企業でミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を浸透させる方法や見直しについて

 2022.05.25  ワークマネジメント オンライン編集部

経営者が自社の経営理念を定めるにあたり、押さえておきたいのが「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」です。企業の持続的な成長を目指すうえでは、これら3要素をしっかりと定めることが重要な意味をもちます。本記事では、MVVの概要やメリット、作り方などをおさらいするとともに、見直しのタイミングや社内に浸透させる方法について解説します。

企業でミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を浸透させる方法や見直しについて

企業のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とは

MVVとは「Mission(ミッション)」「Vision(ビジョン)」「Value(バリュー)」の頭文字を取った略語で、『マネジメント』の著者として知られる経営学者ピーター・F・ドラッカー氏が自著『Managing in the Next Society』にて提唱した、経営理念を構成する基本的な3つのフレームワークのことです。

企業は通常、自社の存在意義を明確化するために理念を定めており、社内研修などの教育を通して、事業の方向性や目指すべき姿を各従業員に共有します。しかし、企業規模が大きくなるにつれて、理念が形骸化してきたり、組織の足並みが揃わなくなってきたりすることも少なくありません。

こうしたケースでは、理念を策定しただけ・伝えるだけにとどまっており、MVVが揃っていないか正しく認識されていない可能性が考えられます。MVVは自社のビジネスコンセプトを示すとともに、従業員の行動・判断の基軸にもなる重要な要素であるため、しっかりと明文化して定着させることが大切です。

なお、MVVの3要素それぞれの定義や使われ方は企業によって異なります。もっとも、大枠でいえばどの企業もおおむね共通しているため、以下の通りに解釈しておけば問題はないでしょう。

「ミッション」とは企業が毎日成し遂げるべき使命

ミッションとは、端的にいえば企業の存在意義となるもので、すなわち社会において成すべき使命や役割などを指します。経営理念の構造的上部に位置し、基本的には不変ですが、企業を取り巻く環境次第では読み替わる可能性もあります。

ミッションにおいては、「自社が果たすべき役割とは何か」を考えることが大切です。適切なミッションを策定することで、日々の企業活動が使命の遂行に結びつき、従業員の活動に深い意義を与えられます。

「ビジョン」とは理想の未来に向けた具体的な目標

ビジョンとは、企業が理想とする未来・あるべき姿などの目標を指します。ここでは、前項で定めたミッションを踏まえ、「どのような未来を実現すれば、使命を成し遂げたといえるのか」を考えることが大切です。

また、企業は社会的役割を果たすことが存在条件であるため、社会そしてステークホルダーに対する価値提供も忘れてはいけません。それゆえビジョンは、企業の成長過程やビジネス環境の変化に応じて、定期的に見直す必要があるでしょう。

「バリュー」とは目標を達成するための行動指針

ミッション・ビジョンが決まれば、企業の未来像に近付くために、より具体的な行動指針を考えていきます。それがバリューです。ここでは、日々の使命であるミッションの遂行にあたり、具体的な仕事のやり方や社会に提供する価値を考えます。

このバリューを定めなければ、日々の仕事をどのように行えばよいか、仕事において何を大切にすればよいかがわからなくなってしまいます。そのため、このバリューが誰に対するものであるかを整理することが重要です。

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ミッション・ビジョン・バリューを定めるメリット3点

では、企業がMVVを定めることで、一体どのようなメリットが得られるのでしょうか。以下では、主なメリットを3つピックアップしてご紹介します。

従業員のエンゲージメントに影響を与える

近年では新型コロナウイルスの影響により、テレワークをはじめとする新しい働き方が急速に普及しつつあります。しかし、テレワークの導入で自律的な就労が促される一方、コミュニケーションの希薄化や公私の切り替えがうまくできないストレスなどから、従業員の企業に対する帰属意識の低下が見られることも事実です。

そこで経営者が、福利厚生や給与といった待遇面に共感を覚えた従業員に対して、MVVへの共感に導くよう働きかければ、従業員の帰属意識を醸成し、エンゲージメント向上につなげられる可能性があります。

企業として安定感を得ることができる

MVVを明文化しておけば、同じ価値観をもち、自社の理念に共感した人材を採用しやすくなります。価値観を共有した仲間が集まることで、企業と人材の目指すべき未来が一致し、全社一丸となって企業活動に取り組めるようになるでしょう。

