PMOとは?担う業務・役割や導入の必要性などについて解説

 2020.12.10  ワークマネジメント オンライン

プロジェクトを成功へ導くためには、組織を管理する仕組みが必要であり、その役割を担うのが「PMO」です。PMOとは、プロジェクト管理者をサポートするために組織されたチームを指します。今回は、PMOが担う業務や役割、導入の必要性などについて解説します。

PMOとは?担う業務・役割や導入の必要性などについて解説

PMOの意味

「PMO」とは「Project Management Office(プロジェクト・マネジメント・オフィス)」の頭文字を取った言葉です。言葉のとおり、組織内におけるプロジェクトマネジメントを行う部門や構造システムを指します。

一般的に、全体の指揮をとるのは「PM(プロジェクト・マネージャー)」と呼ばれる管理者です。しかし、大規模のプロジェクトになると、PM1人による管理は困難となります。そこで、PMの負担を減らすべく業務をサポートするためのチームが、PMOです。

PMとの関係

PMとPMOは語感が似ていることもあり、混同されがちな概念です。しかし2つには明確な違いがあります。

PMは、プロジェクトを統括する管理者を指す言葉です。一方PMOは、プロジェクトの責任者であるPMをバックアップするために編成された、チームや部署を指します。

PMはプロジェクトの統括責任者として、多くの業務を遂行しなければなりません。例えば、企画から納品までのスケジュール管理・予算の算出・プロジェクト全体の進捗管理・人材管理・リスク管理などです。このように多岐にわたるPM業務をサポートし、ともにプロジェクトを成功へと導くことがPMOに求められる仕事です。

PMOが担う業務・役割

PMがプロジェクト全体を統括するトップなら、PMOは一つひとつのプロジェクトを個別管理する部門です。PMが業務を完遂できるようにバックアップすることが業務であり、PMOの果たすべき役割です。

しかし、サポートとはいっても、実はPMとPMOの業務内容にそれほど大きな違いはありません。例えば、プロジェクトの進捗管理や品質管理、情報の分析や共有、人材の発掘や配置など、PMが遂行する業務をPMOもともに行います。つまり、PMOは縁の下の力持ちとなって、PMを組織的にサポートする関係性だと言えるでしょう。

事務的支援

プロジェクトを進めるために必要な文書の作成や、定例会議の管理といった事務的支援も、PMOが行う業務の1つです。スケジュールや進捗状況を書面に起こしたり、資料や報告書を作成して、プロジェクトに関する情報をチームで共有したりします。

メンバー間で情報を共有することで方向性が定まり、円滑なコミュニケーションのもとに業務を進められるでしょう。また、勤務時間の終わりに各チームを巡回し、業務の進捗状況を吸い上げて記録することも、重要な仕事となります。

プロジェクト全体を運営・管理していくための会議を取り仕切ることも、PMOの重要な仕事です。例えば進捗状況の確認や、商品やサービスの開発状況など、プロジェクトを滞りなく進めていくには、こうした会議を行う必要があります。PMOは会議に必要となる書類や資料の配布、議題の提起、会議議事録の作成といった事務的業務を担っています。

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ルール・基準策定

プロジェクトは、1人ではなくチームで進めるものです。そのため、チーム全体が目標を共有して、同じ方向を目指す必要があります。目標とは、航海で言うところの羅針盤です。目標が曖昧なチームは羅針盤のない船に等しく、遭難は必至です。そこで必要となるのが、ルールや基準の策定です。

プロジェクトには複数のメンバーが関わるため、スキルも思想もモチベーションも、何もかもが異なります。しかし、チームが目指す明確なゴールは同じでなければなりません。それぞれがバラバラの方向を見ていたのでは、業務効率が著しく低下し、プロジェクトを成功へと導くのは困難となるでしょう。そうした事態を防ぐためにも、PMOがルールの策定や評価基準を標準化する必要があるのです。

各種分析

プロジェクトに関するあらゆるデータを収集・分析することも、PMOの大切な役割です。集められたさまざまなデータを分析してメンバーと共有します。こうした業務を遂行するには、情報収集スキルだけでなく、プロジェクトごとにデータ分析ツールを使いこなす知識や経験が必須です。PMOは、管理者としてチームをまとめるスキルだけでなく、エンジニアとしての資質も求められる仕事なのです。

データは、ただ集めるだけでは意味を持ちません。集めたデータを分析し、ビジネスに活用してこそ価値を生みます。また、蓄積されたデータからリスクを想定し、事前に対策を練るリスクマネジメント能力も求められます。情報を最大限に活用するためには、深い洞察力と鋭い観察力が必要になるでしょう。

品質・進捗管理

「QCD」はプロジェクトにおける最重要課題です。QCDとは「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の頭文字を並べたもので、どれも欠かすことのできない重要な要素です。

PMOは、プロジェクトが計画通りに進んでいるかを管理し、品質・コスト・納期をチェックしなければなりません。遅れや問題が発生していれば、問題点を洗い出し、改善策を立案して実行に移します。そうしてPDCAサイクルを繰り返し、業務プロセスをブラッシュアップしていくことが、PMOの役割です。

