PMOとは?PMとの役割の違いやPMO導入のメリットを解説!

 2021.06.02  2022.09.05

プロジェクトをより円滑に進めるために大きな役割を果たすPMO。聞いたことはあっても、それが何を意味するのか明確には把握できていないという人も多いのではないでしょうか。本コラムでは、PMOとは何か、PMOとPMの違いやその役割を交えながら、PMOを導入するメリットを解説します。

PMOとは?PMとの役割の違いやPMO導入のメリットを解説!

PMOとは

PMOとは「Project Management Office」の略称で、読み方は「プロジェクト・マネジメント・オフィス」です。

PMOはプロジェクトのPMをサポートして、横断的にプロジェクトを統制する仕組みであり、ポジションのことを指します。プロジェクトが円滑に進むように、プロジェクト管理における事務作業や、組織の役員やプロジェクトメンバーとPMの間での情報整理、PMへのアドバイスやPMとメンバーを指揮するなど、役割に幅があることも特徴です。

PMOとPMの違い

PMOとPMの最大の違いは、その活動目的です。

PMがプロジェクト全体を進行し、PMOがPMの業務やプロジェクトに必要な業務をサポートする役割を組織として担います。実質的にプロジェクトを進行するのはPMですが、例えば、規模の大きなプロジェクトで、マネジメントのやり方を標準化したりバックオフィスの役割を果たしたり、PMの経験が浅い場合には、PMとメンバーを統制するポジションにもなります。

  • PM:企業におけるプロジェクト進行において、プロジェクト全体を管理し完了させる
  • PMO:PMがプロジェクトマネジメントをする上で必要な業務をサポートする組織

PMOの役割

プロジェクトマネジメントに関してさまざまな役割を果たすPMOですが、ここではPMOを3つの種類で見ていきましょう。

PMOアドミニストレーター

PMOアドミニストレーターは、プロジェクトマネジメントにおいて事務的な業務を行うポジションです。

例えば、プロジェクトに必要なデータの収集や、情報共有、書類作成やプロジェクトメンバーの稼働管理などを行います。また、コスト管理、経費管理、会議の会場手配やメンバーのアサイン、スケジュール調整などを行い、PMのサポートを担う役割です。

PMOエキスパート

PMOエキスパートは、プロジェクトの品質を担保するためのプロセスやルールの標準化を行います。

プロジェクトのプロセスの文書化や教育・定着化のフォローや、プロセスの標準化や意思決定に必要な情報の分析、情報収集の方法を確立するなど、プロジェクトマネジメントに関する豊富な知識と経験が必要なポジションでもあります。また、PMに対してだけではなく、プロジェクトメンバーのサポートも重要な業務です。

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PMOマネージャー

PMOはプロジェクトマネジメントをサポートする一つの「組織」ですので、その組織を統制するポジションがあります。それがPMOマネージャーです。

PMOマネージャーは、PMOのマネジメント業務全般を管理・監視、PMOの組織戦略から勤怠管理、教育までの全般を担い、PMOメンバーの安定したパフォーマンスを維持します。

PMOを導入するメリット

プロジェクトにはPMが一人いれば問題ないように思えますが、そこにPMOを導入するメリットには何が考えられるのでしょうか。ここでは、PMOを導入するメリットを見ていきましょう。

意思決定速度が速くなる

PMOを導入することでPMの意思決定の速度が速くなる可能性があるのです。

PMの重要な役割の一つが迅速な意思決定です。プロジェクトはPMの意思決定によってその結果が大きく左右されます。しかし、PMの仕事は意思決定をするための情報収集をはじめ、プロジェクトに関わる多くの業務を担いますので、プロジェクトの規模に比例して作業量も増えます。作業量が増えると意思決定に使える時間は減少しますし、集中力は分散してしまいます。

PMOを導入すれば、プロジェクト全般の作業負荷を分散することができますので、PMの意思決定に関するパフォーマンスも上がるでしょう。

問題の早期発見と早期対応ができる

プロジェクト全体を一人のPMが管理するよりも、PMOを導入したほうが問題の早期発見と対処がしやすいでしょう。

PMOは、プロジェクト全体の進行具合やリソース調整だけではなく、コストを含めた利害も管理します。PM一人では気付けなかったり発見が遅れてしまったりするような問題でも、管理の「目」が増えることで障害となる事象に気付きやすくなります。

正確な利益追求が可能になる

PMOによるリソースやコスト管理が徹底されるため、正確な利益追求が可能になります。

PMのポジションを担う人材みんながコスト面のマネジメントに優れているわけではありません。そのようなPMが指揮するプロジェクトにPMOが加わることで、コスト管理も徹底できます。これにより、プロジェクト成功に必要な要素である「成果物の完成」と「利益」を達成できるのです。

プロジェクトを円滑に進められる

PMOを導入するメリットの総括ともいえますが、プロジェクトを円滑に進められるようになります。

例えば、PM経験の浅い人材や規模の大きなプロジェクトなど、PM一人ではプロジェクトを細部まで管理することが難しい場合です。PMの陣頭指揮をサポートできるPMOを導入することで視野が広がりますし、PMの業務負荷を分散できますので、プロジェクト全体の進行がスムーズになるはずです。

PMOを導入するポイント

それでは最後に、PMOはどのような場面で導入すればよいのか、そのポイントを見ていきましょう。

プロジェクトが大規模

PMOを導入するポイントとしては、プロジェクトの規模です。

大規模なプロジェクトの場合には、PMの業務負荷が大きくなります。その理由には以下が挙げられます。

  • プロジェクトに関わるメンバーが多くなる
  • プロジェクトのプロセス管理が複雑になる
  • スケジュール管理が複雑になる
  • コスト管理の負担も大きくなる(プロジェクトが大規模だと予算規模も大きいため)
  • 品質の管理が難しくなる
  • リスク管理が難しくなる など

これらは、プロジェクトの規模に比例するものですので、スキルや経験が豊富なPMでも、その作業量や重圧は相当なものです。このとき、PMOの存在はプロジェクトの成功を左右するほどの存在となるでしょう。

PMのスキルや経験が浅い

プロジェクトの規模がそれほど大きくなくても、PMのスキルや経験が浅い場合にはPMOの導入を検討する価値があります。

もちろん、小規模なプロジェクトでPMOという一つの組織を導入するとコストが見合わなかったり、余計なコミュニケーションが増えてしまってプロジェクト管理や進行の負担になったりすることも考えられます。

しかし、今後も大きなプロジェクトを任せられるPMとして育てたい、あるいはプロジェクトで最高品質の成果物を生み出さなければならないなど、状況によってはPMOの導入を検討してもいいポイントだと判断することもできるでしょう。

まとめ

PMOを導入するには、まずPMOがどのような役割を果たすのかを理解して、どのようなプロジェクトで導入すべきなのかを判断しなければなりません。PMOは一つの組織としてPMとプロジェクトを支えます。それはプロジェクトの規模が大きいほど真価を発揮するものです。PMとの役割の違いを把握して適切な導入を検討しましょう。

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