またMVVの策定は、経営判断のサポートという意味でも重要です。企業を経営するうえでは、常にタイムリーかつ適切な経営判断が求められます。その際、意思決定の指針となる軸があれば、判断に迷うことは少なくなるでしょう。MVVを軸に据えることで、致命的な判断ミスや判断の遅れを回避し、長期的かつ安定的な経営の維持が可能になります。

従業員の方向性を統一し、共通意識をもった判断が機能する

MVVを定めて社内に浸透させることで、従業員の方向性を統一し、共通意識をもった判断が機能する点もメリットです。これにより、経営陣も従業員も納得のいく判断を迅速に下せるようになります。その結果、共通の拠り所をもち、各々が高いモチベーションで仕事に取り組めるため、企業の業績アップにもつながるでしょう。

また、経営陣や従業員が変わっても企業の方針は受け継がれるため、企業文化の承継においてもMVVを定めておくことは有用といえます。

ミッション・ビジョン・バリューを見直すタイミング

このように、MVVの策定は企業にさまざまなメリットをもたらします。しかし、適切なMVVを定めたからといって、企業が存続する限りそれを変える必要はないかといえば、決してそのようなことはありません。

企業を取り巻く環境は常に変化しているため、事業の方向性や社会情勢などが変わったときには、それに応じてMVVを見直す必要があります。その時々の環境に合わせたMVVを定めることで、経営者や従業員は高いモチベーションをもって仕事に取り組めるようになるのです。

たとえば先述の例でいうと、コロナ禍でテレワークを導入する企業が増え、働き方が柔軟になった一方、企業に対する帰属意識が薄れている現状などは、自社のMVVの見直しを図るよい機会といえます。なお、見直したMVVをリリースするタイミングは、新たな期の始まりや大きな社内イベント時などが適切でしょう。

ミッション・ビジョン・バリューの作り方

MVVは単に作ればよいというものでなく、社内に浸透させるところが肝要であるため、策定段階から従業員と協同で作り上げていくことが大切です。というのも、トップダウンで示されたMVVは現場の実態に沿わないケースが多く、従業員の当事者意識を喚起しにくいからです。この点を念頭に置いたうえで、MVV策定の大まかな流れについて見ていきましょう。

企業を取り巻く環境を把握する

まずは自社の事業内容を洗い出し、企業を取り巻く内部・外部環境を把握することが先決です。SWOT分析などを用いて、市場動向や競合状況、自社の経営資源などについて把握しましょう。

MVVの順に1つずつ定義の共有・書き出し・表現の平明化を行う

次に、経営理念における構造的上部から順に、ミッション→ビジョン→バリューと決めていきます。それぞれ定義をまず共有し、ブレインストーミングなどを通してアイデアを書き出していき、浸透させやすいよう分かりやすい表現にまとめる、という流れです。なお、ミッションでは現在に、ビジョンでは将来にそれぞれフォーカスすることを意識しましょう。

ミッション・ビジョン・バリューの浸透させる方法

MVVを社内に浸透させるうえでは、経営者と従業員の信頼関係が前提となります。先述したように、上意下達では従業員の共感を得られないばかりか、自社の課題や現場の実態に沿わない内容となりかねないからです。

したがって、経営者側から歩み寄り信頼を築こうとする意志を示すこと、そして自社が抱える課題を見極め、適切な対策を講じることが大切です。そのうえで、社内報で定期的に促したり、クレドカードを携帯させたりといった施策を講じ、従業員への意識づけを行いましょう。

また、MVVの教育を一度行った程度で定着するものとは考えず、中長期的な視点で施策として実施し、従業員の習慣化に取り組むことも重要です。その際は、MVVを評価やインセンティブと紐づけるなどすると、従業員のモチベーション向上につながり、MVVの形骸化を防止できるでしょう。

まとめ

企業を取り巻く環境の変化に応じて、MVVを策定し社内に浸透させることは、経営者や従業員のモチベーションを高め、ひいては企業の持続可能性の向上につながります。しかし、適切なMVVを策定するためには、前提として自社の現状や課題の把握が欠かせません。そこでおすすめなのが、ワークマネジメントツール「Asana」の導入です。

Asanaは自社の業務プロセスを可視化できるため、現状把握や課題抽出を容易に行えるメリットがあります。数値目標などの管理にも適しており、MVVの運用においても重宝するでしょう。企業の持続的な成長を実現するためにも、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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