品質・進捗管理は、プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。しかしそれにとらわれるあまり、そのほかの業務が疎かになっては本末転倒です。どのタイミングで全体の進捗状況を確認するのか、ルールや基準を設定して定期的に管理すべきでしょう。プロジェクト全体の進捗状況を管理する人材には、客観的な視点から物事の全体像を捉える、俯瞰的な思考能力が求められます。

PMOのリソース管理

PMOの仕事は、PMのサポートをすることです。しかし、実際にはプロジェクトチームのリソース管理といった、責任を伴う仕事もPMOの業務範囲です。

例えば、プロジェクト達成に必要なスキルと経験を持った人材を発掘し、適材適所に配置するといった人材マネジメントもPMOの役割です。人材の勤怠管理や稼働管理はもちろん、モチベーション管理やメンタルケアに至るまで気を配り、プロジェクト達成を目指します。

また、予算管理もPMOが受け持つ仕事です。プロジェクトの完遂は最も重要視すべき課題ですが、コストがかかりすぎては成功とは呼べません。予算の範囲内で必要なスキルを持つスタッフを発掘し、機能するチームを作りあげることも業務の1つです。PMOは、人材の発掘・配置から予算管理など、経営視点でのマネジメント能力が必要となる仕事だと言えるでしょう。

PMOを導入する必要性

ここまで見てきたように、PMOは現実にはPMと同等の業務をこなす必要があり、高いスキルと経験を持つ人材が必要となります。

しかし、プロジェクトの規模によってはPM1人だと負担が大きく、チームが機能しなくなる可能性があります。たとえPMがどれだけ優秀な人材だとしても、1人でできることには限界があるのです。ここからは、PMOを導入する必要性について具体的に見ていきましょう。

負荷の軽減

PMOを導入する最大の理由は、プロジェクト全体を統括するPMの負担軽減です。小規模のプロジェクトならPM1人でもマネジメント可能かもしれませんが、規模が大きくなればそれも困難になるでしょう。

そこで、専門知識とスキルを持ったPMOを組織することが有効です。PMはプロジェクト完遂のために自身のリソースを最大限活用できます。

また、PMOの存在がPMとチームメンバーとの仲介役として機能し、チーム全体の意思疎通がスムーズに運びやすくなります。PMOが縁の下の力持ちとなって、PMをバックアップすることで、プロジェクト全体がスムーズにゴールへと進んでいけるのです。

管理力の強化

PMOの導入によって、PMの負担が軽減されると、業務キャパシティが増加します。そして、PMは、自分にしかできない重要な管理業務にフルコミットします。PMとPMOが、それぞれ持てる能力を最大限発揮できるようになり、課題・問題の早期発見や、プロジェクト全体の業務効率化へとつながるでしょう。こうした観点から、PMOはチーム全体の管理力を高めるために必要不可欠な存在なのです。

PMOの導入で注意すべきこと

PMOはプロジェクト管理力の強化に貢献する重要な部署ですが、実際の運用に際しては、PMとの間でさまざまな課題が生じます。その1つが、PMとPMOという2つの管理部門の存在により、摩擦が起きてしまう可能性です。

通常、1人の管理者が全責任を負う代わりに、大きな権限を与えられます。そしてトップダウン方式で管理者の意向に従うのが、従来の在り方です。

しかし、PMOはPMとともにプロジェクトを管理する立場であるため、それぞれの考え方の違いから、衝突してしまう危険性も高いのです。こうした事態を避けるためにも、日頃からきちんとコミュニケーションを取り合い、信頼関係を構築していく必要があるでしょう。

もう1つの課題は、PMOに依存しすぎるとPMの立場が軽んじられて、統制がとれなくなることです。PMOは業務の性質上、スキルや経験値の高い有能な人材が選ばれます。そして、PMOがプロジェクト管理全般を担うようになると、PMの存在に疑問符が浮かび上がり、チームが瓦解する危険性も生じます。つまり、PMOが優秀すぎることで、PMの立場がなくなってしまうのです。PMOは、あくまでもPMを補佐する縁の下の力持ちであることを忘れないようにしなくてはなりません。

まとめ

IT技術の進歩に伴い、業務効率化が進む一方で、ニーズは多様化の一途を辿っています。そんな中、プロジェクトを成功させ、クライアントが求める価値を提供するためには、組織全体が意思疎通を図り、生産性を最大化する必要があります。そのためには優れたプロジェクトチームが求められ、その役割を担うのがPMOです。

企業が発展していくためには、社会的価値を提供して世の中に貢献し続けなければなりません。一つひとつのプロジェクトを成功へと導き、企業価値を高めていくうえで、PMOは必要不可欠だと言えるでしょう。

今回は、プロジェクト管理業務を行うPMOについて解説しました。プロジェクトを効率的に進めるには、「Asana(アサナ)」のようなITツールも、導入をおすすめします。Asanaはプロジェクト管理に特化したシステムです。業務効率化のためにも、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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