」が増加している実態

近年では、新型コロナウイルスの影響によって、多くの組織がテレワークへ移行しつつあります。それに伴いコラボレーションツールの導入が増えたことで、社会的にDX化が加速しました。こうした流れに追随すべく、多くの企業がビジネスを再構築しようとしているものの、サバイバルモードから抜け出せずにいる現状があります。というのも、オフィスで通用したやり方をリモートで実現しようと努力する中で、かえって「仕事のための仕事」が増加しているのです。

仕事のための仕事とは

「仕事のための仕事」とは、仕事についてのやりとりや情報の検索、アプリの切り替えといった、本来必要な仕事に取り組む時間を減らしているアクティビティのことを指します。Asanaが発表した「『仕事の解剖学』インデックス2021」によると、ナレッジワーカーは1日の仕事のうち60%を仕事の調整に、26%を専門的な作業に、残りの14%を戦略策定に取り組む時間に充てている状況です。

(参照元:https://www.work-management.jp/hubfs/resources/pdf/anatomy-of-work-index-2021.pdf P6)

さらに、毎日2時間ほどの残業を行っている労働者も多く、残業時間は増加傾向にあります。残業時間が増えているにもかかわらず、「仕事のための仕事」に費やす時間の割合が高いということは、本来の業務以外の仕事に追われている現状を表しています。

「仕事の解剖学」インデックス 2021〜分散ワークの世界で生じる混乱を乗り越える方法〜
「仕事の解剖学」指数に見る日本の働き方の特徴と考察

分散した働き方による主な問題と解決策

分散した働き方によって生じる主な問題は、次の3つです。

  • メッセージやミーティングの増加による生産性の低下
  • アプリの切り替えの多さによる業務効率の低下
  • 重要性の高い仕事に時間を割けない

これらの問題への解決策としては、クラウドシステムやツールの導入、集中できる時間の設定が挙げられます。

メッセージやミーティングの増加による生産性の低下

オフィス勤務では、従業員同士が互いに顔を突き合わせて仕事をするため、管理者の目が届きやすく、情報伝達もスムーズに行えていました。対して、テレワークではオフィスのように相手の状況を把握できないため、情報伝達にはコミュニケーションツールを使った連絡が増加します。しかし、連絡のためにメッセージを作成する時間が増えることで、かえって専門的な作業に取り組む時間が減少し、生産性の低下につながっているのです。

仕事についての余計なやりとりを極力減らすためには、仕事を管理するクラウドシステムの導入が有効です。

アプリの切り替えの多さによる業務効率の低下

アプリを増やすことにより、オフィスのような環境を構築しようとすると、多くのアプリを切り替えて使用することになり、作業効率の低下につながります。特に、役職の高い人ほど関係するアプリが多いため、切り替えの頻度も多くなり負担を感じやすいでしょう。また、アプリを切り替える際には、アクションやメッセージを見落としてしまうこともあり、それによるすれ違いが生じることも考えられます。

アプリの切り替えやメールチェックしない時間を設けることで、生産性が向上したというデータもあることから、情報へのアクセスを容易にし、タスクに集中する時間を設定することが問題の解決につながります。

(参照元:https://www.work-management.jp/hubfs/resources/pdf/anatomy-of-work-index-2021.pdf P9)

重要性の高い仕事に時間を割けない

「『仕事の解剖学』インデックス2021」によれば、「仕事のための仕事」の時間が増えたことで、重要性の高い仕事に割く時間が確保できなくなっており、1週間のうち26%もの仕事が納期に間に合っていないとのことです。仕事に取り組む時間がないだけでなく、非現実的な成果を期待されていることや、プロセスが不明確であることも、納期に遅れる原因として挙げられています。

(参照元:https://www.work-management.jp/hubfs/resources/pdf/anatomy-of-work-index-2021.pdf P13)

これらの問題を解決できるのが、組織の透明性を高められるワークマネジメントプラットフォームです。ワークマネジメントプラットフォームを導入すれば、情報共有が円滑に行えるようになり、プロセスが明確になります。

企業のレジリエンスを高めるためには

新しい労働環境が定着する中で、企業が成功を収めるためには、レジリエンスを高めるためのプロセス改革が必要です。企業のレジリエンスを高める方法には、次の3つが挙げられます。

  • 働きやすさを最優先に考える
  • オンボーディングのアプローチの見直し
  • 柔軟性のあるリモートワークの実現

レジリエンス向上のポイントは、社員の働きやすさや充実度です。以下、それぞれの方法について解説します。

働きやすさを最優先に考えること

企業の適応力を高めて困難を乗り越えるために最優先で考えなければならないのは、従業員の働きやすさです。昨今、過労により「バーンアウト(燃え尽き症候群)」を経験する人が増えています。バーンアウトに対処するには、DCS(Demand-Control-Support)モデルが有効とされています。

DCSモデルとは、「要求を減らすこと」「コントロール感を高めること」「サポートを増やすこと」の3アクションを行うことで、バーンアウトへ対処する考え方です。要求を減らすとは、業務の範囲を狭めるなどして、要求される仕事量や責任を軽減することです。コントロール感は自ら働き方を選べることであり、フレックス制の導入などがあたります。サポートを増やすことは、社会的支援を受けることで、同僚との関係構築につながる雑談の時間を設けることなどが該当します。

オンボーディングのアプローチの見直し

新入社員が自信を持てなくなる「インポスター症候群」を経験するケースが多くなっていることから、オンボーディングのアプローチを見直す必要があります。企業は新人研修によって、社員に目的意識や自信を与えられるプログラムを考えなければなりません。既存の社員に対しては、成功を評価することで自信を持ってもらうことが大切です。

柔軟性のあるリモートワークの実現

これまでのオフィス勤務とは異なる仕事環境において成功を収めるには、リモートワークでの勤務時間に柔軟性を与えることが必要です。社員の生産性を高めるためには、ワークライフバランスへの考慮が重要であり、社員の充実度を高めることで、企業のレジリエンスも向上します。リモートワークで柔軟性のある勤務時間とするには、社員が業務の目的やプロセスを把握し、納期を達成できるように行動する必要があります。

そのためには、組織のプロセスなどに対する透明性が不可欠であり、ワークマネジメントプラットフォームなどのツールの導入が効果的です。これらを踏まえ、働きやすさ改善のために経営者ができることを以下にまとめました。

  • フレックス制の導入
  • 勤務時間外の作業を減らすように促す
  • プロセスや優先する仕事の透明性を高める
  • 会議やビデオ通話の回数を減らし、ガイドラインを作成する
  • スキルを発揮できるように、集中できる時間を毎日確保するよう促す
  • コラボレーションのための新しいツールや技術に投資する
  • 従業員の交流の場を提供する
  • チームとマネージャーがリモートで顔を合わせる時間を増やす

これらの施策を実行することで、社員のストレス軽減や充実度の向上につながり、企業のレジリエンスが高まるでしょう。

まとめ

分散した働き方による課題のひとつは、「仕事のための仕事」に費やす時間の割合の増加により、本来必要であるスキルを発揮した仕事に割ける時間が減少していることです。「仕事のための仕事」の割合を減らすには、ワークマネジメントプラットフォームによって仕事の効率を高めることが必要です。

ワークマネジメントプラットフォームを用いることで、アプリの切り替えによる生産性の低下を抑えたり、メッセージなどのやりとりに費やす時間を減らしたりできます。このような分散された働き方による課題の解決には、業務管理ツール「Asana」の導入がおすすめです。

コロナで働くメンバーが分散... 社内コミュニケーションにワークマネジメントツール 「Asana」が活躍!

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