プログラム評価のレビューテクニックPERTとは?

 2022.01.04  2022.09.07

プロジェクトを管理する手法の一つに「PERT(プログラム評価のレビューテクニック)」があります。PERTでは各業務の所要時間や業務の手順、前後関係などを図示した「PERT図」を作成し、最終的な工期の見積もりや業務フローの改善に役立てます。本記事では、PERTのメリットやPERT図の作成方法について解説します。

プログラム評価のレビューテクニックPERTとは?

PERT図とは

PERT(Program Evaluation and Review Technique)とは、プロジェクトの工程を定量的に管理するための手法のことです。読み方は「パート」で、直訳は「工程の見積もりと評価の技法」です。PERT法と称されることもありますが、Techniqueに技法という意味があるため、単にPERTとするのが正確な表現といえます。

PERTでは各工程の流れを矢印で繋いでいき、所要時間を記入した図(PERT図)に起こすことで、工程間の依存関係を明らかにし、プロジェクト全体の工期を見積もることが可能です。PERT図には、結合点を示す円を矢印で繋げていく「アロー型(アローダイアグラム)」と、各工程をボックスに記述し、工程の順序を矢印で繋げていく「フロー型(フローダイアグラム)」の2種類があります。両者は図式が異なるだけで、図の構成要素は変わりません。

PERT図のメリット

PERT図を活用すると、プロジェクト全体での所要時間はもちろん、工程単位での所要時間や工程同士の依存関係、各工程の重要度、期限を可視化できるほか、プロジェクトの開始から完遂までのフローを整理できます。

PERT図は、チームメンバーとの円滑な情報共有にも効果的です。プロジェクトの規模が大きくなればなるほど関わる人員も増えていき、全てのメンバーと情報共有をするのに一苦労するものです。しかしPERT図をチームで共有すれば、各メンバーが自分の役割を簡単に把握できるため、大規模なプロジェクトであってもスムーズに進行できます。

また、経験や勘に頼らないプロジェクト管理を可能にしてくれるのもPERTのメリットです。PERT図を使えば業務の優先順位が明確になり、効率的な作業順序で最短のスケジュールを設計しやすくなります。そのため経験の浅いプロジェクトマネージャーであっても適切な判断と段取りが可能になり、プロジェクトを完了できないリスクを回避できるでしょう。

PERT図の利用場面

PERT図は、複雑な手順を要するプロジェクトや、社内だけでなく外部の関係者も多い大規模プロジェクトの管理で活躍します。特に作業量が多い製造業や建設業界のほか、各領域の研究開発やソフトウェア開発、物流業、小売業、プロモーションなどでもスケジューリングに活用されています。時間効率が重要なプロジェクトであれば、業界や職種、プロジェクト規模を問わず効果を発揮するため、利用できる機会が多いのが特徴です。

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PERT図で押さえておきたい用語

PERT図を活用する際に、いくつか押さえておきたい用語があります。PERT図を使いこなすには、それぞれの意味をきちんと理解しておく必要があります。ここでは特に重要な8つの用語を解説します。

ネットワーク(PERT図)

「ネットワーク」とは図の各要素を矢印で結び、工程の開始から終了までの流れや前後関係、各工程の合流地点などを可視化した図を指します。通常PERT図というと、このネットワークを指している場合がほとんどです。

イベント

「イベント」とはネットワークの中で円や四角で囲まれた部分のことです。円や四角の中には工程の管理番号や「設計開始」「テスト終了」といったプロジェクトの状態を記載します。現状を瞬時に把握できるため、プロジェクトの遅れをリカバリする際の判断基準としても活用されます。

アクティビティ

イベントとイベントを繋ぐ矢印を「アクティビティ」といいます。矢印には作業名や所要時間(工数)を記載します。イベントの関係性や順序を表現できるため、情報共有の際も役立ちます。

