ホラクラシー経営とは?内容やメリット・デメリットを解説

 2021.10.14  ワークマネジメント オンライン

ホラクラシー経営という新たなビジネスモデルをご存知でしょうか。従来の企業は上司-部下の階層構造から成る組織形態ですが、ホラクラシー経営では社員間に上下関係を敷かず、各社員が責任感と主体性を持って各人の職務を果たしていきます。本記事ではこのホラクラシー経営の概要と、メリットデメリットを解説します。

ホラクラシー経営とは?内容やメリット・デメリットを解説

ホラクラシー経営とは

ホラクラシーとは、組織に上下関係を設けない新しい組織形態のことです。従来の企業は、上司と部下の階層構造から成るピラミッド型の組織が主でした。しかしホラクラシー経営においては一定のルールだけを共有して社員全員が対等な立場です。従来型の「管理職」は存在せず、厳密な意味で上位組織と言えるような部署も設置しません。したがって社員やチームは、それぞれが自分の仕事に対して大きな責任と権限を持って自由に業務に当たります。ホラクラシー経営は実際にアメリカの企業ザッポスが実践していることで有名です。近年では日本でも導入する企業が現れ出しました。

ティール組織との違い

「ホラクラシー経営」と類似したものに「ティール組織」という概念があります。ホラクラシー経営とティール組織は、「組織に上下関係を作らず、社員個々人の主体的な意思決定を可能にする」という点では基本的な特徴を共有しています。とはいえ、ティール組織は具体的なビジネスモデルを持たず、抽象的な理念としての性質を色濃く持ちます。他方、ホラクラシー経営には、上下関係を伴わずに業務運営していくためのビジネスモデルが存在しており、導入企業はそのモデルに基づいて運用をしていくのです、いわば、ホラクラシー経営とはティール組織を実現する実践的な一形態であり、概念的にはティール組織の一部と位置付けられます。

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ホラクラシー経営の特徴

続いては、ホラクラシー経営の主な特徴を解説します。

役職がなく、自由度が高い

ホラクラシー経営の大きな特徴は、課長・部長のような役職を置かないことです。代わりに、社員には事業を行うに当たって必要とされる「ロール(役割)」が当てがわれ、そのロールに付随する仕事について大きな裁量権と責任を持ちます。

これはチームに関しても同様です。ホラクラシー経営において従来の部署やチームは「サークル」と呼ばれますが、サークル間に上下関係はありません。

たとえばホラクラシー経営における固定的なサークルとして、サークル内でのロールの割り当てや組織の方向性、重要事項などを共有する「リードリンク」と呼ばれる役割があります。

リードリンクは従来の人事部と類似した役割を果たすサークルですが、他のサークルに仕事の進め方を指図したり人事評価したりはしません。それゆえロールと同様、サークルもそれぞれに求められる役割の範疇においては、最適と思われる判断を自由に下すことができます。

情報のオープン化

役職を置かないことと並行して、情報のオープン化が進むこともホラクラシー経営の特徴です。従来のピラミッド型の組織構造を取る企業においては、情報へのアクセス権も上位者に一極集中していました。情報の優位性を盾にして上司が部下を従わせている側面があったのです。

しかし、そもそも役職を置かないホラクラシー経営においては、情報は基本的に共有すべきものとみなされます。現実問題、情報を集約して指示出しする管理職を置かないホラクラシー経営では、一部の人間だけが情報を握るのではなく、データはクラウド上のデータベースに置かれるなどして、誰でもアクセスできるようにオープン化されます。

ホラクラシー経営のメリット・デメリット

上記のような特徴を持ったホラクラシー経営を導入することで、企業にはどのような効果がもたらされるのでしょうか。メリット・デメリットについて解説します。

ホラクラシー経営のメリット

主なメリットとしては、「意思決定の迅速化」「社内政治の撤廃」「業務効率の向上」が挙げられます。

たとえば業務の進め方を新しく変えたいとき、従来ならば直属の上司に許可を求め、場合によっては社内稟議などを通して組織から承認を得る必要がありました。その結果、物事を決めるには長い時間がかかり、結局提案が却下されてしまうこともあったでしょう。たとえばDXを進める際に一番の障壁になったのが、IT音痴の上司の理解を得ることだったという人も多いのではないでしょうか。

上司の腰が重くなりがちな背景には、「上司は部下の失敗についても責任を負わなければならない」ことが一因としてあります。上司が責任を負うということは、自身の評価や進退にも影響します。そのため、上司は自分が詳しくない分野のアイデア、革新的なアイデアについては慎重になる傾向にあります。結果、社員が自分の能力やアイデアをフルに活かすには入念な根回しなどの社内政治が必要になり、上司のご機嫌伺いといった非本質的なことに時間と労力を浪費することになってしまうのです。

しかし、ホラクラシー経営において社員は、自分の仕事の進め方について大きな裁量権を持ちます。ミーティングなどで話を通す必要があったとしても、他のメンバーは組織や自分自身の仕事に明確な悪影響が見込まれない限り、提案者の判断に反対できません。なぜなら、その仕事についての最終的な責任と権限は提案者本人が持つものだからです。それゆえ各社員は自分の役割のみに集中し、自分が最適と思ったやり方で仕事を進められます。これによって個人の主体性が強化され、社員はポテンシャルをフルに発揮でき、迅速な意思決定や生産性の向上が実現できるのです。

ホラクラシー経営のデメリット

他方、ホラクラシー経営の主なデメリットとしては、「社員のコントロールやリスク管理の難しさ」、「慣れるまで時間とコストがかかること」などが挙げられます。

ホラクラシー経営においては管理者がいないので、様々な点で従業員のコントロールや管理が難しいといえます。たとえばオープン化された情報を適切に管理できるかどうかは社員個々のリテラシーに委ねられるところが多く、仕事の進捗状況や社員の行動把握も難しいのがデメリットです。

また、とりわけヒエラルキー型の組織形態が根付いた企業においてホラクラシー経営を取り入れる際には、定着するまでに時間がかかります。上司からの指示待ちに慣れてしまった社員に、いきなり大きな責任と権限を渡しても困惑するばかりでしょう。それゆえ、ホラクラシー経営を導入するためには時間をかけて、徐々に導入しなければなりません。また、情報のオープン化を可能にするためのシステム構築など、一定のコストも必要です。

まとめ

ホラクラシー経営とは、上司-部下などの上下関係を作らない、新しい企業の組織形態です。ホラクラシー経営において社員は自分の役割に対して強い責任と権限を持ち、自由に仕事を進められます。その結果、迅速な意思決定が可能になり、生産性の向上などが見込めます。

ホラクラシー経営においては一部の管理者が情報を握って部下に指示出しをするということがありません。それゆえ、チームの連携をスムーズに行うためには、いかにチームの情報共有をオープンにするかがカギになります。

プロジェクト管理ツールのAsanaは、チームの業務進捗を整理・共有し、チーム全体の連携を促進します。Asanaを導入することで、企業はホラクラシー経営を取り入れやすくなるでしょう。また、従来のヒエラルキー型組織を継続する場合でも、管理者のマネジメント業務の負担軽減が期待できます。

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