中期経営計画の意味や策定メリット、内容について解説

 2021.03.16  ワークマネジメント オンライン

企業の安定的な存続と成長のためには、「中期経営計画」の策定が欠かせません。そこで本記事では、中期経営計画の概要や策定するメリット、経営理念や環境分析など中期経営計画に盛り込むべき内容、中期経営計画の実行管理や見直しにおけるモニタリングの必要性などについて、わかりやすく解説します。

中期経営計画とは?その意味・策定メリット・内容について解説

中期経営計画の意味

「中期経営計画」とは、平たくいうと「会社が存続し成長していくために3~5年後のあるべき姿(ビジョン)を明確化し、自社の現状との差(ギャップ)を埋めていくうえで、進むべき方向性や数値目標を具体的に示すこと」です。

経営計画には中期経営計画のほかに、毎年作成される「短期経営計画(年度計画)」や、長期的(10年程度)な経営方針などを示した「長期経営計画」があります。

1年などの短いスパンでは、新規事業の黒字化など、実現できることが限られてしまいます。一方、スパンが長過ぎると予測が困難になり、実現性も低くなります。その点、3~5年後を見据えて策定される中期経営計画なら、実現できることが広がり、ある程度の予測が可能となっていくのです。

会社はヒト・モノ・カネ・情報など、限られた経営資源の中で、景気動向など外部からの影響を受けながら、経営を行っていかなければなりません。だからこそ、中期的な視点に立った経営計画を策定し、経営環境の変化に応じて検証・見直しを行いながら、有効的な経営資源の調達・配分を見込める中期経営計画が必要なのです。

中期経営計画を策定するメリット

中期経営計画を策定することで、主に以下のようなメリットが期待できます。

現状を把握できる

中期経営計画の策定は、まず会社の内部環境と外部環境の現状や課題について洗い出し、整理することから始めます。現状分析を行っていく過程で、財務状況や組織体制、組織風土の問題点、人員の年齢構成や過不足の現状・予測、技術力・商品力・販売力・サービス力などの事業価値、市場シェアの現状・予測、競合会社の動向などについて数値化されるため、客観的に把握できます。

取るべきアクションを明確化できる

中期経営計画では「黒字化」や「新規事業への進出」といった、漠然とした目標を掲げるだけではありません。3~5年後に実現をめざす売上高や損益分岐点、営業利益率、経常利益率、社員数などの具体的な数値目標を示します。

目標が示されることで、社員の採用や配置転換、新商品開発、新規出店、設備の更新、情報システムの導入といった行動指針が明確になります。「どのような経営資源を調達し、どのように配備していくべきか」「そのために予算はいくら必要なのか」「資金調達はいつ・いくらするべきか」などがはっきりすれば、具体的な行動計画や予算計画(利益計画)、資金計画、採用計画なども立てられるようになるでしょう。

社員の意識を改善できる

計画策定のプロジェクトチームなどを立ち上げ、経営者や役員、管理職だけでなく、チームに現場の社員も参加させることで、社員一人ひとりの意識改善へとつながります。これにより、全社一丸となった推進体制を構築できるでしょう。

また、計画策定に社員が関わることで、社員が経営者視点に立って日常業務に取り組むようになり、業務の改善・改革にもつながります。将来のあるべき姿や数値目標、やるべきことを全社で共有できるので、一体感が生まれ、モチベーションも高まっていきます。

対外的な信頼を獲得できる

金融機関や投資家などから融資・出資を受ける場合、売り手と買い手との間に生じる情報格差、いわゆる「情報の非対称性」を緩和することが大切です。中期経営計画の提出によって、企業はこれらの利害関係者(ステークホルダー)に決算書の数値だけでなく、自社の現状や問題点、めざしているビジョン、中期的な数値目標、具体的な行動計画、資金計画などを伝えられます。その結果、企業の対外的な信用力が向上し、スムーズな資金調達が可能となります。

また、取引先や顧客に対して、自社の技術・商品・サービスの魅力だけでなく、社会貢献や環境への配慮といった経営理念を示すことで、新規取引の獲得や売上の増加までも期待できます。

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中期経営計画の内容とは

このように中期経営計画は、企業にさまざまなメリットをもたらします。ここからは、具体的に盛り込まれる内容について見ていきましょう。

理念

経営者の方なら、「将来はこんな会社でありたい」「将来はこんな事業に進出したい」「事業を通じて社会に貢献したい」といった想いをお持ちでしょう。こうした経営者の理想を明確に示したものが「経営理念」です。経営理念は、会社の存在意義や社会的責任、経営姿勢などを示したもので、次の3要素から構成されます。

