ガントチャートとWBSの違いやそれぞれの作成におけるポイントを解説

 2020.07.03  ワークマネジメント オンライン

プロジェクトの作業進捗を管理するためによく利用されるのが、ガントチャートと呼ばれるスケジュール表です。ガントチャートとWBSの違いや関係性を把握したい、効果的な使い方をもう少し知りたいという方に、両者の違いをわかりやすく解説したうえで、それぞれの作成ポイントを紹介します。

ガントチャートとWBSの違いやそれぞれの作成におけるポイントを解説

ガントチャートとWBSの違い

ガントチャートとWBSは、どちらもプロジェクトの進捗を管理する用途で作成されますが、それぞれのメリットや特徴は違います。何がどのように違うのでしょうか?

ガントチャートとは

ガントチャートとは、アメリカ人の機械工学者、ヘンリー・ガントによって考案された、プロジェクトの作業進捗を確認するための表です。企業によっては単純にスケジュール表と呼ぶこともあります。開発現場以外でも作業計画を表すために利用されているので、Excelなどで作成したことがある方もいらっしゃるでしょう。

ガントチャートでは、作業項目を縦軸に配置し、横軸には日数を配置して棒グラフ形式で予定を示します。基本的な表示項目はタスク、担当者、開始日、完了予定日などです。全体のスケジュールやタスクごとのスケジュールが把握できる、現在の作業進捗状況が把握できるなどのメリットがあり、全体の進捗度合いや納品までの状況をチームのメンバー間で共有できます。

WBSとは

一方WBSは、Work Breakdown Structure(作業分解構成図)を略したものです。プロジェクトを作業単位に細分化して全体構造を一覧表形式で表したものを指します。

全体の作業内容を”見える化”できる、作業ボリュームがわかるので工数を見積もれるなどのメリットがあり、プロジェクト全体を俯瞰し、作業の抜け、漏れを防ぐ目的で作成します。

ガントチャートは「作業計画を時間軸で把握できるように”見える化”したグラフ」、WBSは「作業内容を分類ごとに洗い出した一覧表」のことです。WBSはプロジェクト全体を俯瞰する用途には適していますが、逆にタスクごとの関連性が見えにくくなりがちです。そのためガントチャートを用意することで、「AのタスクとBのタスクは並行して行える」「Aが終わらないとBが開始できない」といった関連性がすぐにわかるようにしておきます。プロジェクトを開始するときは、WBSでタスクを明確化した後でガントチャートを作成すると、より効率化を図れます。

こちらの「ガントチャートとは?利用するメリットやポイントを解説」もぜひご覧ください。

ガントチャート作成のポイント

ここではガントチャートを作成する際に、押さえておきたいポイントを4つ挙げます。

リモートワーク時代の新しい働き方 Asanaまるわかりガイド
人は職場でどのように時間を使っているのか

WBSを実施して作業分割をする

WBSを作成して、プロジェクトに含まれるプロセスを洗い出して細分化します。作成には手間がかかるため敬遠されがちですが、全体把握のためには欠かせない手順であり、また実施することで後の作業が楽になるため、省略せずに行いましょう。詳しくは次項で説明します。

スケジュールや工数の妥当性を確認する

この段階でスケジュールが無理のないものになっているか、矛盾点はないかなどをメンバー間で確認します。後から抜けや漏れが見つかると、せっかく作ったチャートを作り直すことになってしまいます。作図前に全員で情報共有し、作業で起こりえるリスクやメンバーのスキル、想定する工数などのすり合わせを行うと、後の作業がスムーズになります。また最初から無理な作業計画を立てると予定がずれたときに回復が難しくなるのため、事前に妥当性を確認しておくとよいでしょう。

グラフのほかマイルストーンも設定する

グラフだけでなく、マイルストーンや区切りを設定するとよいでしょう。マイルストーンとは、進捗を確認するために設けるチェックポイントのことです。マイルストーンを設定してメンバー間で共有することで、目標どおりにスケジュールが進んでいるかが明確になります。

またクリティカルパスと呼ばれるポイントを設定すると、重要なタスクが把握しやすくなります。クリティカルパスとは「重大な経路」という意味の言葉で、余裕がなく遅れることができない工程や、スケジュールを左右する工程を指します。タスクと工数を矢印で結んだ図を書いて計算できます。

修正の可能性を考えて作成する

一度作図した後に、仕様変更による作業内容の見直しや、スケジュールの変更などが発生する場合があります。そのため、修正を前提にして作成するようにしておきます。例えば作業面から見ると、あまり凝ったものを作らずにシンプルなものにしたほうが修正するときに楽になり、時間の節約にもなります。

共有サーバーやクラウド上で一覧管理をすると、ファイルの修正がリアルタイムで行え、また全員で同じファイルを参照できるため便利です。ローカルで管理をしてしまうと、最新版に修正した際、全員にメールで知らせる必要が生じたり、各人が差し替えを忘れたりといったミスが生じやすくなります。また全員でファイルを修正できる運用にすると、一度修正したものを戻されてしまうなどのリスクが生じます。管理者を決めて修正するようにしたほうが安全です。自動でチャートを作成できる専用ツールやサービスを利用すると、修正の手間を削減できます。

WBS作成のポイント

WBSを作成するときに気を付けたいポイントを4つ挙げます。

タスクを分割してさらに細分化する

まず、そのプロジェクトでどのような作業が発生するかを洗い出します。例えばWebサイト制作であれば、「Webサイト」という成果物に対して、要件定義、デザイン、制作、テストなどの作業があります。それらをさらにヒアリング、基本設計、サイトマップ作成、HTMLコーディング、プログラム作成などに細分化します。

洗い出し工程においては、MECE(ミーシー)が重要です。これは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字をとったもので、「全体的に漏れなく重なりなく」を意味する言葉です。漏れ、抜け、重なりがないようきちんと作業を洗い出すことが重要です。

作業の依存関係を考えて順序設定する

「作業を平行して取り組み可能である」、「Aの作業が終了しないとBの作業が開始できない」などを意識し、洗い出した作業の前後依存を考えて順序を設定します。順序設定をきちんとしておくと作図がしやすくなります。

レベルを意識して作業を構造化する

順序設定した作業をまとめて、親レベル・子レベル・孫レベルといった構造化を行います。作業ごとにレベルを合わせることも意識する必要があります。例えばAの工程はとても細かく細分化されているのにBの工程は大まかすぎると、構造化するときにうまくいかず、後から漏れが見つかりやすくなり、修正を余儀なくされます。

人数を考えて担当者を明確化する

WBSでは、1つの作業に対して1人の担当者を設定します。担当者にも作業内容を確認してから設定しましょう。工数の見積り違いや作業量超過による遅延などのトラブルが起きにくくなります。

ガントチャートやWBSの基本的な構造は共通しているため、可能であれば標準的な共通フォーマット・テンプレートを用意して運用するようにするのがおすすめです。作成者ごとのバラツキが少なくなるだけでなく、作業の効率化や作業時間の削減につながります。またプロジェクトの数が多く手作業で管理するのは大変だという場合には、作成や管理の手間と時間を削減でき、人的ミスなども軽減可能な有料サービス・製品を導入検討するのもひとつの方法でしょう。

まとめ

プロジェクトにおいて作業内容を俯瞰する目的で作成されるのがWBS、それを元にしてタスクごとのスケジュールや現在の作業進捗をグラフで”見える化”したものがガントチャートです。それぞれ用途が異なるため、違いを理解して混同しないようにしましょう。

作図にあたっては、今回紹介したポイントを意識すると失敗が少なくなります。また作業効率化を図るためには専用のプロジェクト管理ツールなどを使うという選択肢もあります。

「仕事の解剖学」指数に見る日本の働き方の特徴と考察

RECENT POST「プロジェクト管理」の最新記事


ガントチャートとWBSの違いやそれぞれの作成におけるポイントを解説
Asana 会社概要
定期開催:Asana 基礎講座

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

ブログ無料購読のご案内

RANKING人気記事ランキング