コンティンジェンシー・プランとは?BCPとの違いなども解説

 2022.06.14  ワークマネジメント オンライン編集部

自然災害や感染症の流行などが経済に大きな打撃を与える中、企業活動においてリスクマネジメントの重要性に対する注目が高まっています。企業のリスクマネジメントの一つに「コンティンジェンシー・プラン」があります。この記事では、企業がコンティンジェンシー・プランを導入するにあたって押さえておきたい基礎知識や策定手順などを解説します。

コンティンジェンシー・プランとは?BCPとの違いなども解説

コンティンジェンシー・プランとは

自然災害や事件、事故などの不測の事態に対して、企業はあらかじめ備えておく必要があります。緊急事態が発生した際は迅速に対応して被害を最小限に抑え、通常業務に戻れるようにする計画を「コンティンジェンシー・プラン(Contingency Plan)」と呼びます。日本語で「緊急時対応計画」を意味します。

具体的には、リスク発生時において企業や従業員がどのように行動するかの指針やシステム復旧手順などの事前対策を定めます。企業のリスクマネジメントとしてあらかじめこのような計画を立てておくことで、企業は不測の事態に対応できるだけでなく、平時でも安心して通常業務を行うことができるのです。

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コンティンジェンシー・プランは今後ますます重視される

日常の業務に追われて緊急時の計画立案にまで手が回らないという企業は多いかもしれません。しかし、日本は自然災害のリスクが高く、地震や台風、洪水、雪の被害など、さまざまな事態に対する備えが必要な状況です。また、自然災害にともなって引き起こされる交通や電力をはじめとしたインフラの途絶や社会機能の混乱といった副次的なリスクも懸念されています。

また、事業のグローバル化や企業構造の複雑化、情報システムの高度化といった変化にともない、リスクもまた多様化しています。さらに、2020年からは新型コロナウイルス感染症のパンデミックも起こり、ますます企業のリスクマネジメントとしてのコンティンジェンシー・プラン策定は喫緊の課題であるといえるのです。

BCP(事業継続計画)との違いはその目的にある

コンティンジェンシー・プランと似た概念に「BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)」があります。コンティンジェンシー・プランは、緊急時における各業務の対応決定を目的とした、短期的・限定的な計画です。一方のBCPは、通常業務への早期復旧を図るために作成するものであり、コンティンジェンシー・プランと比べて事業の継続を重視した中長期的・包括的なものといえるでしょう。

BCPでは通常、リスク発生による影響の予測を分析するBIA(Business Impact Analysis:ビジネスインパクト分析)を実施し、業務間で復旧・継続の優先順位を評価します。ただ、コンティンジェンシー・プランでもBIAを行うことがあるため、両者の違いは曖昧になっています。

コンティンジェンシー・プラン策定に向けた3ステップ

では、実際にコンティンジェンシー・プランを策定するにはどのような手順を取ればよいでしょうか。正しい手順を理解し、有効なコンティンジェンシー・プランを立案することが重要です。策定に向けた3つのステップについて見ていきましょう。

1. リスクを洗い出して対応を定める

企業を取り巻くリスクについて正確に把握していなければ、適切な対応を取ることはできません。そのため最初のステップでは、企業を取り巻く環境を確認し、リスクになる要素を洗い出します。このリスク分析においては、発生した際の重篤さや起こる頻度を検討した上で、企業に関わるリスクの深刻度や対応時の優先度をつけることが効果的です。このようにして、洗い出したリスクに対する従業員の行動指針や詳細な対応を決めていきます。

2. 社内への周知と教育をする

コンティンジェンシー・プランの内容を決めたとしても、従業員が認識していなければ緊急時に機能しません。決定した行動指針や対応策は、社内に周知・教育を行う必要があります。リスクの発生時に迅速な対応が取れるよう、必要に応じて各部署の関係者または全従業員を対象に研修を実施します。また、計画書の形で文書化し、従業員がアクセスしやすく、かつセキュリティ管理が整っている場所に保管・共有することが望ましいです。そして、従業員が忘れないよう定期的に研修を実施するとよいでしょう。

3. プランの検証・見直しを行う

コンティンジェンシー・プランは、一度決めた後に内容の変更が必要な場合があります。例えば事業環境の変化や新たなリスクの顕在化といった事態に対し、プランの評価や検証をしっかりと実施することが大切です。そのため、計画に対するモニタリングを継続的に行い、必要に応じて見直しや変更を検討する機会を設けたほうがよいでしょう。そして、運用のために緊急時の対応の訓練を定期的に実施し、想定通りに機能しているかを確認し、改善を繰り返すことが望ましいです。

コンティンジェンシー・プランで注意すべき3つのこと

コンティンジェンシー・プランを策定しても緊急時に機能しなければ意味がありません。ここでは、コンティンジェンシー・プランで注意すべきことについて、3点をピックアップして考えていきます。

1. 計画に対する関係者からの賛同を得ること

コンティンジェンシー・プランが緊急時に機能しない理由の一つに、企業の関係者から賛同を得ていないケースが挙げられます。このような事態を回避するためには、計画作成中においても認識のすり合わせや対処方法の検証を行う必要があります。そして、関係者に支持される内容にすることが重要です。また、経営陣にも計画の詳細を認識してもらい、承認を得ておくようにしましょう。

2. 計画の策定だけで満足しないこと

コンティンジェンシー・プランの決定に至るまでには多くの労力がかかります。しかし、ただ策定しただけで満足してはいけません。不測の事態に備えた対応を常に意識することが重要です。行動指針が適切に機能するか、計画が運用可能なものになっているか、といったことを定期的に見直すようにしましょう。コンティンジェンシー・プランの内容を企業の従業員が把握し、いつ何時でもその内容に沿って対応できるようになっていなければなりません。

3. 計画を最新の状態に保つこと

コンティンジェンシー・プランは、環境の変化に合わせて最新の状態に保つことが大切です。初版の策定時から環境が変化した場合は速やかにリスク分析を実施し、そのリスクに対応できる計画にアップデートしていることが必須です。策定した者だけでなく、リスク発生時における関係者全員が計画内容を定期的に確認できるように保管・共有しておきましょう。

まとめ

企業を取り巻くリスクの多様化にともない、コンティンジェンシー・プランの重要性は高まっています。計画の策定には、リスクの洗い出しから立案、社員への教育・研修、見直しに至るまでの手順を適切に守り、機能する計画に仕上げることが大切です。策定した計画は文書化し、関係者がいつでも確認できるように管理・共有する必要があります。また、環境の変化に合わせて定期的にアップデートするようにしましょう。

コンティンジェンシー・プランの管理には、ワークマネジメントツール「Asana」が役立ちます。従業員が効率的かつセキュアにコラボレーションできる機能を活用することで、コンティンジェンシー・プランの共有やアップデートを適切に実施することが可能となるでしょう。

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