チェンジインパクト分析とは?

 2022.05.11  ワークマネジメント オンライン編集部

企業が成長を図るにあたり変化は避けて通れません。ただ、変化が及ぼす影響により、業務効率や生産性の低下を招くリスクがあるのも事実です。そこで注目を集めるのがチェンジインパクト分析です。本記事では、チェンジマネジメントを成功へ導くチェンジインパクト分析の手法や、企業が具体的にとるべき行動などについて解説をします。

チェンジインパクト分析とは?

チェンジインパクト分析とはチェンジマネジメントに必要な分析手法

チェンジインパクト分析とは、変化がもたらす影響を把握し、スムーズに目的を達成するための分析手法です。変化は必ずしもよい結果ばかりをもたらすわけではありません。急激な変化による従業員のモチベーション低下、業務効率の悪化を招く可能性もあります。

このような事態を回避するには、変化による影響を把握し、発生しうるリスクに備えなくてはなりません。このチェンジマネジメントに必要な手法こそ、チェンジインパクト分析なのです。

チェンジマネジメントについては以下の記事も参照ください。
チェンジマネジメントとは?成功するチェンジマネジメントのプロセスを構築する 6 つのステップ

チェンジマネジメント完全ガイド
テレワークを成功させる9つの導入ステップ

チェンジインパクト分析を行う観点

チェンジインパクト分析は、変化する点は何か、誰が変化する影響を受けるのか、変化の大きさはどれくらいあるのか、変化への適応がどの程度できるのか、変化への適応のためにとれる対策は何か、の5つの視点から分析を行います。それぞれ詳しく見ていきましょう。

変化する点は何か

何が変化するのかを抽出するプロセスです。たとえば、オンプレミス環境でデータ管理を行っていた企業がクラウドストレージを導入するケースでは、業務のプロセスやデータを扱うときのルールなどが変化すると想定できます。

誰が変化する影響を受けるのか

変化によって誰が影響を受けるのかを把握するプロセスです。誰が影響を受けるのかを把握できていないと、リスクへの適切な対処ができません。

たとえば、テレワークを導入するケースでは、対象となる従業員はもちろん、従来通りオフィスで業務を遂行する者にも何かしらの影響があるでしょう。

変化の大きさはどれくらいあるのか

変化が大きいほど、発生するリスクも大きくなる可能性があります。そのため、変化の影響がどれくらい大きいのかを想定しておかねばなりません。

たとえば、最新のITツールを現場へ導入したとしましょう。現場の全従業員がITに強いのなら変化の影響は小さいと考えられますが、ITに弱いとなると相当大きな影響があります。

変化への適応がどれほどできるのか

変化への適応がどれほどできるのかにより、とるべき対処が変わってきます。適応がほとんどできないとなれば、新たなルールや体制づくりが必要でしょう。一方、容易に適応できるのであれば、発生するリスクは少ないです。

変化の適応のためにとれる対策は何か

変化に適応するため、どのような対策をとるのかを考えるプロセスです。たとえば、ITツールの導入にあたり適応への準備がほとんどできていないとなれば、マニュアルの整備やトレーニング、従業員に対するメリット、必要性の説明などが考えられます。

チェンジインパクト分析で浮かび上がる問題の解決方法

チェンジインパクト分析を行うことで、どのようなリスクが発生するのかを抽出できます。以下、変化を求める際によくある課題と、具体的な解決方法について解説をします。

業務内容・スキルに対する抵抗

ITツールの導入や新たなルールの制定などにより、業務内容や求められるスキルが大きく変化するケースは少なくありません。従業員の中には、従来通り業務を遂行できるのか、効率が落ちるのではないか、といった不安や不満を抱える者も出てくるでしょう。

トレーニングを実施して成功を実感させる

このような課題に対しては、トレーニングの実施が有効です。業務内容が大きく変化した場合、従業員がスムーズに対応できる可能性は低いでしょう。不満や不安を増大させる可能性がありますが、トレーニングの実施により解決できます。

