プロジェクト遅延を生じさせる原因と巻き返しのテクニックについて

 2022.01.19  ワークマネジメント オンライン編集部

プロジェクトを進めていると、想定外の出来事により遅延が発生することは珍しくありません。きちんと進捗を管理していたのに遅延が発生すると、焦りから仕事が雑になり、思わぬミスを生み出す可能性があります。そこで本記事では、プロジェクト遅延の主な原因と、リカバリするためのテクニックについて解説します。

プロジェクト遅延を生じさせる原因と巻き返しのテクニックについて

プロジェクト遅延について理解を深める意味

「プロジェクト」とは、ある目的(ゴール)の達成に向けて、個人または組織で行われる複数業務の集合体を指します。掲げる目標の規模は問わず、達成までの期限が決まっているのが特徴です。たとえば、「海外市場への進出を掲げた、新しいソフトウェアの開発」と「作業効率改善のためのリモートワーク導入」では規模が異なりますが、どちらもプロジェクトとして扱うことができます。

プロジェクトは必ずしも予定通りに進行するものではなく、各フェーズの中で思わぬ問題の発生やリソース不足、急な仕様変更などのアクシデントが起こり、進捗の遅れが発生することは少なくありません。プロジェクト失敗の要因にもなり得る「遅延」は、目標達成のために無視できない存在といえます。

遅延の発生について事前に想定・対策せず進めようとすると、いざ問題が発生したときにリカバリがきかず、大幅な手戻りや軌道修正を余儀なくされる可能性もあります。そのため、プロジェクト関係者は遅延について、ある程度理解を深めておく必要があるのです。

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プロジェクト遅延を生じさせる原因

プロジェクトの遅延が発生する要因はさまざまですが、大きく分けると「計画時の問題」「実務上での問題」「外部要因」の3つが挙げられます。ここでは、遅延を生じさせる主な原因について解説します。

関係者の理解度

プロジェクトを進めるにあたっては、多くの関係者が関与します。円滑に進めるためには、プロジェクトそのものに対する理解はもちろん、進捗状況に関する認識の共通化が不可欠です。

「関係者の理解度の低さ」は、遅延発生理由のひとつとして挙げられます。たとえば、プロジェクトの管理者が主観で進捗率を決めており、メンバーに定義を共有していなかった場合、実務を行う現場での進捗率とは感覚が異なります。そのため、管理者にとっては進捗率が50%だとしても、現場では90%完了しているという認識でいると、管理者・現場担当者間の認識の食い違いから遅延が発生します。

関係者間で認識を共通化することは、遅延を防ぐために大変重要な要素といえます。

人員の割り当て

プロジェクトを円滑に進めるためには、業務の遂行に足るスキルを持った人員をアサインする必要があります。各員のスキル・経験を把握しないまま割り当ててしまうと、スケジュール通り進めるのが難しくなってしまいます。プロジェクト管理者はメンバーのレベルを把握しつつ、やむを得ない場合は上級スキルを持つメンバーにサポートしてもらえるように組織を編成しましょう。

進捗の管理方法

進捗管理が適切に行われていなければ、認識のズレが広がっていき、遅延を引き起こす原因となるおそれがあります。特に多いのが、進捗報告や情報共有があいまいになっていて、現状把握が正しくできておらず、蓋を開けてみれば遅延が発生していたというパターンです。

このようなケースでは、主に「報告する仕組みがない」「管理者側が報告を把握しきれていない」などの要因が挙げられます。ほかにも「ミスやトラブルを報告しにくい空気になっている」という問題も考えられます。管理者は、正直に報告する重要さをメンバーに説くだけでなく、普段から会話をしっかり行うなどのコミュニケーションが取りやすい環境の構築・維持に努めることも大切です。

スケジュールの設定

プロジェクトを進めるとき、必ずゴールから逆算して目標達成に向けたスケジュールを見積もります。しかし、このスケジュール自体が適切に組まれていないと、遅延が起きる原因となる可能性があります。

スケジュールを組む際は、遅延が発生する可能性を考慮したうえで見積もらなければなりません。あまりギリギリで設定してしまうと、少しの遅れが命取りとなり、焦りから大きなミスに発展しかねません。

