業務効率化とは?メリット・デメリット・方法・注意点などを紹介

 2023.12.04  2024.02.01

慢性的な労働力不足と時間外労働の規制が進むなかで企業が持続的な成長・発展を遂げるには、生産性の向上が不可欠です。そのためには収益性の最大化とコストの最小化を図る仕組みが欠かせません。そこで重要な役割を担うのが業務効率化です。本記事では業務効率化を図る重要性やメリット、方法などについて詳しく解説します。

業務効率化とは?

業務効率化とは、業務の作業工程やリソース配分量などを見直すとともに、非効率的な業務プロセスの改善を図ることです。具体的な方法としては、無駄な工程の省略やナレッジの共有による作業の能率化、デジタル化による業務負荷の軽減などが挙げられます。業務の遂行に必要な時間やリソース消費量を削減しつつ従来と同等以上の成果を創出し、生産性の向上やコストの削減につなげることが業務効率化の目的です。

 企業にとって業務効率化が重要な理由

近年、さまざまな産業で業務効率化の重要性が叫ばれている背景にあるのは、総人口の減少と高齢化率の上昇に伴う慢性的な労働力不足です。総務省の情報通信白書によると、国内の総人口は2010年付近を頂点として減少に転じており、生産年齢人口の減少による影響から人材不足に陥っている企業が少なくありません。

また、2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行され、時間外労働の上限規制が罰則付きで規定されました。労働力不足と時間外労働の規制が進むなかで、従来と同等以上の生産性を確保するためには、より少ないリソースで最大限の成果を生み出す仕組みが必要です。このような社会的背景から、多くの企業で業務効率化が重要な経営課題となっています。

参照元:令和4年版情報通信白書(p.27)|総務省

業務効率化と業務改善の違い

業務効率化と業務改善は、どちらも生産性の向上を目的とする施策ですが、それぞれの定義は異なります。業務効率化は作業工程や人員配置などの非効率性を排除する部分最適の施策です。業務改善は業務上の課題を解消し、全体最適を図る一連の取り組みを指します。業務上の課題には「人材不足」「業務負荷の増大」「業務の属人化」「部門間連携の遅滞」などが挙げられます。そして改善すべき業務上の課題には「非効率的な業務プロセス」も含まれます。つまり業務効率化は業務改善に内包される施策のひとつです。

なお、業務改善を目的とする取り組みが、必ずしも業務効率化に直結するとは限りません。たとえば「人材不足による業務負荷の増大」が業務上の課題として、従業員の増員によって業務負荷が軽減されても、業務の効率化そのものにつながるとは言い切れません。業務負荷の軽減と業務の効率化を両立させるためには、増員と同時に作業工程や人員配置などを見直す必要があります。こうした非効率性の見直しによって業務プロセスの合理化や能率化を図り、生産性の向上につなげることが業務効率化の役割です。 

業務効率化によるメリット

業務効率化の推進によって得られる主なメリットは以下の2点です。 

従業員の負担を軽減できる

作業工程の見直しや業務のデジタル化によって業務負荷を軽減できます。先述したように、人材不足による業務負荷の増大が業務上の課題と仮定した場合、無計画に従業員を増員しても業務効率化につながるとは限りません。しかし非効率的な業務プロセスを改善できれば、労働投入量を最小限に抑えながら従来と同等以上の付加価値を創出できるため、従業員の業務負荷を大幅に軽減できます。そして従業員一人ひとりの業務負荷を軽減できれば、長時間労働の是正やワークライフバランスの充実に寄与し、従業員満足度の向上による離職率の低下が期待できるのも大きなメリットです。

 コストの削減・生産性向上につながる

コストの削減と生産性の向上も業務効率化によるメリットです。たとえばワークフローシステムの導入によって社内稟議をデジタル化できれば、「起案」→「申請」→「承認」→「決裁」のプロセスを省人化・自動化できます。そして承認から決裁に至る工程を短縮するとともにミスやエラーを防止し、社内稟議というノンコア業務に投じている余分なコストを削減可能です。また、社内稟議を効率化できれば、申請者は空いたリソースを業績向上に直結する業務に充てられ、管理者は重要度の高い意思決定や経営判断に集中できます。結果として、組織全体における生産性と収益性の向上につながります。 

業務効率化によるデメリット

業務効率化を推進する場合はメリットだけでなく、いくつかのデメリットも存在します。とくに懸念すべきポイントが以下の2点です。 

初期費用がかかる場合がある

業務効率化を推進するためには、設備機器の導入やITシステムの実装などに相応の投資が求められます。とくに大規模な設備投資は巨額の支出を伴うため、一時的なキャッシュフローの悪化を招くケースが少なくありません。設備投資は短期的な支出と引き換えに、中長期的な視点における事業拡大やコストダウンを目的として実行します。しかし確実なリターンを得られる保証はなく、将来にわたって損失を計上する可能性も否定できません。業務効率化を推進すると最終的にはコストダウンにつながりますが、変革の規模に応じた投資リスクが生じるため、戦略の策定や設備投資に関して慎重に検討する必要があります。 