トレーニングで従来通り、もしくは従来以上の成果を得られるようになれば、従業員は改革が成功した実感を得られます。不安や不満を解消し、モチベーションアップの効果も期待できるでしょう。

変革を受け入れられず抵抗する人材

組織の成長を図るための変革だと頭では理解できていても、それを受け入れられない従業員もいます。また、そもそも変革など必要ない、なぜそのようなことをするのか、と反感を抱く方もいるかもしれません。

変化の少ない組織に長く在籍し続けた従業員ほど、このような反感を抱きがちです。このような従業員に対しては、以下の対策が有効です。

変革の必要性やビジョン・戦略を周知徹底する

変革の必要性やビジョンを、従業員に対しきちんと周知しましょう。従業員の中には、なぜ変革が必要なのか、今まで通りではなぜダメなのか、といった疑問や不満を抱く者がいます。

こうした疑問や不満を解消するためには、必要性やビジョンを説明することが有効です。また、変革により現場の従業員にどのようなメリットをもたらすのかも併せて説明すると、理解してもらいやすいでしょう。必要に応じて勉強会やセミナーを開催するのも有効です。

業務量増加により抵抗

チェンジインパクト分析により、業務量が増加する課題を洗い出せたとしましょう。業務量の増加は現場で働く従業員に大きな影響を与えるため、解決すべき課題です。

業務量が増加すれば、従業員への負担が大きくなり、残業時間が増えるかもしれません。モチベーションの低下も招くおそれがあるため、適切な対策が求められます。

関連業務の変更やチームでの連帯性を持たせる

業務量が増加する可能性があるのなら、関連業務の変更を検討しましょう。特定の業務における負担が増える分、ほかの業務量を少なくする、他部門へ割り当てるなどの対策が有効です。

さらに、チームの連帯性を強化することも、組織の変革を進めるうえで大切なポイントです。チームワークの強化により、業務が増えても従来通りに遂行できる可能性があります。

成功事例:チェンジインパクト分析を導入して功を奏した方法

製造業に携わるある企業は、生産計画や生産管理会計の変革がもたらす影響を分析しました。改革したあとにどのような影響があるのかを、システム担当者も交えて幾度も協議し、いくつもの変更点を抽出したのです。

業務プロセスにも多くの変化があると理解でき、同社はトレーニング計画を立案します。従業員にもきちんと周知し、意識改革にも注力しました。特に変化が大きな点に関しては、従業員の考え方を改めてもらう必要があったため、説明にしっかりと時間を割きました。

また、システムの変更にあたり、関連するシステムやツールを変更する必要性が生じることも分析により把握できました。これに関しては、現場の担当者が対応しています。

失敗事例:チェンジインパクトを導入せず変革に失敗した事例

製造業を営むある企業のトップは、組織のDX化を推進すべく業務システムの統一案を打ち出しました。もともと、同社は各部門が異なるシステムを業務に利用していたのですが、それを統一しようとしたのです。

まず白羽の矢が立ったのがA事業部でした。変革への足がかりとして、A事業部に全社標準プロセスシステムを導入しようとしましたが、ここで問題が発生します。

A事業部は1年ほどの期間をかけて、部門の業務プロセスにマッチしたシステムの導入を検討していたのです。それを知らず、トップが統一システムの導入を打ち出したため、A事業部の怒りを買ってしまいます。

何とかシステムは導入したものの、A事業部の怒りは収まらず、非協力的な態度をとり続けた結果、システム障害が多発し大問題に発展しました。結局、プロジェクトは大失敗に終わったのです。

まとめ

変革による影響を事前に把握し、適切な対処を行うためにチェンジインパクト分析は欠かせません。分析をせずに改革を進めると、従業員からの思わぬ反感を買ったり、業務効率が低下したりとさまざまなリスクを招くおそれがあります。

改革を成功させるには、チェンジマネジメントが不可欠であり、そのためにはチェンジインパクト分析が必要です。まずは現状把握を効率化するITツールの導入として、Asanaをご検討してみてはいかがでしょうか。

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