  • ミッション:「豊かな食生活に貢献する」など、会社が果たすべき使命や存在意義
  • ビジョン:「売上高を150%増にする」など、会社のめざすべき姿を具体的な数値などで示したもの
  • バリュー:「環境に優しく」など、会社で共有すべき価値観・行動指針

自社のミッションやビジョン、バリューを明確にし、社員に浸透させて意識や行動を変えていくことも、中期経営計画の目的の1つです。

環境

次に、内部環境と外部環境の情報を収集し、SWOT分析やSWOTクロス分析などのフレームワークを用いて、自社の強み・弱みを整理します。そして、自社の現状について客観的な分析を行います。

「内部環境」とは、財務状況・組織体制・人員構成・技術力・商品力・サービス力・情報システム・設備といった経営資源のことです。一方「外部環境」は、景気動向やため替・金利、法規制・税改正の動向、人口動態、新技術、自社が属する業界や市場の現状と今後の見通し、競合他社の動向などが該当します。

分析に必要な情報は、決算書など過去の会社データや社員のヒアリング、顧客アンケートやインタビュー、売り場観察、政府などの白書・報告書・統計データ、新聞・雑誌・書籍、インターネットなどから収集します。

戦略

自社の強みや弱み、市場予測など、環境分析により得られた結果に基づき、「経営戦略」を策定します。前項の環境分析によって、ビジョン実現のために解決すべき経営課題が抽出されます。経営戦略とは、それら経営課題をいかにして解決するかという方策(シナリオ)が示されたものです。

経営戦略は、主に「成長戦略」と「競合戦略」に分けられます。成長戦略では「強みを活かすためにどの事業に集中するか」「弱みを補うためにどのような対策をとるべきか」「新たにどのような製品を開発するか」「新たにどのような市場に進出するか」など、これから会社が成長していくべき事業領域や経営資源の配分に関する戦略を策定します。

一方、競争戦略では「他社より低コストを実現する」「独自性を出して他社との差別化を図る」「特定の製品やサービスなどに経営資源を集中させる」など、競合他社に対して優位性を保つための戦略を策定します。

行動

設定したビジョンの実現に向けて、経営戦略を策定するだけでは足りません。その戦略に基づく、各部門の行動計画や数値目標を決める必要があります。

例えば、「現在の給与を10%増額させるために、原価率を2%引き下げる」「新商品のための開発費を20%増額する」「新規出店のために10人新規採用する」などです。具体的な行動計画や数値目標を社員と共有することで、社員一人ひとりのモチベーションがアップし、計画の実現性が高まります。

特に、行動計画を策定する際は、5W1H(いつまでに・だれが・どこで・なにを・なぜ・どのように)を明確にすることが重要です。

中期経営計画のモニタリングについて

中期計画を策定するだけでは、いわゆる「絵に描いた餅」になってしまいます。中期経営計画で示したビジョンを実現するには、行動計画が計画通りに実行されているのか、数値目標と実績値との差異はどうなっているのかを、常にモニタリングし把握しておかなければなりません。

主に「単年度計画・月次予算計画の策定」「PDCA会議」「業績評価」の3プロセスにより、モニタリングを行います。

まず、中期経営計画を細分化した単年度計画を策定します。さらに、単年度計画を月次予算計画に細分化し、月次で実績と予算との差異を分析していくのです。もし差異が生じている場合には、その原因を分析し、状況によっては数値目標や行動計画などの見直しも行います。

中期経営計画の実行は、全社で取り組むべき課題です。毎月、全部門の関係者が参加するPDCA会議を開催し、計画の進捗状況の確認や、結果の検証と改善策の検討、方向性の再確認などを行い、常に情報を共有しましょう。

また、中期経営計画を計画どおりに実行し、利益目標などを達成している部門や社員を正当に評価して、賞与などの査定に業績評価を反映させます。業績結果が正当に評価されることで、「目標を達成したい」というモチベーションが高まり、さらなる業績向上へとつながる好循環が生まれます。

まとめ

今回は、中期経営計画の意味やメリット、計画に盛り込むべき内容、モニタリングの必要性などについて解説してきました。企業経営においては、中期的な視点に立った経営計画を策定し、さまざまな環境の変化に応じた戦略を打ち立てることが大切です。

中期経営計画の実現性を高めるにあたり、「Asana Business」の活用をおすすめします。Asana Businessとは、中期経営計画の数値目標や行動計画のモニタリングに最適なプロジェクト管理ツールです。大変な労力のかかるプロジェクト管理を1つのツールで管理できます。チーム全体でプロジェクトの進捗状況を可視化するだけでなく、社員間のコミュニケーションの円滑化にも役立ちます。この機会にぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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