WBSとガントチャートの違いとは?それぞれの作成方法についても解説

 2021.04.02  ワークマネジメント オンライン

スケジュールやタスク管理で用いられる「WBS」「ガントチャート」ですが、これらの違いについて詳しく理解できている方は多くないでしょう。この2つは似ているようで、実は異なる存在です。本記事ではWBSとガントチャートの違いや、それぞれの作成方法について解説します。

WBSとガントチャートの違いとは?それぞれの作成方法についても解説

WBSとは

「WBS」とは、「作業(Work)」「分解(Breakdown)」「構造(Structure)」の3語から頭文字をとったものです。やるべき作業を分解し構造化することを意味し、主にスケジュール管理の手法として用いられています。

わかりやすい例として、家を新築するケースで考えてみましょう。家を建てるには基礎工事や足場工事、設備工事、大工工事、内装工事などさまざまな工事が必要です。それぞれの工事により、やるべきことや工期が異なるため、作業を一つひとつ分けて構造化し、わかりやすくすることがWBSの役目です。

基礎工事なら、「水盛り→根切り→砕石地業→転圧→基礎配筋→コンクリート打設」などの作業があります。

このように作業を分割整理したあとにも、さらに一つひとつの作業を細かく分けていきます。例えばコンクリート打設の工程については、「事前の型枠チェック」「生コン業者との打ち合わせ」「打設後の塩化物含有量や空気量の確認」「最終チェック」などを分けていきます。

このようにして、成果物を完成させるのに必要な作業を細分化し洗い出せば、そこへ至るまでの全体像を把握できます。作業漏れが回避しやすくなるほか、作業分担・指示伝達・工数見積もりなどまでスムーズ化される点もメリットと言えるでしょう。

また、やるべきことを細かく分けて可視化できるため、タスク同士の関係性も明確になります。「Aの作業を先に終わらせないと、Bの工程へ移れない」といったことが事前にわかるようになるのです。タスク同士の関係性を明確にしておけば、作業員がやるべき作業の優先度を理解でき、スムーズにプロジェクトを進められます。

ガントチャートとは

「ガントチャート」とは、アメリカ人の経営コンサルタントが考案したプロジェクト管理手法です。WBSと混同されることが多いのですが、いくつかの部分で違いが見られます。ガントチャートは縦軸と横軸からなる表であり、やるべきことを視覚的に把握できるようにしたものです。

縦軸にはやるべき作業や担当者などの情報をツリー構造で記し、横軸には日時を表記します。工期の短いプロジェクトなら「日」を単位とするケースが多いのですが、規模が大きくなれば「週」「年」などの単位で表記することも珍しくありません。

縦軸に記入した作業名の横からは、棒グラフを展開します。タスク名と棒グラフが示す時間軸をチェックすれば、その作業がどれくらい進んでいるのか、あとどれくらいで完成させなければいけないのかを把握できます。

プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、誰がどの作業を担当しているのか、どれくらい進んでいるのかを把握しにくくなります。重要な工程が遅れていることに気づかず進めてしまうと、最終納期に間に合わなくなる恐れもあるのです。

このような事態を回避し、プロジェクト全体の進み具合を把握するために、ガントチャートが用いられます。プロジェクト終了までの流れや進捗状況を把握でき、チームメンバーで情報共有しやすくなることが主なメリットです。ガントチャートを活用すれば、チームのコミュニケーションを促せるうえ、トラブル発生時も速やかに対応できるでしょう。

WBSとガントチャートの違い

WBSは、あくまでやるべき作業の細分化と構造化です。必要な作業を漏れなく洗い出すことが、もっとも大きな目的です。一方、ガントチャートはタスクや日付を記し表にしたものです。

では、この2つはそれぞれ個別に活用すればよいのでしょうか。たしかに、個別でも活用できなくはありません。しかし、プロジェクトの全体像を正確かつ視覚的に把握し、作業をスムーズに進めながら成果物の完成を実現するには、併用することが大切です。

WBSを活用すれば、作業をより細かく分解できるため、やるべきことを把握しやすくなります。しかしWBSは、ツリー構造でやるべきことを記すだけであるため、視覚的に把握しにくいデメリットがあります。やらなければならないことは理解し得ても、それが現状どれくらい進んでいるのか、残された猶予はどの程度なのか、といったことをスピーディに把握・理解できないのです。

一方、ガントチャートのみを個別で活用する場合、やるべき作業が漏れてしまう可能性があります。思いつくままに表へ作業を追記してしまうと、細かいタスクが抜けてしまう恐れもあるのです。もちろん適宜修正はできますが、修正にもそれなりに手間がかかってしまいます。

