人事の仕事はこんなに幅広い!その内容と大まかな年間スケジュールを解説

 2021.03.09  ワークマネジメント オンライン

人事の仕事というと、一般には就職活動における採用担当者をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし実際には、人事の仕事内容はもっと多岐に渡ります。

本記事では、企業における人事領域の仕事内容について網羅的に解説していきます。入社後のアンマッチを防ぐためにも、ぜひ人事課の仕事について学んでください。

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そもそも人事部門の役割とは

「人は石垣、人は城……」という有名な武田信玄の言葉がありますが、現代の企業においても、その成功が「人」にかかっていることは変わりません。人事とはその名の通り、人を管理する部門として、企業における人材発掘・人材活用を担当する中枢の役割を担っています。

端的にいえば、人事部門の活動目的とは、「人材というリソースの活用を通して、企業の発展に貢献すること」です。人事部門の扱う、社員の採用・研修・昇進・異動などの業務は、究極的にはこの目的に即して行われます。「必要なところに必要な人材を配置して、企業活動を活性化する」という人事部門は、企業の心臓部と言えるでしょう。

代表的な人事の仕事

では、人事部門の具体的な仕事内容としては、一体どのようなものが挙げられるでしょうか。
人事部門のカバー範囲は、組織の規模によって多少の違いはありますが、その仕事内容は大きく「人事企画」「採用活動」「社員教育」「労務管理」「制度・環境整備」の5つに分類できます。以下、それぞれの仕事内容について解説していきましょう。

人事企画

人事企画(人事計画)とは、人事部門が業務を行ううえでの方針となる、フレームを作成する作業のことです。

具体的には、「自社の将来を見据えて、今後どのような人材が何人くらい必要かを分析し、採用計画を立案する」「部門構成や職階も含めた最適な人材配置を立案する」などです。あるいは「職場環境や就業制度の改善」など、従業員の定着率向上に向けた施策の企画なども含みます。

効果的な人事企画の策定にあたっては、企業全体の事業計画や社会環境の変化を的確に捉えるマクロな視点が求められます。加えて、「社員個々の実績・経験・能力」また「性格・人間関係」などまで加味したミクロな視点を併せ持たなければなりません。人事企画は、こうした意味で、「人事部門における地盤構築」にあたる重要業務であると言えるでしょう。

採用活動

一般に、人事業務の象徴とも言えるのが、この採用活動ではないでしょうか。採用活動は、採用計画に即し企業にとって必要な人材を発掘する業務で、主に新卒採用と中途採用の2種類があります。

時代の流れとともに採用手法の多様化も進んでおり、従来の「募集→面接」方式に加えて、企業Webサイトでの情報発信やSNSの活用、インターンシップの実施、イベント企画など多角的な取り組みが求められています。就活市場では、こうした採用手法自体も、企業の先進性をアピールする要素となり得るのです。この意味でも、人事業務は非常に創意工夫を求められる仕事です。

社外の人間と関わる部門といえば、まず営業を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、大量の就職希望者と関わる人事部門も、実は社外への露出は多い仕事です。企業が採用試験を通して就活生の質や適性を吟味するように、就活生側もまた、採用担当者を通して企業の実態を測っています。

つまり、就活生と数多く接する人事担当者の人柄は、企業イメージに直結する非常に重要なファクターであると言えます。

社員教育

従業員が企業の求める能力や職業倫理を身につけ、組織内の役割にアジャストするためには、適切な訓練が必要です。そのために、「自社の社員にどのような教育・研修が必要か」を考えて、それをコーディネートすることも、人事部門の重要な仕事のひとつです。

社員教育といえば、新入社員向けの導入教育の印象が強くあります。しかし実際は、それ以外にも管理者研修のような職階に即した研修や、セキュリティやコンプライアンスの徹底などを目的とした全社員対象の教育、資格取得や語学の学習、最新のトレンド情報の収集といった自己啓発的な研修など、企画内容は多岐に渡ります。

もちろん、これらすべての研修に対して、人事部門の担当者が直接に指導監督する必要はありません。むしろ、内容によっては外部から専門の講師を招いて、充実度の高い教育をしてもらい、社外の人間ならではの新鮮な刺激をもたらしてもらうことも大切です。

労務管理

労務は、書類やデータの事務的な取り扱いがメインの仕事です。主な業務内容は雇用契約・給与計算・健康診断・勤怠管理・福利厚生・社会保険手続き・安全衛生管理などで、どれをとっても従業員が企業の中で安心して働くために重要な事柄です。とりわけ給与計算は、限られた時間内で正確な計算が要求されるため、労務管理の仕事には高い集中力と事務処理能力が求められます。

また近年では、福利厚生の問題としてだけでなく、労働生産性の観点からも社員のメンタルヘルス対策に注目が集まっており、人事部門の担う労務管理の重要性はますます高まっています。

制度・環境整備

人事においては、採用活動により有望な人材を企業に連れてくることも大事ですが、既存の有能な社員が自社を去らないよう、社員の定着率を高めることも大切です。社員のモチベーションをアップし、定着率を高めるためには、社員の企業満足度に寄与する適切な就業制度・環境整備が不可欠です。

