ガントチャートとは?利用するメリットやポイントを解説

 2020.04.08  ワークマネジメント オンライン

プロジェクト管理ツールとしてよく利用されるのがガントチャートです。遅延なく作業を進め、チームで情報を共有する目的で利用されます。単なる予定表として使うのではなく、効果的に活用するためには基本的な情報を理解しておく必要があります。今回は、改めてガントチャートを使う目的やメリット、使うときのポイントなどを説明します。

ガントチャートとは?利用するメリットやポイントを解説

ガントチャートとは

Webサイトのリニューアル、新商品プロモーションのプロジェクトなど、開発の現場はもちろん、それ以外の場面でもガントチャートはよく利用されています。言葉を知らなくてもグラフ上のビジュアルを見て「ああ、あの見積もりと一緒に見るスケジュール表ね」と思い当たる方もいるでしょう。

特に長期的なプロジェクトや複数のスタッフが作業に関わるようなプロジェクトでは、正確に工数を見積もり、円滑に作業を進めるためにガントチャートは欠かせないものになっています。

では、ガントチャートとはいったいどんなものなのでしょうか。

ガントチャートの意味

ガントチャートとは、時間を横軸に、作業内容を縦軸に配した棒グラフ状の一覧表のことです。特定の作業における工程ごとに開始日と完了予定日を帯状に記したもので、これを見るだけで作業リストとそのスケジュールがわかり、現状把握ができます。

例えばWebサイトでトップページをリニューアルするプロジェクトがあった場合、作業内容として「ページ構成」「デザイン制作」「コーディング」「テスト」「レビュー」などを縦軸に配置し、それぞれに必要な工数見積を棒グラフ上に配置していきます。棒グラフの右端の日付がプロジェクトの完了予定日になります。

ガントチャートの考案者はアメリカの経営コンサルタント、ヘンリー・ガントです。機械工学者としても活躍していた彼の名前をとってガントチャートと名付けられました。

ガントチャートの誕生は第一次世界大戦時にまでさかのぼります。当時のアメリカでは、戦争に使う武器や銃の弾薬の製造を急務としており、その一環として製造ラインにおける受発注の効率化を進めていました。そのような状況下でガントチャートは作られたのです。ガントチャートはガントの死後発売された『The Gantt Chart(ウォーレス・クラーク著)』によって、世界中に広く知れ渡ることになりました。

現在では、さまざまな業種において生産管理やプロジェクト管理の際には欠かせないツールとなっています。それだけ、管理業務においてガントチャートが信頼されている証拠でしょう。

ガントチャートを使う目的

ガントチャートは組織によっては「スケジュール表」と呼ぶところがあるように、主にスケジュール管理を行う目的で使います。ただし、単純にスケジュール管理をするだけの表ではありません。一覧化することで全体の計画が可視化されるため、今どの工程に入っているかなどがわかりやすくなり、チームメンバー間で情報を共有するときにも便利です。また作業項目同士の関連を把握するときにも有効的に使われます。

Asanaはチームの動きを加速します
Asana Premiumでさらに可能性を広げる

ガントチャートのメリット

ガントチャートを使う一番のメリットは、プロジェクトの計画全体が「見える化」できることです。自分が関わっていない工程であっても、ガントチャートを見れば現在どの段階にあって、どんなスケジュールで進んでいるのかが一目でわかり、プロジェクトが計画通り進んでいるかどうかを把握できます。プロジェクトを企画する際には計画書を立てますが、進捗状況が思わしくない場合には書かれた計画を立て直す必要も出てきます。その判断を下す目安を可視化しているのが、ガントチャートなのです。

また、作業時間の見積もり精度が高くなり、無理なスケジュールを立てていないかなどといった、プロジェクトの欠点なども発見しやすくなるでしょう。

ガントチャートのデメリット

現場においては大変便利なガントチャートですが、作成には時間がかかります。作業内容を分割してタスクを洗い出す必要があるため、プロジェクト責任者にとっては手間も時間も必要です。

ただし、手軽に利用できる作成ツールもあるので、そのようなものを使えば作成時間の負担を軽減できます。一度修正を加えると、他の部分にまで影響が及ぶため、再度全体を見直さなければならない点もデメリットといえるでしょう。

また、ガントチャートは短期的なプロジェクトよりも長期的なプロジェクトで活用するほうが有用です。さらにウォーターフォール型と呼ばれる各工程を終わらせながら進めていく開発手法との相性はよいですが、最近増えているアジャイル型の開発手法には適していません。アジャイル型では、計画の変更があるという前提で作業を行うので、ガントチャートを用いるとかえって手順が煩雑になるでしょう。

