クリティカルパスの書き方は?具体的な使い方や求め方

 2021.04.05  ワークマネジメント オンライン

IT業界や建築業界における一般的なプロジェクト管理手法では、「クリティカルパス」という概念が重視されます。しかし、その特定方法や重視される理由などがいまいちわからない、というIT部門担当者の方は多いことでしょう。そこで本記事では、クリティカルパスの概要や書き方、活用ポイントについて詳しく解説します。

クリティカルパスの書き方は?具体的な使い方や求め方

クリティカルパスとは

システム開発や建築などのプロジェクトには多くの作業工程があり、関わる人員も多くなります。そのため、進捗管理を適切に行っていないと、プロジェクトが予定通りに進まないことも考えられます。1つのタスクが終わらないうちは、次のタスクを始められない場合もあり、タスク同士の関係性を把握しておくことも重要です。

「クリティカルパス」とは、直訳すると「重大な経路」を意味します。プロジェクトを進めるうえで、スケジュール管理に影響が出る作業工程のことを指す用語です。クリティカルパスはプロジェクトの開始から終了まで、すべての工程の所要時間を見積もります。そして、その合計がどの作業工程よりも大きくなります。つまるところ、全体の作業工程に要する時間を示すものです。

ほかの工程をどれだけ効率化し短縮できても、クリティカルパスの作業工程を必ず経なければ、プロジェクトは終了しません。クリティカルパスを明らかにすることは、特にプロジェクト業務の多い業界において有効です。IT・製造・建築などが代表的ですが、そうでなくても業界を問わずプロジェクト管理やスケジュール管理に活かせます。

プロジェクト管理におけるクリティカルパス重要性

プロジェクト管理において、クリティカルパスを明らかにすることは、どのようなメリットがあるのでしょうか?主に以下2つのメリットにより、クリティカルパスはプロジェクト管理で重要な役割を果たします。

作業の優先度を決められる

プロジェクトの工程はどれも重要で、可能な限り遅れを避けたいところです。クリティカルパスを作成すれば、プロジェクトの基幹となる作業工程の洗い出しができ、それに応じて作業の優先度を決められます。

クリティカルパスの作業の遅れは、工程全体の所要時間に影響を及ぼすため、プロジェクト全体のアラートとして機能させることが可能です。逆にいえば、クリティカルパスに問題や遅延が発生した場合、速やかに対応しなければなりません。あらかじめ重要な作業工程がわかっていれば、そこに資材を投じ、優秀な人材を配置できます。このように適材適所を実現する点も見逃せないメリットです。

スケジュール管理を効率化する

クリティカルパスが明らかになると、プロジェクト全体にかかる合計時間や必要なタスク数を把握できるため、どうすれば効率よくプロジェクトを進められるか検討しやすくなります。クリティカルパスで想定していた時間より早く終えられれば、プロジェクト全体の進捗にゆとりが生じ、日程の短縮に役立ちます。クリティカルパスの進み具合を常に把握し、その都度対応することで、スケジュールの遅延を防げるのです。

あらゆるプロジェクトの工程を改善しながら、適切に滞りなく進めるクリティカルパスの管理手法は、プロジェクト管理のお手本であり、教科書であると言えます。

クリティカルパスの書き方

クリティカルパスは、全体の流れやタスク同士の関係性を図式化するとわかりやすくなります。ここでは、現場のプロジェクト管理に用いるクリティカルパスの書き方や、算出する手順について解説します。

クリティカルパスを書く上での事前知識

プロジェクトの現場でクリティカルパスを求める際は、以下の4つのキーワードを押さえることが基本です。

最早開始

タスクを始動できるもっとも早い時期のことです。もっとも早く取りかかれる時期にタスクを始動すれば、作業進行にゆとりが生まれるので、プロジェクトの途中で予期せぬトラブルなどにより遅れが生じても、修正・挽回できます。ちなみに、プロジェクトの最初のタスクであれば、最早開始はゼロとなります。

