女性リーダー育成の重要性と成功のポイント

 2022.04.26  ワークマネジメント オンライン編集部

近年、ますます女性の社会進出が求められている中、女性リーダーの育成に注目が集まっています。

女性リーダーを増やすにはどうやって育成すればよいのか、その方法が分からないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 こ
こでは、女性リーダーの育成方法とそのポイントを解説するとともに、社内に女性リーダーがいることで得られるメリットを紹介します。

女性リーダー育成の重要性と成功のポイント

会社に女性リーダーが求められる理由とは?

会社に女性リーダーが求められる具体的な理由とは何なのでしょうか。
もちろん、理由はいくつもありますが、特に女性リーダーが会社の経営に大きく影響するのは、「他社との外交力」と「社内会議における多様性の向上」です。
ここでは、女性リーダーが求められている大きな2つの理由について解説します。

他社との交渉時に高い能力を発揮

会社では、顧客や取引先など、他社とコミュニケーションを取るべき機会が多くあります。一般的に女性は男性に比べ、コミュニケーション能力に優れている人材が多いと言われています。女性リーダーが率先して顧客や取引先とコミュニケーションを取ることによって、自社に有利な状況に持ち込むことができる可能性が高いのです。

また、女性の高いコミュニケーション能力は他社とのやり取りのみならず、部下や同僚、上司にも発揮されます。女性リーダーならではの視点による細かな気遣いは、社員の仕事に対するモチベーションを高めるとともに、部署内でのやり取りを円滑に進める手助けにもなるでしょう。

会議での意見に多様性を加えられる

女性リーダーは会議において、多様性を加えられます。
管理職が男性ばかりであった場合、社内会議で会社にとって不利益となる決定であったとしても、全員が同意してしまう「グループシンク」に陥る可能性があります。会議メンバーが男性ばかりだと多様的な視点が欠如し、不合理な結論に陥ってしまいかねません。ここで、女性管理職が加入することで均一性が崩れ、会社にとって有益な意見交換ができるようになります。

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女性リーダーを育成する方法とは?

では、実際に女性リーダーを育成するにはどうすればよいのでしょうか?
具体的には大きく2つ、「自社で育成する方法」と「人材育成サービスを利用する方法」があります。それぞれの方法に特徴やメリット、デメリットがあり、それらをしっかり見比べた上で方針を決定する必要があります。
2つの方法を詳しく解説します。

会社での育成研修

自社で育成する場合、まずは育成担当の人選を行う必要があります。育成担当者は、女性リーダーとして向いている人材や、育成するために具体的にどんな研修が必要なのかをしっかり把握しておくことが必要不可欠です。

育成担当が決まったら、具体的な研修内容を作成し、受講者である女性の人選・上司との面談を経て実際に研修を行います。研修後は上司とキャリアビジョンを作成し共有します。職場では責任の範囲を広げたり、新しいプロジェクトのアサインをしたりといった、継続的なフォローアップが大事です。同時に、管理職候補者としての適性判断も行います。

【育成方法の流れ】

  • 上司と面談
  • 事前課題
  • 研修
  • 上司とキャリアビジョンの共有
  • フォローアップ

人材育成サービスの利用

人材育成サービスでは、女性リーダーが陥りやすい「自分はリーダーに向いていないのではないか」という不安を払拭し、「自信」や「戦略的思考」を重点的に補うような研修など、女性に最適な研修プログラムが用意されています。女性限定のプログラム内容で女性に自信を持たせ、リーダーシップに必要な具体的スキルを学びます。

なお、人材育成サービスには多くの種類があり、女性リーダーを育てる研修プログラムや費用にはそれぞれ違いがあります。

女性リーダーを育成することでどんなメリットが得られるのか?

では、女性リーダーを育成することで、会社にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
男女雇用機会均等法の制定によって、女性の活躍の場が増えつつあるとはいえ、未だに女性リーダーは少ないのが現状です。そんな今こそ、女性リーダーを育成することで、社内だけでなく会社経営においてもメリットを得られます。

一度にたくさん女性リーダーを増やすのは大変です。管理職に女性が一人いるだけでも、周囲の女性社員の意識が高まる可能性があるため、まずは一人の育成から取り組んでいくと良いでしょう。
ここでは、女性リーダーを育成することで、会社にどのようなメリットがあるのか詳しく解説します。

トラブルが起きにくい調整型マネジメントのチームが組める

男性リーダーが牽引するリーダーシップマネジメントは、「チームを引っ張っていく」という形が多く見られます。これは頼りがいのあるリーダーとなってチームをまとめられるというメリットがある一方で、リーダーの意見以外が認められにくく、反発が起きてしまうこともあるというデメリットがあります。

一方、女性リーダーはまずは円滑な人間関係を作り上げ、それをベースにチームをまとめることを得意とします。そのため、チーム全体の意見を調整しながら進める調整型マネジメントチームを組めるというメリットが生まれます。

