アーンドバリューマネジメントとは?EVMの指標やアーンドバリュー分析の流れを理解してプロジェクト管理を学ぼう!

 2021.06.04  ワークマネジメント オンライン

企業がプロジェクトを完了させる場合、それによって利益を得られなければ企業として存続できません。プロジェクトは、期限を守り、かつコストを抑えて利益を追求しなければならないのです。そこで重要なのが進捗とコストの双方を考慮して管理する「アーンドバリューマネジメント」というプロジェクト管理方法です。ここでは、アーンドバリューマネジメントとは何なのか、その基礎となる指標やアーンドバリュー分析の方法について解説します。

アーンドバリューマネジメントとは?EVMの指標やアーンドバリュー分析の流れを理解してプロジェクト管理を学ぼう!

アーンドバリューマネジメント(EVM)とは

アーンドバリューマネジメントとは、プロジェクト管理手法の1つです。

英語では「Earned Value Management」と表記し、この頭文字をとってEVMと呼ばれています。英単語をそれぞれ分解すると、Earnedは「稼ぐ」、Valueは「値」という意味であり、日本語では「収穫の総量の値」のこと、つまり出来高のことを指す用語です。

そして、アーンドバリューの概念を使ったプロジェクト管理手法がアーンドバリューマネジメント(以下、EVM)です。

EVMはプロジェクトをコストで進捗を管理する方法で、コストとは主に人件費や材料費などのことを指します。プロジェクト管理は時間で進捗を管理することが標準的だと思われがちですが、進んでいるプロジェクトの利益を把握することが重要です。ですので、進捗とコストの両面を意識しながらプロジェクトを進めることが大切なのです。

プロジェクト管理手法を大きく分けると以下となります。

  • コストで進捗を管理する手法
  • 時間で進捗を管理する手法

EVMならばスケジュールの進捗とコストを分析できるため、プロジェクトの進捗状況から現状の利益の把握まで行えます。

なぜEVMが必要なのか

企業として、プロジェクトの成果物が正しいものであっても、赤字ではプロジェクトを進めた意味がありません。なぜなら、企業とは営利団体であり、常に利益を追求しなければならないからです。企業としてのプロジェクト成功とは、質の高い成果物を生み出し、かつ利益を出すことです。

ですので、アーンドバリューを意識したプロジェクト管理が必要であり、プロジェクトリーダー(PL)は、EVMの知識が必須だといえるでしょう。

EVMの基礎となる指標

それでは、EVMを行うために必要な「指標」を確認していきましょう。

BAC(Budget at Completion)

プロジェクト全体が完了するまでの総予算のことを指します。

管理上では、実際にかかったコストが最終的にBAC内に収まっていたら予算内、BACのグラフを超えていたら予算オーバーと判断できます。

EV(Earned Value)

EVは、上述したように出来高のことを指します。実際に完了した作業の実績です。

管理上では、いつからいつまでの出来高がいくらかを算出し、どのくらいのコスト分の作業ができたかを確認する指標です。

PVやACなどの指標と比較することで、比較時点での進捗を判断する基準になります。

PV(Planned Value)

計画時点の見積もり予算です。当初の予定では、その時点までに完了する作業にどのくらいのコストがかかる予定だったのかを確認できます。

例えば、PVがEV以下であれば、順調にプロジェクトが進行していると判断します。逆に、PVがEVよりも大きければ進捗が遅延しているということです。

AC(Actual Cost)

実際にかかったコストを表す指標です。スケジュールの進捗を確認した時点までに、実際にどのくらいのコストがかかったのかを確認できます。

ACがEV以下であれば、見積もりの範囲内でスケジュールが進行していると判断できます。逆にACがEVよりも大きい場合は、見積もり時点よりもコストがかかっているということです。

SV(Schedule Variance)

見積もり時の予定コストと実際にかかったコストで見るスケジュールの差異です。SVは以下の計算で算出できます。

  • EV―PV=SV

この計算で、SVがプラスなら当初の計画より進捗が早いということです。逆に、マイナスならばスケジュールが遅れていると判断できます。

CV(Cost Variance)