このような事態を避けるため、WBSとガントチャートは併用することがほとんどです。それぞれの長所を活かし、足りない部分を補うことで、精度の高いプロジェクト管理が可能になります。

ガントチャートを作成する前に、WBSですべての作業を細かく洗い出し、それをガントチャートに記入して表化します。これにより、すべての作業を漏れなくリスト化でき、時間軸と棒グラフにより進捗状況を視覚的に把握しやすくなるのです。

つまり、これからガントチャートをプロジェクト管理に取り入れようと考えている場合でも、まずはWBSを先に作成しなければなりません。必要な作業を細かく分解し、それを表へ落としこんでチャート化することが、高精度なプロジェクト管理につながります。

WBSの作成方法

WBSの作成手順としては、「作業の洗い出し」→「順序整理」→「構造化」が大まかな流れです。それを踏まえたうえで、一つひとつのプロセスを詳しく見ていきましょう。

作業の洗い出し

まずは作業の抽出ですが、これはタスクを分けてさらに細かくすることです。わかりやすいよう、ケーキを作ると仮定して考えてみましょう。ケーキ作りの手順は大まかにいうと、土台となるスポンジ作りと、デコレーションの工程に分けられます。そこで、次のようにタスクの分割と細分化を行います。

  • スポンジ作り→[材料の調達] [大きさの決定] [スポンジの成型] [焼きの作業]
  • デコレーション→[材料の確認・調達] [協力者と仕上がりを協議] [デコレーションの実行] [チェック]

実際のケーキ作りではやや異なるかもしれませんが、このようにまずはやるべき作業を分け、さらに細分化します。こうすることで、それぞれのタスクで必要な作業を洗い出すことに成功しました。

順序整理

次にやるべきは、順序の整理です。洗い出しを行っている段階では、順序のことまで頭が回らない場合がほとんどです。そのため、一度すべて洗い出してから、改めて作業の優先度を決めていきます。作業同士の関係性をチェックしつつ整理しましょう。

構造化

次にすべきは、構造化です。洗い出しと順序整理の終わった作業を階層化してわかりやすくします。表にまとめるのなら、左側にメインのタスク、右側にサブタスクを表示すればわかりやすくなるでしょう。

先述したケーキの例でいうと、左側に「スポンジ作り」と「デコレーション」を、右側にそれぞれの細分化したタスクを記入します。表へ記入するときは、順序整理した通りに上から入力しましょう。

なお、WBSの作成方法は紙への手書き以外にも、Excelを使った方法もあります。WBSの作成に便利なITツールもあるため、併せて検討してみましょう。

ガントチャートの作成方法

まずは、WBSで必要な作業をすべて洗い出しましょう。その情報を基にガントチャートを作成します。表の縦軸には、事前にリストアップして順序整理したタスク名を記入し、横軸には時間軸を設定します。

事前にWBSでしっかりとやるべきことを洗い出し、順序整理できていれば、ガントチャート作成でやるべきことはあまりありません。もっとも時間がかかるのは、作業の分割や細分化だからです。

あとは、それぞれのタスクから棒グラフを展開し、期日や必要な時間などをわかりやすくするだけです。事前の洗い出しで、作業ごとの担当者を決めていなかった場合には、ここで縦軸のタスク名横に担当者名を記入しておくとよいでしょう。

ガントチャートの作成も、手書きおよびExcelで可能です。こちらも同様に、便利なITツールがたくさんリリースされているため、それらの活用も検討してみましょう。ITツールはものにもよりますが、チャートを作成できるだけでなく、さまざまな役立つ機能が実装されています。より高精度なプロジェクト管理と、業務効率化が期待できるでしょう。

ガントチャートの作成や運用に役立つツールとしては、「Asana」が代表的です。さまざまなタスクを可視化するワークマネージメントツールで、世界中で多くの企業が導入しています。「タイムライン」と呼ばれる機能は、ドラッグ&ドロップで簡単にプロジェクトプランを作成でき、作業の進捗も直感的に把握可能です。Asanaの他機能とも連携できるため、より強力なプロジェクト管理・タスク管理を実現していけるでしょう。

まとめ

WBSとガントチャートは、2つで1つといっても過言ではありません。ガントチャートをより効果的に活用するためにも、WBSで作業を細かく洗い出す必要があります。それぞれの違いを正しく理解し、併用すれば最大限の効果を得られるでしょう。

本記事の最後で紹介した「Asana」は、ガントチャートのように使える機能があるだけでなく、コミュニケーション機能や他ツールとの連携機能なども備えています。チーム全体の取り組みを1つのプラットフォームで把握し得るので、業務効率化や生産性向上の向上が期待できます。この機会にぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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