ロールモデルが完成することで社員の意欲が高まる

女性リーダーが存在しない会社は、女性社員にとって「ロールモデル(なりたい、理想とする人物像)がいない」ということでもあります。女性社員の仕事に対するモチベーションを上げるためには、その見本となるような女性リーダーが必要です。

日本では、まだまだ女性リーダーが少ないのが現状です。まずは、1人だけでも女性管理職を作ることでロールモデルができあがり、他の女性社員の向上心やモチベーションを高められるでしょう。

会社評価を高められる

男女平等の社会、女性の社会進出を求める動きは戦後から継続して進められていますが、特に現在は、第4次男女共同参画基本計画により女性管理職を増やすことが求められています。

そのような社会の動きに合わせて、女性社員がどれだけ活躍しているかが会社の評価にも取り入れられるようになりました。例えば、女性の勤続年数が長い、または女性の管理職が多い会社は「新・ダイバーシティ経営企業100選」によって表彰され、経済産業省のホームページに会社名が記載されます。また、インターネット上では女性会社員が選ぶ「女性が働きやすい企業ランキング」なども公開されており、多くの人の目に触れます。

このように、女性リーダーを積極的に育成することで現代の流れに合った会社として注目され、社会的な評価が高まるでしょう。また、他社からの評価も得られ、新たな取引が発生する可能性も期待できます。

成功させる秘訣は?女性リーダー育成方法のポイント

女性リーダーを育成すると言っても、ただ闇雲に育成するのでは良い効果は期待できません。
効果的に育成するには、上司の理解や会社側のサポートが不可欠であるため、まずは育成環境の土台を作るところから始めます。さらに、実際に研修生となる女性自身は、家族がいれば家庭との両立がさらに大変になるだけでなく、周囲からの孤立やプレッシャーで苦痛を感じるかもしれません。それらの問題に対応するには、メンタルケアの充実も必要です。
ここでは、女性リーダー育成のために押さえておくべきポイントを紹介します。

安心して研修を受けられる環境を整える

女性が少ない社内環境では、少数派である女性社員が組織の中で人間関係を構築するのが難しい場合が多く、孤立してしまうことがあります。また、実際に研修を受けた女性社員が、社内の他の女性社員と関わることが少なくなってしまうことも考えられます。

組織の中で孤立し、仕事への意欲や向上心が失われてしまうと、研修を受けても知識が身に付きにくくなり育成の意味がなくなってしまいます。

そのため、まずは女性社員同士が共に過ごせる社内環境づくりや、気軽に悩みを相談しやすい環境を整えるようにしましょう。

仕事と家庭両方の面でサポートする

女性社員のなかには家庭を持ち、家事や子育てを一人で行っている人もいます。そのような場合は研修にすべての時間を費やすことができません。また、せっかく女性リーダーとして活躍できるような人材に育て上げたとしても、家庭と仕事の両立ができない状況に陥れば、精神的・肉体的苦痛から会社を辞めてしまうことも考えられます。そのため、女性リーダーを育成し活躍してもらうには、会社からのライフワークバランスのためのサポートが必要です。研修開始時から上司が仕事と家庭両方の面でサポートができる体制を整えましょう。たとえば、時短勤務やフレックス制、テレワークなどが導入できれば、家庭と仕事の両立が行いやすくなるでしょう。

可能であれば上司も研修に参加する

女性限定の研修であると男性上司が関われないため、研修への理解が薄く互いに不満が出る可能性が考えられます。実際に研修に参加した女性社員が、上司からの理解が得られず苦労したという事例もあります。

そこで、可能な限り男性上司も一緒に研修に参加し、内容を共有できるのが理想です。それにより、研修で出された課題を共有でき、男性上司ならではの視点によるアドバイスを聞くことができるため、研修をより有意義なものにできるでしょう。

まとめ

社内に女性リーダーが1人でも生まれると、会社はさまざまなメリットを享受できます。
女性リーダーの育成には、会社全体でサポートを行って取り組む必要があります。特に上司と研修者は密に連携することが重要です。しかし、家事や育児で研修時間が十分に取れない社員には、時短勤務やリモートワークの導入を検討すると同時に、個別のスケジュールを簡単に確認できるツールの導入が便利です。たとえばAsanaのワークマネジメントメントツールを用いれば、プロジェクトの計画、詳細、ファイルなど、すべての重要な情報を全員が簡単に共有でき、リアルタイムでステータス更新もできるため、リモートワークでも問題なくプロジェクトを行えます。その他、レポート生成機能を用いれば、課題や報告レポートも自宅から提出・共有でき、研修者の負担も大幅に軽減できます。このようにツールを有効活用することで、効率よく女性リーダーを育成できるでしょう。

【動画】Asana Future of Work 2021 Winter - 挑戦し続けるレジリエントなリーダーたち -

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