中途採用のプロセスとは?具体的なステップと注意ポイントを解説

 2021.03.18  2022.02.17

中途採用では、「企業が求めるペルソナと求職者がマッチするか」ということだけに注目しがちです。しかし実は、採用プロセスの設定も重要だということをご存知でしょうか。本記事では採用プロセスの重要性や設定の流れ、採用プロセスを設定する際の注意点などを詳しく解説します。

中途採用のプロセスとは?具体的なステップと注意ポイントを解説

中途採用のプロセスについて知る意味

中途採用では即戦力となる優秀な人材の採用が求められます。また新卒採用に比べて採用フロー(採用に関する一連の流れ)にスピード感があるのが特徴です。中途採用は準備にかける時間が短い分、内定者を確保する難易度も上がります。こうした中途採用で、多くの応募者を集め確実に内定者を確保するには、採用プロセスを明確化する必要があります。そうして適宜、プロセス内から改善すべき点をはっきりと見つけていくのが有効です。

まず人事担当者は、試験内容や面接方法など、中途採用におけるプロセスを図式化するとよいでしょう。中途採用のプロセスを理解していないと、採用活動が非効率的なものになる恐れも否めません。採用活動を円滑かつ実りあるものにするためにも、採用活動の振り返りや方向性の確認、効率化できる点の模索など、常に考え工夫することが重要です。

中途採用プロセスのステップ

中途採用のプロセスは「採用の計画」「母集団の形成」「選考の実施」「採用の内定」「入社の手続き」という5つのステップで構成されます。その一つひとつについて詳しく解説していきます。

採用の計画

中途採用の第一ステップは採用計画の立案です。中途採用の採用計画では「採用の目的」「採用人数の目標」「ペルソナ(対象となる人物像)」「採用基準」「採用担当者」「採用活動の期間」「内定者を採用する時期」を設定する必要があります。

まず「どの部門にどんな新規人員が必要なのか」「なぜ中途採用をするのか」という目的を明確にし、全体の採用人数や目標を設定しましょう。

次に採用方針や採用基準を決め、実際にどのような人材を募集するのかを明確にした上でペルソナを設定します。そして人事部門から採用活動の担当者を選定したら、採用活動にかける期間や実際に内定者を採用する時期を決めましょう。

なお、転職活動は年度末や新年度、ボーナス支給後などに集中するため、求職者の動きに合わせて採用活動を行うことが大切です。それにより、有能な応募者と出会う機会を増やせる可能性があります。

母集団の形成

採用計画がまとまったら、次は母集団の形成をします。中途採用プロセスにおける母集団とは、「企業の求人に興味を持つ求職者」のことです。つまり母集団の形成とは、求人に応募してくれる人材を集めるための施策を指します。

実際に母集団を形成するには、オウンドメディアや転職サイトなどへの情報掲載、ハローワークでの情報公開、SNSなどを活用した情報発信、人材紹介会社や転職エージェントへの外注、転職フェアや企業説明会の開催など、さまざまな方法があります。これらすべての方法を実施できれば母集団の形成に大きな効果があるかもしれませんが、ただ闇雲に情報を発信すればよいというわけでもありません。

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母集団の形成で重要なのは、採用の見込みがある人材に対して情報を届けるということです。というのも、母集団の形成にはコストと時間がかかるため、それらを極力無駄にしないよう効率的に計画を進める必要があるのです。母集団を形成する際は企業が求める人物へ確実に情報を届けられるよう、最適な方法を見極めましょう。

選考の実施

応募者が集まったら選考を行います。選考は履歴書や職務経歴書などを提出してもらい書類選考を行った後、適性検査・実技試験・面接と進めていくのが一般的です。適性検査は通常チェックシートなどを使って行われますが、最近はAIによる診断や専用ツールを使った検査を導入する企業も増えています。

適性検査が終わったら次は技能試験を実施します。中途採用は新卒採用と違い即戦力となる人材が求められるため、実技試験は1回だけでなく複数回に分けて実施するとよいでしょう。実技試験をしっかり行うことで、求職者自身も企業に入社後、自分の能力を十分に発揮して活躍できるかどうかを判断しやすくなります。

また、人間性や人柄を重要視したい場合は、面接を複数回実施するのをおすすめします。最初の面接では求職者のほとんどが緊張していると予想されるでしょう。そのため初回は志望動機や自己紹介をしてもらう程度にとどめ、回を重ねるごとにキャリアビジョンや将来展望、職場に求めることなど核心的な部分の話をしていくのがよいでしょう。

採用の内定

選考が終わり、無事に内定者も決まったら、できるだけ早く当人へ連絡しましょう。不合格だった求職者に対しても迅速に対応してください。転職活動を行う人たちは複数の企業で採用試験を受けている場合がほとんどです。求職者の活動を妨げないためにも、合否の連絡は迅速に行いましょう。また内定者のために懇親会や研修会を開催したり、メールで連絡を取ったりと、積極的にコミュニケーションを取るようにしてください。詳しくは後述しますが、内定辞退や内定ブルーを避けるためにも内定者のフォローは必須項目です。内定者が入社に対して不安や疑問を抱いているときは、内定者と密に連絡を取り合い入社当日までに解消できるよう努めましょう。

