プロジェクト管理におけるWBSとは?基本情報やポイントを解説

 2020.04.06  ワークマネジメント オンライン

システム開発のプロジェクトでは、しばしばWBSを用いてタスクを管理します。けれども、せっかく手間暇かけてWBSを使っても、正しく活用されなければ意味がありません。本記事では、WBSの定義や作成するメリット、作り方のポイントなどをご紹介します。

プロジェクト管理におけるWBSとは?基本情報やポイントを解説

WBSとは

WBSは、プロジェクト管理に使われる手法の1つです。プロジェクトに取りかかる前に作る工程表で、目標を達成するためにやるべきことをリスト化し、いつ・どこで・誰が・何をするのかを決めていきます。ToDoリストにも似ていますが、作業をより細かく分け、グルーピングしていく点が異なります。言わばプロジェクト全体の“指針”となるもので、特にシステムやソフトウェア開発の現場でよく使われています。WBSを作成する際は、作業項目に穴を作らないようチームで相談しながら作りましょう。

Excelを使って作成している方も多いようですが、Excelはあくまで表計算ソフトのためWBSを作成・更新するにはやや使いづらい面もあります。専用のツールやテンプレートなどもリリースされているため、上手に活用して効率的に作っていきましょう。

「WBS」という言葉の意味

WBSはWork Breakdown Structureの略で、日本語では「作業分解構成図」と呼ばれています。言葉通り、作業(Work)を分解(Breakdown)して構造化(Structure)していきます。作業を分解・構造化していくことにより、関連する作業を意識しながら管理できる点が特長です。言葉の意味を知っておくと、WBSの定義がよりわかりやすくなるでしょう。

WBSと「ガントチャート」の関係

WBSと混同されやすいものに「ガントチャート」があります。やはりプロジェクト進捗管理に使われる手法の1つで、縦軸に作業項目、横軸にチャート(棒グラフ)で時間軸を表したものです。グラフを用いることにより、パッと見ただけでプロジェクトの全体像を掴めるという特長があります。

イメージとしては、ガントチャートの元となるのがWBSです。WBSによって必要な作業や期日はわかりますが、文字のみで表されるため視覚的なわかりやすさには欠けます。文字で表されていた作業期間をグラフ化すれば、進捗状況がより一層わかりやすくなります。最近では両者を合わせたものをWBSと呼ぶケースも増えていますが、本来は別々のものだということを理解しておきましょう。

プロジェクト管理でWBSを採用する理由

WBSを用いる一番の目的は「作業項目を漏れなく洗い出すこと」です。ここで見落としがあると、進捗が滞ってスケジュールが遅延する恐れも出てきます。こうしたリスクを回避するために、WBSを整備する必要があるのです。

また、各作業の役割分担を決めることでプロジェクトの進行を促します。「皆でやろう」「手の空いた人がやろう」といった考え方ではなかなか予定通りに進まず、責任の所在もうやむやになってしまいます。1つ1つの項目に担当者を割り当てることで、チームのモチベーションアップにもつながるでしょう。

リモートワーク時代の新しい働き方 Asanaまるわかりガイド
人は職場でどのように時間を使っているのか

プロジェクトを進める上で最も大切なことは「期限内に目的を達成すること」です。WBSを作ることで、作業の相関関係を踏まえながら、無理のないスケジューリングができます。WBSの作成は決して楽ではありませんが、プロジェクトを成功に導くためには欠かせない存在です。

プロジェクト管理でWBSを採用するメリット

WBSを見れば、プロジェクトの全体像が把握できます。必要な作業や工数、役割分担などを割り出して予定を決めていくため、作業の相関関係がひと目で分かるのです。自分が担当する作業がどこに属しているかも把握しやすいため、担当者も丁寧に業務を進められるでしょう。

また、チーム内で共有することによりスケジュールの管理や運用がスムーズになります。口頭で説明すると長くなりがちな作業項目も「WBSの◯番」などと呼べるため、報告や連絡の際の効率もアップします。チームとしての連帯感も生まれ、チームワークの強化にもつながります。