ガントチャートを使うときのポイント

ガントチャートの利用にあたっては、まずWBSについて理解する必要があります。

WBSとは、Work Breakdown Structureの略です。日本語では「作業分解構成図」と呼ばれます。WBSはプロジェクト全体をおおまかな項目に分解することから始まります。この項目をさらに細かく分割して、最終的には具体的な作業項目単位まで細分化していきます。開発の現場ではよく使われる方法ですが、このように最終的な作業項目は自然と構造化されたものになり、ツリーの形に表すことが可能です。

このように1つのプロジェクトを大分類から小分類へと分割していくので、必要な工程の抜け漏れが起こりにくいのがWBSの特徴です。プロジェクト管理においては基本となる作業ですが、ここで細分化した作業項目を可視化するときにガントチャートを利用します。WBSとガントチャートを混同する方もいますが、WBSで見出した作業項目を縦軸にして作り出した表がガントチャートになるのです。

ガントチャートはExcelやWordなどで作成することができます。Microsoft OfficeのWebサイトではガントチャート用のテンプレートを複数ダウンロードできるようになっているので、ひな形を利用するとより効率的に作成が可能です。またプロジェクト管理、ガントチャート作成などの機能を持った専用のツールも無料・有料でいくつもあるので検討してみるのもおすすめです。

ここからはガントチャートを使うときのポイントについて解説していきます。以下のポイントを押さえておくと、いざというときに慌てなくてすむでしょう。

作業の洗い出しをしておく

前述したとおり、WBSで導き出した作業項目がガントチャートでの縦軸に該当します。もちろんWBSを意識せずに作業の洗い出しをすることも可能ですが、必要な項目を入れ忘れる可能性も少なくありません。慣れるまではWBSを利用した基本的な手順で作業を細分化したほうが精度も上がります。WBSを省けば作業時間の短縮につながると考える方もいますが、工数管理や見積もりを正しく行うことで結果的には無駄なくプロジェクトを進めることができるでしょう。

修正を見越してチャートを作る

作業項目の入れ替えや見直しなどが発生することを考え、後々の修正操作のしやすさも考慮しながらガントチャートを作りましょう。そのためファイルもサーバで一元管理するなどして、1つのファイルを全員が確認できるようにしておきます。また専用ツールなどを使うと、修正・管理が楽です。このとき管理者を設定しておくと、修正作業もスムーズに行えます。

作業同士の関係性をわかりやすくする

ガントチャートでは、ある作業項目を開始するためには、その前段階の作業項目を完了しておく必要があるケースも見られます。そのため、逐一、チーム内で進捗状況の把握をしておくことが重要になります。

このような作業同士の関連性を正確に掴むためには、クリティカルパスを把握しましょう。クリティカルパスとは、それぞれの作業経路を結んだときに最長となる作業のことです。クリティカルは「致命的な、重大な」、パスは「経路」を意味します。クリティカルパスをガントチャート内に明示することで、プロジェクトの時間短縮を検討したり、タスク間の関係やどの作業を最優先で行うべきかを明確にすることができます。

クリティカルパスを見つけるためには、PERT図(アローダイアグラム)と呼ばれる図を作成します。アローダイアグラムは新QC7つ道具の1つにも挙げられているもので、スケジュールを進めるために必要な作業項目と工数の関連を矢印でつないで表したものです。そこから最も早く作業に取り掛かれる日数(往路時間計算)と、プロジェクトが遅延しないために許容できる、最も遅く作業に取り掛かれる日数(復路時間計算)を算出しますが、その2つの日数の差がないルートがクリティカルパスになります。

またマイルストーンを活用すると作業同士の関係性がわかりやすくなります。マイルストーンとは作業項目の区切りごとに設定され、そのプロジェクトを完成するための目標地点のことを指します。プロジェクトが長期化する場合や、複雑で把握が困難な場合には、段階ごとに成果物の確認などを行って進捗状況を管理します。マイルストーン単位で進捗状況を確認することで、遅延などの問題が起きている際は途中で調整することも可能です。

そのため、致命的な遅れが発生するのを防げるようになります。ただし、あまり細かく設定しても作業の負担になるため、細かな管理目的では使わないようにしましょう。

まとめ

プロジェクト管理には作業の洗い出しとスケジュール管理が不可欠です。その際、全体の作業工程を可視化してチームで共有できるガントチャートは非常に役立ちます。

作業の洗い出しなど基本的なポイントを押さえることで使いやすく修正の少ないチャートになります。便利なツールもいろいろ出ているので試してみるのもよいでしょう。

 リモートワーク時代の新しい働き方Asanaまるわかりガイド

RECENT POST「プロジェクト管理」の最新記事


ガントチャートとは?利用するメリットやポイントを解説
Asanaのフリートライアルで書籍をプレゼント!
定期開催:Asana 基礎講座

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

ブログ無料購読のご案内

RANKING人気記事ランキング