入社の手続き

内定者が入社する前に、労働条件通知書の作成や社会保険資格の取得など、入社に必要な手続き・準備を済ませます。また入社のタイミングや労働条件など、細かなこともこのタイミングで話し合っておきましょう。内定者が使用する机やイス、文房具などの備品は遅くとも入社前日までにはそろえておくようにしてください。

中途採用プロセスに関する注意ポイント

ここからは、中途採用プロセスに関する注意ポイントを説明します。

採用に適したタイミングを見極める

中途採用では採用に適したタイミングを見極めることが非常に重要です。採用計画の章で説明したように転職活動には年度末や新年度、ボーナス支給後など、求職者の動きが活発になる時期があります。より多くの人材と出会うためには、求職者のニーズに合わせたタイミング設定が大切です。

ただし転職活動が活発になる時期は、他社の採用活動も積極的に行われるため、採用活動におけるライバルが増えることも考慮しなければなりません。他社に優秀な人材を取られないようにするには、採用フローの実行期間を短縮するなどの工夫が必要になります。

従来型の採用フローでは選考から内定まで1ヶ月程度かかることが多く、選考している間に求職者が他社へ流れてしまうという問題がありました。これを改善し、最近では選考から内定までを1~2週間程度の短い期間で済ませる企業が増えています。

しかしあまりに採用フローの期間が短いと面接・試験の回数が減り、企業にとっても求職者にとっても不安が残るでしょう。とはいえ、他社に人材が流れてしまっては採用活動自体が無意味なものになってしまいます。企業と求職者のミスマッチを防ぎつつ、可能な限り短い期間で選考から内定までを終わらせられるよう戦略を立てる必要があるのです。

募集・採用方法は特徴を理解して選ぶ

採用活動を行う際は主にオウンドメディア・転職サイト・ハローワーク・SNS・人材紹介会社・転職エージェントなどを利用しますが、これらをすべて活用する必要はありません。宣伝や情報公開をした数だけ応募者数を増やせる可能性もありますが、数があまりに増えすぎると書類選考に時間がかかってしまうでしょう。

また、なかには自社が求めるペルソナにマッチしない求職者が含まれている恐れもあるため、選考作業を効率化させるためには自社が求める人物像と接点が持てる媒体や、予算に合ったサービスを選ぶことが大切です。

例えば専門性の高い職種を募集するなら、各分野に特化した転職エージェントを選ぶとよいでしょう。幅広い年齢層の人材を募集したい場合は転職サイトやSNSなど、多くの人が利用する媒体を選ぶのがおすすめです。

ミスマッチを防ぐ対策をする

企業と求職者のミスマッチを防ぐ対策も採用活動において大事なポイントです。これには綿密なペルソナの設定が重要になってきます。なぜならペルソナを設定しないまま業務内容や給与額だけで人材を募集すると、企業が求めるスキルに見合わない求職者も多く集まってきてしまうからです。

企業が求める人物像ではない応募者全員を書類選考し、一人ひとりと面接を行うのは非効率と言えるでしょう。また、ペルソナを設定していなかったことで、採用者が入社後に「思っていたのと違う」として離職されてしまっては、採用活動にかけたコストや時間がすべて無駄になってしまいます。そこで企業が求める人物像をあらかじめしっかりと設定し、その条件に見合わない求職者は応募の段階でふるいにかけられるようにしておく必要があるのです。

内定辞退の可能性も見越して動く

求職者のなかには、内定が決まった後に何らかの事情で内定辞退を申し出る人がいます。またそれは特別珍しい話でもありません。特に「希望していたものと違った」という理由から内定を辞退する人が多いですが、なかには「上手くやっていけるか不安」「わからないことが多い」「本当にこの会社に決めてよいのか」など、内定ブルーの状態に陥っている人もいます。こうした内定ブルーは、精神的に不安になっている状態なので、それを解消すれば内定辞退を防止できる可能性は十分にあります。そのため、内定後に内定者へ心理的サポートをする内定者フォローが重要なのです。

内定者フォローにはさまざまな方法があります。例えば、採用担当者がメールや電話などで連絡を取り内定者の不安を解消したり、雇用契約書を渡すために会社へ出向いてもらい直接社内の雰囲気を見てもらったり、希望があれば面談なども行ったりするとよいでしょう。また研修会や懇親会など、入社前に会社で過ごしてもらう時間を設けることで、入社後のイメージ持つかみやすくなります。

採用活動を効率化させたいなら、ワークマネージメントシステムの導入を検討してみるのもよいでしょう。なかでもクラウド上で業務を一元化して遂行可能な「Asana(アサナ)」がおすすめです。採用面接、応募者の管理、社員間の情報共有など、採用活動に関するアクションすべてをAsana上で完結できます。

https://asana.com/ja

まとめ

中途採用を成功させるには「目的の明確化」「具体的なペルソナの設定」「タイミングの見極め」「内定者フォロー」をしっかりと実行しましょう。選考は慎重かつスピーディーに行い、求職者のニーズに寄り添う気持ちを持つことが大切です。またAsanaのようなワークマネージメントシステムの導入も視野に、採用活動の効率化を目指しましょう。

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