事前準備が必要になる

業務効率化を推進する場合、既存の生産体制や作業工程を変更せざるを得ないケースが多く、その変革規模に応じた事前準備が必要です。先述したワークフローシステムの導入を例にとると、社内稟議のデジタル化に向けた説明会の開催や人材育成の体系化、操作マニュアルの整備、データガバナンスの策定、アクセス権限設定の最適化、フィードバックの仕組み化などが求められます。デジタル化が加速する現代市場で業務効率化を図るためには、ITシステムの戦略的活用が不可欠です。しかし業務プロセスのデジタル化を進める際はITシステムを導入・実装するだけではなく、事前準備に相応のリソースを割く必要がある点に留意しなくてはなりません。 

業務効率化を進める手順

業務効率化を図る際は以下の手順に基づいて進めるのが一般的です。 

1.業務の課題を可視化する

業務の能率化や合理化を図るためには現状の課題と問題を特定し、そのボトルネックを解消する必要があります。そのためには既存の業務プロセスを洗い出して可視化し、無駄な作業工程や業務負荷の高い領域を把握しなくてはなりません。マインドマップやロジックツリーの要領で業務プロセスを書き出して可視化し、各工程に要している工数や業務負荷を言語化・数値化しましょう。ボトルネックとなっている領域を特定・解消する一助となります。 

2.効率化する業務を決めて方法を選ぶ

既存業務を可視化できたなら、次は効率化に取り組む領域と方法を具体化します。既存業務のボトルネックをすべて解消するのは困難です。優先順位が不明瞭なままプロジェクトを進行した場合、リソースの分散によって目標が未達で終わる可能性があります。そのため、課題を「緊急かつ重要」「緊急ではないが重要」「緊急だが重要ではない」「緊急でも重要でもない」に細分化し、緊急度と優先度が高い領域から取り組むことが重要です。そして課題に応じてITシステムの導入による自動化、人材の増員や配置転換、マニュアルの整備やテンプレート化などの具体的な方法を選定します。 

3.スケジュールを決め事前準備を行う

プロジェクトのスケジュールを設計し、逆算思考に基づいて事前準備を進めます。とくにITシステムの導入時は、詳細なスケジュールの設計が必要です。たとえば基幹系システムをERPに統合するような大規模プロジェクトでは、数千万〜数億円の投資資金と年単位の開発期間を要するケースも少なくありません。そして特定の業務領域だけでなく、事業活動そのものに多大な影響を及ぼします。そのため、企画・要件定義・設計・実装・運用・保守のスケジュールを明確化するとともに、開発と同時進行で研修やマニュアルの整備を進めます。実装後は即座に運用を開始できる体制を整えることが大切です。 

4.効果の検証を行う

業務効率化への取り組みは一度の実践で終わりではなく、「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「Check(評価)」→「Action(改善)」のPDCAを回す継続的な改善が不可欠です。実践後は成果を定量的に分析し、そこから得た知見に基づいて仮説を立て、効果検証を実施するというプロセスを繰り返すことで施策や戦略の精度が高まります。たとえば集客業務の効率化を目的としてランディングページ(LP)の運用を開始したなら、アクセス解析ソリューションを活用してページビュー(PV)やユニークユーザー(UU)、直帰率、コンバージョン率(CVR)などの成果を検証しなくてはなりません。この効果検証におけるPDCAを繰り返すことでユーザー動向に関する知見が蓄積され、潜在需要の発掘や購買に至る導線設計の最適化につながります。 

業務効率化のアイデア

業務プロセスの合理化や能率化を推進する具体的な施策として挙げられるのが以下の5点です。 

無駄な作業を廃止する

業務効率化を図る目的のひとつは生産性の向上であり、そのためには非効率的な業務の削減・廃止が必要です。生産性とは、経営資源の投入量に対する成果を示す指標を意味し、「生産性=産出量÷投入量」の数式で算出されます。部門間で重複している作業や定例化している会議といった無駄な業務を削減できれば、現状の産出量を維持したまま経営資源の投入量を軽減できるため、生産性の向上につながります。業務効率化を進める際には、多くの場合に設備投資や人材育成などのコストを伴うため、まずは低リスクで実践できる非効率的な業務の削減・廃止に取り組みましょう。 

マニュアルを作成する

組織全体における業務効率を高める上で欠かせないのが、マニュアルの作成による属人化の解消です。競合他社が模倣できない独自の付加価値を創出するためには、特定の分野に特化した人材の専門的な知識と技術が求められます。しかし専門性の高い業務は属人化を招く要因となり、特定の人材が不在となった場合に事業や業務の継続性を確保できません。また、従業員によって作業工程や制作過程が異なる場合、プロダクトの品質が安定しないというデメリットにもつながります。高度な人材が有する暗黙知をマニュアルに落とし込み、形式知へと変換できれば従業員一人ひとりの労働生産性を高める一助となります。 

