働き方改革には両輪が必要、コミュニケーション・コラボレーションの基本

 2020.07.08  2022.09.05

組織や企業にとっての一大トピックである働き方改革を実現するためのポイントは、どこにあるのでしょうか。働き方改革の焦点である生産性向上とイノベーションの鍵を握るのが、コミュニケーション・コラボレーションとされています。本記事ではコミュニケーション・コラボレーションの意味や関係性、違いなどについてご紹介します。

働き方改革には両輪が必要、コミュニケーション・コラボレーションの基本

コミュニケーション・コラボレーションとは

コミュニケーションとコラボレーションは、似たような意味の用語として捉えられがちですが、それぞれどのような意味なのでしょうか。

コミュニケーションの意味

communication(コミュニケーション)とは、日本語では「伝達」、「連絡」、「通信」などという意味です。

経団連が毎年発表しているレポート「採用選考時にあたって重視する要素」でも、12年連続で「コミュニケーション能力」がトップになっており、企業における新入社員獲得のフェーズにおいても、コミュニケーション能力の有無がいかに重視されているか分かります。

コミュニケーション能力とは、相手が受け取りやすい方法で、理解しやすく内容を伝える能力です。そのため、コミュニケーションができている状態とは、分かりやすく伝え、また相手が伝えた内容を理解している状態ということになります。

(参考文献:2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果

コラボレーションの意味

コミュニケーションは昔から使われていた言葉ですが、近年よく耳にするようになったのがcollaboration(コラボレーション)です。

コラボレーションとは、「協力」、「連携」、「共同作業」などという意味です。コラボレーションは、複数人やさまざまな立場の人が共に作業を行っている状態において発生します。さらに、複数人が互いの利害関係を乗り越え、協働して価値を生み出すことも求められます。

そのため、コラボレーションができている組織においては、斬新な、あるいは意外性のある商品やサービスなどが生まれる可能性があります。最近ではコラボレーションによるイノベーションを期待して、全く業種が異なる企業が組んで行う商品開発も活発化しています。

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コミュニケーションとコラボレーションの関係

コミュニケーションとコラボレーションとはどのような関係性にあるのでしょうか。

生産性向上とイノベーションを実現するためには、強固なチームワークが必須です。チームワークの形成には次のような7段階があるとされており、どの段階も飛ばすことはできません。

  1. 互いを知っている
    第1段階はお互いを知っている状態です。"知り合い"や"顔見知り"の状態にあります。

  2. 話をする
    第2段階は知り合った人と会話を交わしている状態です。

  3. 互いを理解する
    お互いの違いや価値観を認め、相手を"understand(理解)"している状態です。

  4. 共通のゴールを持つ
    集合体・組織のゴールや目的が共有されている状態です。

  5. 相談する
    チームで新しい価値を生み出すために、互いに相談し合う段階です。

  6. 協力する
    対立や葛藤を乗り越え、共通のゴールに向かって協力する段階です。

  7. 新しい価値を共に生み出す
    チームワークの最終段階は、既存の枠組みを超えて新たな価値を創造している段階です。

1~3段階で行っていることがコミュニケーション、5~7段階目で行っていることがコラボレーションです。

チームワークのレベルにおいて、転換点となるのが4段階目の「チームで共通のゴールを共有している」状態です。

同じゴールを目指し、新しい価値を生み出す組織でのコミュニケーションでは、単に情報を共有するだけでなく、相手も次に行うべきアクションを考えながら聞いています。高いレベルのチームワークを有する組織では、コミュニケーションを土台とした信頼関係があるからこそ、コラボレーションできるのです。

また、コミュニケーションとコラボレーションは、表裏一体の関係にあるため、一緒に語られることも多々あります。この二つは切り離して考えるべきものではなく、常に両方を主軸において考えるべきといえます。

働き方改革におけるコミュニケーション・コラボレーションの重要性

2020年度、組織や企業に大きな影響を与えているトピックは、「働き方改革」といえるでしょう。働き方改革の実現に向けて、厚生労働省では次の7つを具体的な取り組みとして掲げています。

  1. 非正規雇用の待遇差改善
  2. 長時間労働の是正
  3. 柔軟な働き方ができる環境づくり
  4. ダイバーシティの推進
  5. 賃金引き上げと労働生産性向上
  6. 再就職支援と人材育成
  7. ハラスメント防止対策

働き方改革の実現は、いかにコミュニケーション力とコラボレーション力を向上していけるかにかかっているといっても過言ではありません。

新型コロナウイルスへの対策で、皮肉にも「柔軟な働き方ができる環境づくり」として、テレワークへの対応が一気に迫られるようになりました。テレワークでは、物理的にメンバー間の距離が離れ、直接顔が見えない中でコミュニケーションし、コラボレーションをしながら成果を生み出さなくてはなりません。コミュニケーション力のある組織においては、ハラスメントが発生する余地などありません。また、互いの多様性や価値観を認め合うことなしにコラボレーションはできません。すでにコラボレーションが実現できている組織では、ダイバーシティを推進する必要すらないのです。

働き方改革の実現は、単に給与を上げたり、社内規定に理想論を並べることではなく、コミュニケーションとコラボレーションという両輪をいかにうまく回せるかにかかっています。

コミュニケーション・コラボレーションにおけるポイント

社内のコミュニケーションやコラボレーションの現状について検証・改善していくためには、考慮すべきポイントがあります。

ツールの活用

インターネットがこれだけ発展し、働く環境が目まぐるしく変わる現代、コミュニケーションやコラボレーションの向上にもツールの活用が欠かせません。

チャットツールやビデオ会議ツールなど、様々な機能がツールとして活用されていますが、コミュニケーションやコラボレーションに関連した機能をすべて盛り込んだシステムも浸透しつつあります。このようなシステムでは、チャット・ビデオ会議だけでなく、ファイル共有やプロジェクト管理ツールなどの機能も連動され、コミュニケーション・コラボレーションの"ハブ"としてあらゆる情報を集約できるようになっています。

また、近年ではテレワーク・時短勤務・サテライトオフィス勤務など、様々な勤務形態が導入され、時間・場所を問わないコミュニケーション・コラボレーションが求められています。このような勤務形態の多様化における課題もツールで解決できることが多くあります。

現場の状況に応じた環境整備

勤務場所や勤務時間の違いなど、それぞれの働き方に応じた環境を整備することも重要です。

コミュニケーション・コラボレーションを促進する環境に欠かせない要素として、必要な人と必要なときに話ができることが挙げられます。勤務場所がオフィスか、自宅かに関わらず、どのような状況にいたとしてもチームのメンバーと話ができる環境が必要です。特に、フェイスtoフェイスのコミュニケーションは誤解を極力なくし、より深く理解するためにも必要不可欠といえるでしょう。

また、コミュニケーション・コラボレーションに特化したツールを導入する場合、誰にでも簡単に使えるツールを選択することが大切です。品質は重要ですが、高機能過ぎて一部のメンバーしか使いこなせないのでは、一向にコミュニケーション・コラボレーションは改善しないでしょう。

まとめ

働き方改革のポイントである生産性向上とイノベーションのために必要不可欠な2つの要素が、コミュニケーションとコラボレーションです。これらは自転車の両輪の関係にあり、どちらが欠けても組織は上手く回りません。質の高いコミュニケーションとコラボレーションを目指すことで、業務の効率化や活性化、そして新しい価値観の創造が実現可能となっていくでしょう。

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