具体的には、「公正で透明度の高い人事評価・報酬制度」「セクハラ・パワハラを防止するための環境整備」「社内規則の明文化」「福利厚生施設の運用」などがこれに当たります。

フリースペースをはじめとする新しいオフィス環境の構築や、テレワークの導入。こうした働き方改革が着実に進んでいる現代社会で、変化に合わせた柔軟な制度運用が、人事部門に求められています。

人事部門の年間スケジュール

人事の仕事には、新卒採用や新入社員の研修などを筆頭に、季節性のあるものが多く存在します。以下では、人事の年間スケジュールを四季に分けて解説していきます。この季節的な仕事のサイクルを知ることで、人事の仕事や年間を通した流れを俯瞰的に押さえられるでしょう。

春(4~6月)

人事の繁忙期は年2回ありますが、その1つが新年度の始まりに当たる春の時期です。この時期の一大イベントは、何といっても新卒社員の入社です。事務的な入社手続きや入社式の準備を筆頭に、配属先や総務部門と連携して、新卒社員の受け入れ準備を行わなければなりません。

また、新卒社員へ向けた研修の企画・運営も必要です。この時期は、外部講師や外部施設のスケジュールも混み合っていることが予想されるため、必要な予約は早めに済ませましょう。人事異動や昇給・昇格など、既存社員の動きが活発になるのもこの時期です。

新入社員の研修などが済んで落ち着いた頃には、6~7月の夏季賞与に向けて、前年下期の人事評価の決定をしなければなりません。さらに、次年度の新卒採用のために学生向け会社説明会も始まる頃合いです。そのほか、上期の目標設定や労使交渉関係の業務も控えているなど、この時期の人事部門は息つく暇もないでしょう。

夏(7~9月)

春の繁忙期が終わり、比較的腰を落ち着けられるのが夏の時期です。この時期は、次年度の新卒の採用活動が本格化し、面接業務や内定者の決定などを行います。また、学生の夏休みに合わせてインターンシップも実施します。

そのほか、春に決定した夏季賞与の支払いや、社会保険料の算定基礎届を年金事務所に提出する業務も行います。被扶養者状況再確認リストの作成や、高齢者・障害者雇用状況報告書の提出も夏期に行われることが多い業務です。

秋(10~12月)

年2回の繁忙期のうち、もう1つが秋の時期です。この時期の大きなイベントとしては、内定式・人事異動・年末調整・冬季賞与の支払いなどが挙げられます。まず、内定式に向けた業務としては、会場の準備や内定者への連絡などを行います。また、内定者研修や内定者懇談会を実施する場合は、その準備もしなくてはなりません。

このほか、下期の目標の策定も行います。人事異動は春に比べて少なめですが、賃金関係では冬季賞与の支給に向けた人事評価決定のほか、年末調整の準備も行わなければなりません。そのためには、10月から社員に向けて必要書類を配布し、11月から給与総額・税収税額などを集計、12月に源泉徴収票を作成するといった流れになります。

冬(1~3月)

人事部の冬の仕事は、次年度に向けた準備が多くなってきます。例えば、春の入社式や新卒社員研修の企画準備などは、実際にはこの時期に始めていなければなりません。次年度の採用活動に向けた会社説明会の準備や、採用サイトの更新作業なども同様です。

そのほかには就業規則の見直しや、次年度の福利厚生の検討なども、この時期に行う企業が多いでしょう。また、定期昇給の査定や新しい給与額の決定なども行います。

人事部の季節ごとの主要な業務は以上です。

とはいえ、これらはあくまで一般的な話に過ぎません。企業によっては、紹介した以外にも季節ごとの人事イベントを催すことがあるでしょう。もしも人事部門に配属された場合は、年間スケジュールや昨年度の業務記録などを参照して、1年間の仕事のリズムを予習することをおすすめします。

通年の仕事

ここまで季節ごとの人事部門の業務について紹介しましたが、もちろん季節に縛られず、年間を通して行われる業務も数多く存在します。その代表的な例が、社員たちへの月給計算です。すでにご説明した通り、給与計算業務では各社員の月間の勤怠状況を反映し、適切な給与計算を行わなければなりません。

また新卒採用とは異なり、欠員補充や増員を目的として行われる中途採用は、不定期な業務となります。同様に、社員の不祥事やトラブルへの対応なども、突発的な業務として想定されます。労務管理においても同様に、法改正が行われた際は最新情報を入手・反映することが大切です。

このような通年の業務と並行しながら、季節ごとのイベントも回していく必要があることから、人事部門は非常にやることの多い役割であると言えます。同時に、企業の根幹を支え、企業の顔ともなる、やりがいに満ちた部門であることも事実でしょう。

まとめ

今回は、人事部門の基本的な役割とその仕事内容、そして季節ごとの年間スケジュールについて網羅的に解説しました。人事部門は年間を通して忙しく、普段の業務でも給与計算などのように、間違いが許されない仕事が多く存在します。また、働き方の多様化が進む現在においては、採用手法や制度・環境整備を刷新する必要もあり、人事部の重要性はますます高まってきています。

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