MBOとは?目標管理制度の導入目的やメリット・デメリットをわかりやすく解説

 2021.09.06  ワークマネジメント オンライン

人事評価にも利用できるMBOは、企業が従業員に目標を与えて経営や目標管理を行う手法のひとつです。従業員のモチベーション向上はもちろん、成果主義に基づく人事評価ツールという観点からも、MBOについて詳しく知りたいという担当者も多いのではないでしょうか。本コラムでは、MBOとは何なのか、人事におけるMBOのとらえ方からそのメリット・デメリットをわかりやすく解説します評価にも利用できるMBOは、企業が従業員に目標を与えて経営や目標管理を行う手法のひとつです。従業員のモチベーション向上はもちろん、成果主義に基づく人事評価ツールという観点からも、MBOについて詳しく知りたいという担当者も多いのではないでしょうか。本コラムでは、MBOとは何なのか、人事におけるMBOのとらえ方からそのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

MBOとは?目標管理制度の導入目的やメリット・デメリットをわかりやすく解説

MBOとは

MBOとは「Management by Objectives」の略称で、目標管理による経営を行う方法のひとつです。

世界的にも有名な経営学者のピーター・ドラッカーが、自身の著書である「現代の経営」の中で提唱した概念であり、正確には「Management by Objectives and self-control」と表記されています。

MBOという概念が提唱される以前の企業経営は、企業が目標を達成するために、従業員に対して業務の作業やその手順までを細かく指示して、企業活動を進めていました。しかし、社長や上司がすべての従業員に対して作業の細かな手順までを指示することには限界があります。それは、企業規模が大きいほど難しくなります。

そこで、これまでのように「すべての作業を指示する」というやり方ではなく、従業員に「目標だけを与えて業務プロセスは従業員に任せる」、そして従業員は目標達成のために必要な要素を「セルフコントロールできるようになる」マネジメントが有用だと考えられるようになりました。これが、MBOであり、ピーター・ドラッカーが提唱した「Management by Objectives and self-control」です。

また、MBOの手法では、従業員に目標を与えるだけではなく、その目標を達成できるように従業員を育成するマネジメントが重要です。

部下の一人ひとりが個人の目標を設定して実行し、自身で目標管理を行うことでモチベーション維持や主体性の向上につながるように、上司が育成していかなければなりません。その過程で、上司は部下の成長度合いや目標達成具合を評価しますので、MBOは人事評価のツールとしても利用されるのです。

目標管理におけるMBO課題と6つの成功ポイント
企業のOKR導入のための6ステップ

MBOの導入目的

それでは、企業がMBOを導入する目的をみていきましょう。

従業員のマネジメント

MBO導入の主な目的は、従業員に対して目標を与えてマネジメントすることです。

上述したように、以前のマネジメントでは「従業員の作業をすべて指示する」というものでした。しかし、多くの従業員に対して一人ひとりの動作をすべて指示することは実質的に不可能です。そこで、従業員に「目標だけ」を与えて、「達成のプロセスは従業員に任せる」効率的なマネジメントであるMBOが注目されました。

MBOを導入することで、従業員のコントロール方法は大きく変わります。つまり、上司に求められるマネジメント能力が変化したのです。

これまで、上司は部下に対して業務の手順を一から指示して、部下は指示された動作を言われた通りにこなすスタイルでした。しかし、MBOは上司が部下に対して目標だけを与え、部下は目標を達成する手段を「自ら考えて行動」するスタイルです。

もちろん、目標を与えられたからといってすべての従業員が主体的に行動できるわけではありません。部下が目標を達成できない場合は、その部下が目標を達成できるように「上司が育成」します。

こうして、従業員が目標を達成できるスキルを身につけて主体的に行動できるように導くマネジメントが、MBOの目的のひとつなのです。

個人目標の達成

MBOでは、従業員個人が目標達成に向けて、主体的に行動できるようになることも目的のひとつです。

目標達成のためのプロセスは個人が考え、自身の力で目標を達成することが大切です。目標を達成するためのスキルを身につけ、目標管理を自分自身で行えるようになる、つまりセルフコントロールを行えるようにすることもMBO導入の目的なのです。

MBOを人事考課に利用する

MBOは人事考課としての利用方法もあります。

従業員が、目標達成のためのプロセスを考えられるようになり、業務の効率化やモチベーション向上をセルフコントロールできるようになったかどうかを評価基準として用いるのです。