遅延時のリカバリ

遅延時のリカバリがうまくいかずに悪い方向に動き始めてしまい、結果的に大きな遅れにつながることは珍しくありません。遅延原因の見極めを失敗したり、メンバーの労働時間を増やすような対応をとったりしてしまうと、焦りと疲労からミスを誘発してしまいます。

また、遅延時のリカバリは必ずできるわけでもないため、焦らず冷静に対処することが求められます。完全な挽回を目指すのではなく、遅延状況に応じて計画の修正や工程の調整を行いましょう。

プロジェクト遅延を巻き返すテクニック

遅延が発生したときは、まず状況を把握し、原因に対して適切な手法で巻き返しを図りましょう。リカバリのテクニックにはさまざまなものがありますが、ここでは多くの場面で活用できる「クラッシング」と「ファスト・トラッキング」についてご紹介します。

クラッシング

クラッシングとは、プロジェクトに人員やツールといった資源を導入して、コストを抑えながらスケジュールを短縮する手法です。現状の課題を分析し、その中で期限に間に合わない要因が「人員や機能、時間といった資源が足りない」ことが明らかであれば、資源を増加させて処理能力を上げることで遅れをリカバリします。

クラッシングは一見すると、すべての遅延に対応できそうな気がします。しかし、実際にはクリティカルパス(プロジェクトの進捗に大きな影響のある連続したタスク)上で行わなければ、大した効果は見込めません。

また、新たに資源を追加するため、最小限に抑えたとしても追加リソース分のコストは発生します。追加する資源が課題解決に適していない場合や、一から研修を行う必要があるレベルの人材を投下すると、逆に遅延を助長する可能性があるため注意が必要です。

ファスト・トラッキング

ファスト・トラッキングとは、現在進行中のタスクと後続のタスクを同時並行で着手することで、スケジュールそのものを短縮する手法です。

順番通りに着手するよりも早く作業が終わるため効率的です。しかし、前工程のタスクにミスがあると手戻りする必要があり、進めていた後続のタスクそのものが無駄になるリスクもあります。また、複数のタスクを同時に管理する手間が発生します。そのため、プロジェクトの動きが複雑化し、負担の増加を招きやすい点もデメリットです。

とはいえ、ファスト・トラッキングがきちんと機能すれば、たとえ序盤の工程が遅れてもプロジェクトの完了期限を守れるため、期日厳守のプロジェクトでの遅延発生時には効果的な手法といえます。

プロジェクトの遅延は事前に対策をすることも重要

プロジェクトに取り組む際は、遅延が起きることを前提に見積もりをします。遅延発生の可能性がある程度見込まれる場合は、発生してからリカバリするのではなく、見積もりや進捗確認の段階から、遅れの回避や影響の最小化を意識し準備することが大切です。

円滑にプロジェクトを進めたいのであれば、チーム内の認識にズレが生じていないか都度確認します。目標達成までのプロセスや必要な作業、進捗を共有しやすい環境・仕組みづくりに努めましょう。

また、プロジェクト管理ツールを導入し、全体の工程と進捗を可視化させるのもポイントです。管理ツールでは、小さなタスクからプロジェクトの全体像までを整理できるため、進捗状況に合わせたリソースの配分や優先度の調整、チーム連携の維持などが期待できます。

ツールによっては、ルーチン作業を自動化してくれる機能を備えたものもあるので、そうしたツールを活用するとリソースの確保がしやすくなります。さらに、チーム全体が進捗を把握できるため、認識のズレを防止する役割も担います。

このようにプロジェクト管理ツールは遅延防止・巻き返しのみならず、プロジェクトの品質向上や作業効率の改善などの多くの点でプラスに働きます。

まとめ

遅延をリカバリするには、チームがプロジェクトに対する認識を正しく持ち、原因に対して迅速な処理をすることが重要です。また、円滑にタスクを進めたいのであれば、プロジェクト管理ツールの導入も重要なポイントとなります。

Asana」は、さまざまな形態のプロジェクトに対応可能なプロジェクト管理ツールです。仕事の開始から終了までの計画・整理・管理に対応しており、チームの誰が何をしているのかを全員で共有できるため、タスクの調整がしやすい特徴があります。プロジェクトを円滑に進めるためにも、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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