最早終了

想定されるもっとも早いタスクの終了時期のことです。最早開始に「タスクにかかる時間」を加えれば求められます。

最遅開始

プロジェクトに遅れを生じさせないために、最大限許されるタスクの始動時期のことです。タイムリミットの最遅開始時期に始動しなければ、プロジェクトに遅延が発生します。

最遅終了

プロジェクトの遅れを生じさせないために最大限許される、タスクの終了時期のことです。どんなに作業進行が遅れても、最遅終了の時期には作業を終わらせる必要があります。

プロジェクトのPERT図作成

クリティカルパスを明快に表すために作成するのが「PERT図」です。これは「Program Evaluation and Review Technique」の略語で、丸で表したタスク同士を矢印で結び、作業の所要時間と工数がひと目でわかるように表します。矢印を使うため「アローダイヤグラム」とも呼ばれます。

同じくプロジェクト管理や生産管理に用いられる「ガントチャート」は、チャート上に表記した横棒で作業進捗を表しますが、主な目的は全体のスケジュールを可視化することです。対してPERT図では、全体を把握することに主眼を置かず、工程を進める順序など、タスク一つひとつの依存関係の把握を目的としています。

クリティカルパスの特定

プロジェクトの現場でクリティカルパスを算定し明らかにするには、以下の手順で進めます。

  1. 一番早く最初のタスクを始められる時期を最早開始日とし、それに必要となる作業時間を加えた時期を最早終了日とする
  2. タスク間の依存関係にしたがって、あとに続くタスクの最早開始日と最早終了日を順番にしたがって算定する。
  3. 最後のタスクまで計算したら、次は逆方向にコースをたどり、最遅終了日と最遅開始日を順番に算定する。
  4. 最早開始日を起点に最遅終了日の終点まで、もっとも時間のかかる経路をたどり、クリティカルパスを定める。

クリティカルパスの使い方・活用ポイント

クリティカルパスのメリットを十分に活かすには、その使い方と活用ポイントを押さえることが大切です。ここでは、クリティカルパス上手に利用するためのポイントについて解説します。

クリティカルパス特定にはツール利用

手書きのPERT図によってクリティカルパスを明らかにしようとする場合、かなりの手間がかかります。短期のプロジェクトならそれほど負担になりませんが、長期のプロジェクトともなると、クリティカルパスを特定するだけでも大変です。プロジェクトの途中でタスク変更があった場合にも対応しづらくなります。

その点、ツールを使えば計算する必要がなく、クリティカルパスの特定を自動的に行えます。途中でタスク変更が生じても簡単に編集できるうえ、計算ミスなどのヒューマンエラーも減らせます。クリティカルパス作成ツールと、タスクの進行状況や完了予定日を把握するタスク管理ツールを併用すると、作業工程の効率化に大きく役立つでしょう。

クリティカルパスを基にスケジュール調整

明らかにしたクリティカルパスは、そのままにしておくのではなく、それを短縮するための改善が必要です。プロジェクト完了の最長時間を表すクリティカルパスを基に、プロジェクトのスケジュール進行を調整し、短縮化できれば全体の所要時間を縮められます。

短縮する方法としては、主に「リソースの追加」と「並列タスクの実行」の2つが挙げられます。人や資源を投入し、リソースを追加すれば、プロジェクト全体の所要時間を減らせます。また並列タスクの実行、つまり「あるタスクの終了を待たずに後続のタスクを始動させる」ことでも、時間削減が可能です。

ただし、リソースを追加する場合は人件費などのコスト増が懸念され、並列タスクを実行する場合はプロジェクト管理の難易度が高くなります。どちらも一長一短のある方法ゆえ、慎重に検討する必要があるでしょう。

まとめ

クリティカルパスは最長のタスク経路を特定することで、タスクの優先順位を決め、スケジュール管理を効率化します。プロジェクト管理において、クリティカルパスを明確にし、それに基づいて改善活動を行うことは、プロジェクトを効率的にかつ円滑に進めるうえで欠かせない作業です。

プロジェクト管理を改善するには、業務を効率化するワークマネージメントツール「Asana」の導入がおすすめです。Asanaを使用すれば、適切な仕事管理が可能となり、プロジェクト全体の効率化が実現します。プロジェクト管理に課題を感じている場合は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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