プロジェクト管理でWBSを採用するときの注意点

プロジェクト管理ツールとは?その基本的な機能を解説」もご参考にしてください。

メリットの多いWBSですが、注意すべき点もあります。

まず、曖昧な作業を分解しないことです。予定が先の作業になればなるほど情報が足りなくなるため、どうしても不明瞭になってしまいます。このような項目を無理に分解すると、いざその作業を実施する段階で大きなズレが生じる可能性があります。これでは、せっかく作ったWBSが無駄になってしまいます。曖昧な作業がある場合は、その前段階の計画を進めながら少しずつ詳細化していくことが大切です。

また、プロジェクトが始まる度に毎回新しいWBSを作らないよう心がけることも大切です。一からWBSを作っていては時間だけが無駄になります。プロジェクトの種類に応じて、いくつかのテンプレートを作っておくと便利でしょう。テンプレートがあれば手間も省け、アップデートを重ねることでWBSの質も上がっていきます。

WBS作成における基本ポイント

それでは、WBSを作る際のポイントをご説明します。WBSを作る予定のある方はぜひ参考にしてみてください。

作業を洗い出す

まずは、目標達成のためにやるべきことを洗い出していきます。例えばカレーライスを作るプロジェクトと仮定すると、次のような項目が考えられます。

  • 具材を準備する
  • カレーを煮込む
  • 使った道具を洗う
  • カレーを盛り付ける

この段階では、納期や優先順位のことまで考える必要はありません。WBSの質を左右する大切な作業なので、チームで相談しながらひたすら作業項目を洗い出していくことがポイントです。この作業を疎かにすると、後で進捗に遅れが出てしまいます。

作業の順番を設定する

作業を洗い出したら、次に順番を決めます。この工程では作業同士の依存関係をはっきりさせることが大切です。作業同士の関係は、大きく分けて次の4つがあります。

  1. 先行する作業が終わらなければ着手できない関係
  2. 同時に作業を始められる関係(必ずしも同時でなくてよい)
  3. 作業の終わりが同時になる関係(必ず同時に終わらなければならない)
  4. 作業同士が完全に独立しており、並行してできる関係

各項目をこれら4つの関係のいずれかに分類し、順番を並べ替えていきます。このとき、担当者のスケジュールに無理がないことを確認しながら整理してください。

作業を構造化する

作業の順番を決めたら、次は構造化に入ります。構造化とは、同じグループの作業をまとめ、その下にさらに小さな作業をまとめてツリー構造にしていくことです。では、先程と同じようにカレーライスの例で見てみましょう。ひとくちに具材を準備すると言っても、次のように細かい行程に分けられます。

  • にんじんの皮を剥く
  • にんじんを一口大に切る
  • じゃがいもの皮を剥く
  • じゃがいもを一口大に切る
  • たまねぎの皮を剥く
  • たまねぎを切る
  • お米を研ぐ etc.

これらの作業はすべて「材料を準備する」を親に持つ子タスクとなります。ここでポイントとなるのは、上下のタスクは親子関係になり、1対多もしくは1対1の関係になるということです。構造化することにより、作業の見落としを防げます。

最後に、期日と担当者を決めます。ここで注意すべきことは、担当者にしっかりと合意を取るということです。WBSの作成者と担当者との認識に齟齬があると、進捗にズレが生じるリスクがあります。担当者と相談し、合意の上で割り当てていきましょう。

まとめ

WBSはプロジェクト管理の基礎となるものです。プロジェクトを成功に導くためにも、時間をかけて精度の高いものを運用していくことが大切です。WBSの作成・更新作業は手間がかかるため、必要に応じて効率化ツールなどの導入を検討してみるのもおすすめです。

「仕事の解剖学」指数に見る日本の働き方の特徴と考察

RECENT POST「プロジェクト管理」の最新記事


プロジェクト管理におけるWBSとは?基本情報やポイントを解説
Asana 会社概要
定期開催:Asana 基礎講座

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

ブログ無料購読のご案内

RANKING人気記事ランキング