ダミー

イベントやアクティビティの相互関係を表す矢印を「ダミー」と呼びます。特定のイベントが完了しないと矢印の先のイベントに進めないことを表現するために利用されます。

最早結合点時刻

「最早結合点時刻」はネットワークの中で最も早く作業を開始できる時点を指します。イベントには前後関係があるため、イベントによって取り組めるタイミングは異なります。最早結合点時刻は、直前のイベントの最早結合点時刻と所要時間を足し合わせることで算出できます。

例えばイベントAの最早結合点時刻が1月1日として、所要時間が7日間だった場合、イベントBの最早結合点時刻は1月8日です。

最遅結合点時刻

「最遅結合点時刻」とは、ネットワークの中で最も遅い作業開始時点のことです。最終的な納期に影響を与えない範囲で作業開始を遅らせることのできる時点であり、反対にいえば、この時刻より作業開始が遅れると納期に間に合わないため、絶対に遅れてはいけないポイントともいえます。最遅結合点時刻を把握することでデッドラインが明確になるため、遅延をコントロールする際に必要な要素です。1つ先の最遅結合点時刻から所要時間を差し引くことで算出できます。

余裕日数

「余裕日数」とは、各イベントにおける作業開始までの時間的余裕を指します。つまり「特定の作業の期日までにあと何日残っているか」を示す指標です。余裕日数は、最遅結合点時刻から最早結合点時刻を差し引くことで算出できます。

クリティカルパス

クリティカルパス」とは、プロジェクト全体の中で所要時間が最も大きい経路を指します。そのためクリティカルパスを短縮することは、プロジェクト全体の納期短縮にも繋がります。一方で、クリティカルパスに含まれるイベントが遅れるとプロジェクト全体が遅れてしまうため、事前にクリティカルパスを特定しておき、遅れが生じそうであればリソースの配分をコントロールするなど早めの対策が必要です。

ほとんどの場合、余裕日数が「0」のイベントを結んでいった経路がクリティカルパスです。なお、プロジェクトにおけるクリティカルパスを把握する手法を「CPM(Critical Path Method)」といいますが、この手法の中でもPERT図が用いられています。

PERT図の作り方

PERT図を作る際は、プロジェクトの工程全体を把握し、ネットワークを作成する必要があります。ここでは、PERT図の具体的な作成工程を解説します。

業務を書き出す

最初にプロジェクトのスタートからゴールまでに発生するイベントを全て書き出します。この時、各イベントに必要な所要時間や前後関係も明らかにしておくと後の作業が進めやすくなります。

図式に落とし込む

書き出したイベントを整理したら手順に沿って矢印で結んでいき、図式化します。矢印には所要時間も合わせて記載しましょう。手順を表す矢印をすべて書き終えたら、ダミーの矢印がないかも確認してください。ここまでくると、イベントの手順や並列して進めなければならないイベント、イベント間の依存関係が視覚的に分かるようになります。

時間要素を記入する

次に最遅結合点時刻、最早結合点時刻、余裕日数などの各時間要素を計算して記入します。この際、各イベントの所要時間については過去のケースから判断して見積もることになりますが、ここでの見積もりが甘いと精度の低いPERT図が完成してしまうため、慎重に行う必要があります。

クリティカルパスを確認する

PERT図が完成したら最後にクリティカルパスを特定します。クリティカルパスに含まれるイベントは余裕日数がなく、それ以上の遅延ができません。反対にクリティカルパスを短縮できればプロジェクト全体の工期短縮にも繋がるため、リソース配分の調節などで短縮できないかシミュレーションしてみましょう。

まとめ

PERT図を活用すれば、プロジェクトの全体像や各工程の依存関係などが明確になり、確実性の高いプロジェクト管理が行えます。しかし、PERT図を手書きで作成するのは手間と時間がかかるため、PERT図の作成が可能なITツールの導入がおすすめです。「Asana」はクリティカルパスを特定する機能のほか、タスク管理やルーティーンの自動化を実現する管理ツールです。チーム全体の生産性を上げ、プロジェクトの成功へと導きます。大規模なプロジェクトを管理する際には、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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