予定コストと実際にかかったコストで見るコストの差異のことです。CVは以下の計算で算出できます。

  • EV―AC=CV

CVがプラスならば予算範囲内でスケジュールが進んでいるということです。逆に、CVがマイナスならば、

現時点で予算オーバーであることがわかります。

アーンドバリュー分析の方法

それでは、上述した指標を使ったアーンドバリュー分析の簡単な流れを見ていきましょう。

ここでは、5日間で20個の商品を作るというプロジェクトを例に、「AC」「EV」「PV」を使ったEVMを見ていきます。また、「CV」と「SV」にて、その時点の状態を確認します。

  • プロジェクト概要:5日間で20個の商品を作成する
  • BAC(プロジェクトの全体予算):250万円
  • 材料費:25万円/1個
  • 人件費:25万円/1日
  • 期間:5日間

1日あたりにかかるコストは材料費と人件費を合わせて50万円。1日1個の商品を作れば、5日間という期限に間に合います。5日間という期限と250万円という予算をクリアでき、プロジェクトは期限通りかつ予算内に完了します。これがプロジェクト全体の計画です。

では、ここから1日ずつの進捗を見ながら進めていきましょう。

1日目:商品が1個完成

1日目は商品が1個完成しました。この時点で、それぞれの分析は以下のようになります。

  • AC = 50万円
  • EV = 50万円
  • PV = 50万円

2日目:商品が1個完成

2日目も商品が1個完成しました。ですので、2日間で2個の商品が完成したことになります。この時点で、それぞれの分析は以下の通りです。

  • AC = 100万円
  • EV = 100万円
  • PV = 100万円

3日目:商品が0個完成(商品を作っていない)

3日目はトラブルによって商品を作れませんでした。つまり、3日目は人件費の25万円だけがかかった状態です。この時点で、それぞれの分析は以下のようになります。

  • AC = 125万円
  • EV = 100万円
  • PV = 150万円

この時、AC(実際にかかったコスト)に対して、EV(実績)が少なくなっていることがわかります。これは、商品が完成していないにもかかわらず人件費だけがかかったため、当初の計画コストを超えているのです。

また、PV(計画時のコスト)よりもEV(実績)が少ないことから、スケジュールが遅れていることがわかります。

  • CV = -25万円:マイナスなので、予算オーバーしている
  • SV = -50万円:マイナスなので、進捗が遅れている

4日目:商品が1個完成

4日目は、これまで通り商品が1個完成しました。この時点で、それぞれの分析は以下のようになります。

  • AC = 175万円
  • EV = 150万円
  • PV = 200万円

AC(実際にかかったコスト)に対して、EV(実績)が少ないままですので、いまだ予算オーバーでスケジュールが進んでいることがわかります。

また、PV(計画時のコスト)よりもEV(実績)も少ないままですので、依然として進捗が遅れていることが確認できます。

  • CV = -25万円:マイナスなので、予算オーバーしている
  • SV = -50万円:マイナスなので、進捗が遅れている

5日目:商品が2個完成

5日目は、遅れを取り戻すために商品を2個完成させました。この時点で、それぞれの分析は以下のようになります。

  • AC:250万円
  • EV:250万円
  • PV:250万円

この時、AC(実際にかかったコスト)とEV(実績)の差異はありませんので、計画していた予算通りにスケジュールが完了したことがわかります。

また、PV(計画時のコスト)とEV(実績)の差異もなくなりましたので、進捗が遅れることなく計画通りにプロジェクトが完了したと判断できます。

このように、コストを軸にスケジュールの進捗と予算を管理するのがEVMです。

まとめ

アーンドバリューマネジメント(EVM)は、コストとスケジュールの進捗を同時に把握できるプロジェクト管理手法です。EVやAC、PVといった指標を使った管理方法を複雑だと感じるかもしれません。しかし、プロジェクトの成功とは、スケジュール通りに成果物を完成させて利益を上げることです。ですので、コストも視野に入れたマネジメントは不可欠であり、そのためにはEVMを理解して活用する能力が求められるのです。

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