具体的には、目標を達成できたか否かの人事評価基準を作成するなどが考えられます。

目標達成が評価に関わるならば、従業員の目標達成に対する意欲向上や、目標を達成するために必要なスキルアップにも積極性が出てくるでしょう。ただし、このようなモチベーションは、従業員自身から勝手に沸き起こることは難しいと考えられますので、上司が部下を育成することが必須だといえます。

MBOのメリット

それでは、MBOを導入するメリットをみていきましょう。

従来に比べてマネジメントがしやすくなる可能性がある

上述した通り、従来のマネジメントに比べると、MBOを導入した従業員のマネジメントの方が、管理がしやすくなる可能性があります。

従業員に作業内容を一から十まで指示するよりも、目標を与えて従業員自らに達成させる方が、上司の指示負担が軽減されるからです。

ただし、目標を達成できない従業員を育成しなければならないという点では、上司にもこれまでとは違うスキルが求められることも確かです。

モチベーション向上

目標を設定して主体的に業務へ取り組むことで、仕事に対するモチベーション向上が期待できます。

目標を達成した「達成感」は、次の目標に対する作業の効率化やスキルアップへのモチベーションにもつながります。また、従業員自身が目標管理を行うことで、仕事に対する姿勢も良い方向へ変化するはずです。

主体性が向上

従業員自身がどうやって目標を達成するかを考え、行動するということは、主体性の向上につながります。

これまで指示待ちをしていた従業員でも、ひとつでも目標を達成した「自信」を得られれば、「どのように業務に向き合うか」を自らが考えるようになり、主体性を持って行動するようになるでしょう。

上司と部下のコミュニケーションが活性化

MBOで重要なのは、従業員が目標管理に対してセルフコントロールできるように、上司が育成することにあります。つまり、上司と部下のコミュニケーションがなければMBOは意味をなさないのです。

そこで期待できるのが、上司と部下のコミュニケーション活性化だといえます。

このコラムで何度もお伝えしていますが、目標を達成できない部下に対しては「上司による部下の育成」が欠かせません。部下を育成するためには、密接なコミュニケーションが不可欠です。ですので、必然的に上司と部下のコミュニケーションが活性化します。

MBOのデメリット

それでは、MBOを導入した場合のデメリットも確認しておきましょう。

ノルマによる負担がモチベーションを下げる

MBOでは、細かな仕事の動作指示をするのではなく、目標だけを与えてプロセスを従業員が考えるというスタンスです。そこには「部下の育成」が不可欠であり、上司のマネジメント能力が大きく関わります。

しかし、MBOを導入する企業の中には、「目標を与えるだけ」で育成などのフォローをせず、目標達成できない従業員に対して圧力をかけるなどの間違った使い方も見受けられます。

この場合、与えられた目標は従業員にとっての「ノルマ」になり、達成できなければ評価に関わるといった恐怖心や負担になります。それは、従業員のモチベーション低下につながり、MBO導入の目的とは異なる結果を招いてしまいます。

高評価を得ることが目標になりがち

目標を達成すれば人事評価で高評価を得られるという意識が高まると、高評価を得るために「達成しやすい目標」を定める従業員も出てくるでしょう。

本来ならば、実力よりも少し高い目標を定め、それに向かって創意工夫することでスキルアップや達成感を得たり、モチベーション向上につながったりするものです。しかし、達成しやすい目標を定めてしまうと、簡単に目標を達成できて、人事評価でも高評価を得られますが、MBO本来の目的とずれてしまうのです。

まとめ

MBOを利用すれば、従業員一人ひとりの仕事に対する主体性やモチベーション維持につながるとともに、人事評価にも利用できます。メリットはもちろん、デメリットについても意識して、MBOの使い方を間違えないように運用することが大切です。

CTA

RECENT POST「プロジェクト管理」の最新記事


プロジェクト管理

【ビジネス用語】MBOとは?目標設定や評価におけるOKRとの違い

プロジェクト管理

導入の参考に知っておきたいOKRが失敗する8つの理由

プロジェクト管理

ドラッカーの言う目標管理とは何なのか?導入のメリットや注意点も紹介

プロジェクト管理

目標管理とは?目標管理のメリットや注意点から目標管理手順についてもわかりやすく解説

MBOとは?目標管理制度の導入目的やメリット・デメリットをわかりやすく解説

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング