グループ・ダイナミックスとは?意味や効果的な活用のポイントを解説

 2022.06.13  ワークマネジメント オンライン編集部

社内で望ましい成果を出すためには、メンバーが高いモチベーションを保ち、団結して共通の目標へ進むことが大切です。そこで押さえておきたいのが、集団と個人の相互影響について示した「グループ・ダイナミックス」という理論です。本記事では、グループ・ダイナミックスの概要や活用メリット、実行する際の注意点などをご紹介します。

グループ・ダイナミックスとは?意味や効果的な活用のポイントを解説

グループ・ダイナミックスとは

グループ・ダイナミックス(集団力学)とは、ドイツの心理学者クルト・レヴィン氏により提唱された、集団構造における人間の思考や態度、行動は相互に影響を及ぼすという理論のことです。集団に属する個人は、別個に思考し行動するのではなく、集団から圧力や影響を受けて思考や行動が変化していき、それらは同時に集団にも影響を与えるといわれています。

現在、社会心理学の一領域でもあるグループ・ダイナミックスは、ビジネスや教育、福祉やスポーツなどのさまざまな場で展開・応用されています。

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グループ・ダイナミックスは生産性向上にもつながる要素

社内におけるよいグループ・ダイナミックスの構築は、個人・集団のパフォーマンス向上をもたらします。グループ・ダイナミックスを活用することによって、円滑な社内コミュニケーションが実現し、社外の人間とのコミュニケーションも良好になり、提携事業などもスムーズに進められるといった効果が期待できるでしょう。

また、個人の能力に加えて集団としてのパフォーマンスを向上させることは、多様かつ豊富な情報の収集、さらには優れた意思決定やアイディア生成を可能にします。つまり、グループ・ダイナミックスの育成は、チーム全体の効率化と生産性の向上につながるといえます。

良いグループ・ダイナミックスの傾向とは?

では、よいグループ・ダイナミックスの傾向とは、具体的にどういう状態を指すのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

共通の指針に基づく団結力がある

集団の団結力、つまり集団凝集性とは、「集団の一員でいたい」という動機づけの度合いを指します。集団凝集性が大きくなるほど集団圧力も高まり、グループ・ダイナミックスの傾向も強くなります。

社内において、個々のメンバーが共通の目標を目指し、いかに努力・行動できるかが目標達成のための重要なファクターです。共通の指針のもとにメンバーが団結することで結束も強まり、よりよい成果を生み出せるでしょう。

連帯感をもった集団凝集性がある

集団凝集性が高いほど、個人は「集団に留まりたい」と考えるようになります。連帯感や協調性が十分に備わることにより組織自体も安定し、スムーズかつ生産性の高い仕事が可能になるのです。

組織への帰属意識・仲間意識が強まることで、仕事へのストレスやメンバーへの不満も感じにくくなったり、コミュニケーションを図って解決したりできるため、離職率の低下にも寄与します。チームが一丸となった長期的なプロジェクトの推進や、能力・ノウハウのある人材の育成がしやすくなるうえ、人材の流出も防げるため、組織としての成長につながるでしょう。

陥りやすいグループ・ダイナミックスの注意点

このように、グループ・ダイナミックスには効果的な側面もありますが、実際に活用するうえではいくつか注意点があることも押さえておかなければなりません。

グループシンク(集団浅慮)による意思決定

まず懸念されるのは、グループシンク(集団浅慮)に陥るおそれがあることです。集団凝集性が誤った方向に大きくなると、同調しようとするあまり不合理な意思決定を行ってしまいかねません。グループやチームにおいて、自分1人だけ異なる意見を表明することをおそれた結果、多角的な視点や思考力、判断力が失われ、不合理な結論や決定がなされてしまうのです。仲間意識をもつのはよいことですが、単なる馴れ合いにならないように線引きする必要があります。

また時間的な制約や、強引な指導者の存在といった要素が加わることでも、グループシンクに陥りやすい状況が生まれてしまいます。グループシンクを避け、改善案や反対意見に目を向けることが重要になるでしょう。

グループシフト(集団傾向)による極端な方向性

集団での意思決定において、意見や決定が極端な方向へ偏ってしまう現象をグループシフト(集団傾向)といいます。これにより、個人における意思決定よりもリスク管理がされておらず、劣った意見が生み出されかねません。たとえ穏やかな人の集団でも、グループシフトにより過激な結論を出し、思いもよらない方向へと向かってしまう可能性があるのです。

このような現象が生じる原因のひとつは、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」といった意識でしょう。集団で決定していることにより、「何か問題が生じても自分1人が責任を負うわけではない」「誰かが何とかするだろう」といった錯覚や油断をしやすくなってしまいます。組織全体の決定だとしても、個人としての責任や自覚をもつことが重要です。

グループ・ダイナミックス活用に向けた3つのポイント

グループ・ダイナミックスにおけるメリット・デメリットを踏まえたうえで、うまく活用していくにはどうすればよいのでしょうか。以下では、活用における3つのポイントをご紹介します。

1. コミュニケーションの手段を整える

先述のようなデメリットを減らすうえでは、内部におけるコミュニケーションを充実させることが大切です。一般に、集団凝集性が高くなるにつれてコミュニケーションは活発化するといわれます。しかし、団結力が強まる一方で、集団から異質なメンバーが排除・疎外されるなどの事態も起こり得るため、これを防ぐ必要があるでしょう。

グループ・ダイナミックスにおいては、社内におけるコミュニケーション手段の整備・明確化が重要です。まずは社内のメンバーが使いやすいコミュニケーションツールを見極めましょう。そしてツールの使い方について、誰が・いつ・どのように使うのかといったことを明確にし、メンバーの納得を確認したうえで導入していきます。

2. グループ内での問題を見極めて解消する

コミュニケーション手段の整備に加え、先述のような極端な意思決定をなくすためには、グループ内において問題が生じない、あるいは解消しやすいシステムを構築することが鍵となります。

問題はある日突然発生するものでなく、グループ内における不和や不満など、何らかの兆候が存在します。小さなサインを見逃さず、グループ内で起こっていることを互いに報告・共有することにより、対立や排除が生じる前に話し合ったり、解決のための措置をとったりすることが可能です。

また、トラブルとして明確に認知されるもの以外に、社会的手抜きにも注意しましょう。社会的手抜きとは、集団で行う作業において、個人の作業よりも貢献度が下がることを指します。ほかの問題とは異なり、社会的手抜きは一見して問題があるとわかりにくい場合もあるので、発生を防ぎ、個人のモチベーションを高めていくことが重要です。

3. グループ内での行動規範を設ける

よいグループやチームを作り、業績を上げるためには、内部の行動規範を設けることが必要です。行動規範を設けることにより、各員が積極的に行動できるようになるほか、規範を認識・共有する中でコミュニケーションも促されます。

行動規範についても、コミュニケーションをとるうえでのルールや、日常業務におけるルール、トラブルが生じた際の解決法といったものまで幅広く明文化しましょう。さらに、刻々と変化する状況に柔軟に対応することも必須です。

さらに、行動規範に違反した者にはペナルティを科すことで、規律が乱れにくくなり内部統制の強化につながります。

まとめ

よいグループ・ダイナミックスを構築することにより、社内におけるコミュニケーションが円滑化し、結束も強まり生産性の向上につながります。ただし、グループ・ダイナミックスをうまく活用するには、その傾向やメリットについて正しく理解し、注意点を心に留めておくことが大切です。

効率的なコミュニケーションツールである「Asana」の利用は、よいグループ・ダイナミックス構築の近道です。Asanaによってタスクの可視化や共有、アプリとの連携や進捗状況のチェック、仕事のリクエスト管理などが可能になり、チームで効率的に作業を進められるようになります。チーム内でのコミュニケーションも改善できるため、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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