アウトソーシングする

業務効率化による生産性の向上を実現するためには、ノンコア業務のアウトソーシングも有効です。たとえば資料の作成や請求書の発行、問い合わせ対応、清掃作業などは組織運営に欠かせない大切な業務ですが、直接的な利益の創出にはつながりません。このようなノンコア業務をアウトソーシングすれば、企業価値の向上に直結するコア業務にリソースを集中させられるため、生産性の向上と競争優位性の確立に寄与します。また、アウトソーシング先の知見やノウハウを有効活用することにより、業務の精度や処理スピードの向上が期待できます。 

システムやツールなどを導入する

生産体制や作業工程のデジタル化も業務効率化を推進できる施策のひとつです。ITシステムやツールの導入によって特定の業務をデジタル化できれば、各工程における自動化や省人化が期待できます。たとえば会計システムは、仕訳の入力や財務諸表の作成などをデジタル上のプラットフォームで一元管理し、財務会計と管理会計の効率化を支援するソリューションです。そのほかにもデジタル化の事例として、CRMを活用した顧客関係管理の一元化、SFAによる営業活動の総合支援、MAの導入によるマーケティング活動の効率化などが挙げられます。こうしたソリューションを導入する場合、自社の経営体制やビジネスモデルを分析し、要件に適した製品を選定することが重要です。 

DXを推進する

DXとは、デジタル技術の浸透がもたらす変革を意味する概念です。事業領域におけるDXは、AIやIoT、ロボティクス、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどのデジタル技術を活用し、経営課題の解決と経営体制の変革を促す一連の取り組みを意味します。DXの本質的な目的は、単にITシステムやツールを導入するだけでなく、それらのデジタル技術を駆使してビジネスモデルに変革をもたらし、競合他社にはない顧客体験価値の創出と市場における競争優位性を確立することです。DXを推進するためにはデジタル技術の戦略的活用が必須事項であり、変革に取り組む過程のなかで既存業務の合理化や能率化につながります。

業務効率化を図るにあたっての注意点

業務効率化を推進する場合、多くの組織が陥りがちな懸念事項がいくつかあります。とくに注意すべきポイントが以下の2点です。 

手段を目的化させない

手段の目的化には注意が必要です。手段の目的化とは、ある目的を達成するための手段について、その実行自体が目的になってしまう状態を指します。たとえば紙媒体による社内稟議をワークフローシステムに置き換える場合、起案・申請・承認・決裁の効率化が目的であって、ツールの導入自体は手段でしかありません。ITシステムを活用できる基盤を整えることなく強引に社内稟議のデジタル化を推進しても、運用コストの増大や人的資源の浪費を招く可能性があります。こうしたリスクを回避するためには、ITシステムの導入や不要な業務の削減といった手段の実行で終わらせてはなりません。その先にある目的の達成を目指して、仮説と検証を繰り返しながらPDCAを回すプロセスが必要です。 

現場の意見を取り入れる

現場の声を無視したトップダウンによる意思決定にも注意する必要があります。業務プロセスや生産体制の変革における投資リスクを負うのは経営層ですが、実際に業務に取り組むのは現場の従業員です。そのため、現場の意見に耳を傾けなければ、十分な成果を得られないリスクが懸念されます。たとえば現場の意見を無視して最先端のデジタル技術を導入しても、従業員がソリューションを扱いきれず、投資計画で想定していた費用対効果を下回る可能性があります。業務効率化を図る変革規模が大きいほど投資リスクも増大するため、現場の意見を取り入れた上でプロジェクトを推進することが大切です。 

業務効率化を実現させるツール「Asana」

業務効率化を進めるなら「Asana」の活用がおすすめです。Asanaは組織内のプロジェクトやタスクをひとつのプラットフォームで管理するワークマネジメントツールです。複数のプロジェクトを一元的に管理できるのはもちろん、データや書類などをタスク単位で紐づけて可視化し、タイムライン機能によって各種業務の進捗状況を俯瞰的な視点から把握できます。さらにオートメーション機能を搭載しているため、単純な作業や反復的な業務の自動的な処理が可能です。これらの機能によって情報収集や進捗確認などの作業を効率化し、組織全体における業務効率化と生産性の向上を支援します。先進的なデジタルワークプレイスの構築を目指す企業はAsanaの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

関連ページ:チームの仕事、プロジェクト、タスクをオンライン管理•Asana 

まとめ

業務効率化とは、非効率的な業務プロセスの改善を図る一連の取り組みを指します。業務効率化の推進によって得られる主なメリットは「業務負荷の軽減」「生産性の向上」「コストの削減」です。ただし業務効率化の推進には相応のコストを要するとともに、事前準備が必要となります。業務効率化を進める際は「課題の可視化」→「効率化する業務領域と方法の選定」→「スケジュールの策定と事前準備」→「効果検証」という手順を辿るのが一般的です。具体的なアイデアとしては「無駄な作業の廃止」「マニュアルの作成」「アウトソーシングの活用」「システムやツールによるデジタル化」「DXの推進」が挙げられます。業務効率化を図る場合は手段と目的を明確化し、現場の意見を取り入れることが大切です。

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